3001年05月01日

犬の異物性急性膵炎

2歳6か月 6.6kgのフレンチブルが昨日から今日にかけて5回吐いたと連れて来られました。
過去に異物摂取歴はあるものの、今回は異物摂取したかどうかは不明との事。
血液検査では、膵臓の数値、炎症の数値が測定不能になるほど上昇していました。また、レントゲン検査では、胃に大量のガスが貯留していました。

その後、絶食で急性膵炎の治療をしました。

翌日には膵臓の数値は1/3以下に、炎症の数値も1/2以下に低下し膵炎は改善していました。また、入院後に嘔吐は1回もありませんでしたが一応、造影剤の通過試験の検査を行いました。

下:(入院翌日)単純レントゲン写真(造影剤投与する前)
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前日にあった胃中のガスはほとんどなくなっていました。異物の異常所見はなし。

下:(入院翌日)造影剤投与後30分のレントゲン写真
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造影剤投与30分後、胃の中の造影剤は小腸に流れ通過障害はありませんでしたが、一部胃の中で何か真っ直ぐな線らしきものが観察されました。

下:(入院翌日)、造影剤投与後60分のレントゲン写真
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造影剤投与して1時間、多くの造影剤は小腸まで移動しており通過障害は全くありませんでしたが、やはり30分と同じ場所で残った造影剤と何か?の(微妙な)残存像が観察されました。
その後3時間程度で全ての造影剤は無くなり胃腸における通過は犬にしては非常に早すぎる感がありました。

その日の午後にほんの少量の食餌を与えると食欲は旺盛で吐き気はありませんでした。

入院3日目の午前の血液検査では、膵臓の数値、炎症の数値も2日目よりもさらに改善しており、本日退院しても良い状態でしたが、レントゲン造影検査で若干の異常所見から内視鏡の検査を行いました。

下:内視鏡動画 胃のあった異物の一部 

麻酔下での内視鏡検査では、胃の幽門部に何かあまり大きくない紐状異物がありました。それを内視鏡鉗子で引っ張っても全く除去できないので内視鏡での摘出はあきらめてすぐに開腹手術を行いました。

下:手術中の写真
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開腹手術を行うと、胃の幽門〜十二指腸に紐状異物があり、なかなか引っ張っても摘出できませんでしたが、時間をかけて何とか手術で摘出できました。

下:手術で摘出した異物の塊りの写真
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手術後に摘出した直後の異物の塊りです。いろいろなものが紐に絡み合っていました。

下:摘出した異物を分けて洗浄しての画像
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摘出した異物を分けて洗浄するとは繊維系の異物?と青い装飾物?と凹んだペットボトルのフタとプラスチックのかけら約8個でした。

胃から十二指腸にかけて紐状異物があり、2次的に十二指腸に隣接する膵臓に炎症を起こしたものでした。
造影検査では、特に通過障害はなく状態も良く退院できる状態でしたが、検査自体100%正確なものはなくどうしても胃の中の異常所見が気かかり麻酔下で内視鏡検査 ➡ 内視鏡でも異物除去(できず)➡ 試験開腹 ➡ 胃切開にて異物除去 に至った症例でした。

手術翌日の膵臓の検査は正常値でした。

下:異物だったペットボトルのフタの写真
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ペットボトルのフタの劣化から推測するとかなり以前に誤飲したようでした。胃内にあったこの異物が数日前に幽門に移動して詰まったようでした。詰まったペットボトルの隙間から造影剤が流れてしまい検査上は造影剤の通過に関しては異常なしだったようです。飼い主の異物摂取の確認が聴取できない時には診断を難しくします。膵炎が起きたのもこの異物が原因だと思われました。

その後の経過は良好で5日で退院しました。
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3001年04月01日

18歳の雄犬の睾丸摘出

約18歳の雄犬の右睾丸が大きくなってきたつ連れて来られました。
最初は右睾丸が縦30mm、横20mmでしたが、8日後には縦32mm、横25mmでした。
血液検査、レントゲン検査、心電図検査で異常なしを確認して5日後に手術で左右睾丸の摘出を行いました。

下:手術で摘出した(右)睾丸
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摘出した睾丸の中には膿が溜まっていました。

下:手術後の患部の写真
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麻酔の醒めも良く、翌日退院しました。

その後の病理組織検査では、・・・・   でした。

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去勢雄犬の肛門脇の深部にできた腫瘍摘出

約8歳 シーズ 雄
ワクチンの時に偶然に肛門横の深部に2cm大のしこりが発見しました。犬は特に症状はありませんでした。
細胞診では、軽度の炎症ありの所見でしたが、抗生剤の薬で反応はありませんでした。
場所が非常に手術しにくい深い会陰部なので早期に手術を行うことになりました。

下:手術後の患部の写真
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手術部位は、かなり深いのでペンロースドレナージを手術後3日間装着しました。


下:摘出した腫瘤
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摘出した腫瘤は、かなり固いものでした。

病理組織検査では、腺癌でした。
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15歳7ヵ月齢の犬の抜歯処置+ついでに歯石除去

15歳7か月 ダックス 以前から慢性の鼻炎があり時々、鼻から少量の出血があるとの事で内科的な治療をしていました。昨年末から薬を飲んでも血液検査での炎症の数値があまり下がらないので麻酔処置にて上顎の犬歯の抜歯をお勧めしました。

1週間前に心電図検査、血液検査(炎症値やや高い)
当日に血液検査、レントゲン検査、血液凝固検査を行い入院麻酔処置を行いました。

当日は、事前に鎮痛処置、止血処置をおこない抜歯+歯石処置を行いました。

下:麻酔後の歯の写真 矢印の部分は膿をもっていました
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犬歯4本のうち3本と右の臼歯を1本 その他 を抜歯しました。
予想どおり犬歯の抜歯の際に抜歯部分と鼻から大量の出血がありました。

下:抜歯後の写真 出血部位に圧迫止血をしている写真
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事前の血液凝固検査に異常はなく また事前の止血処置のため出血はすぐに止まりました。

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その日の午後に退院としました。

ダックスフントとプードルなどの犬種では、歯の根本が深いので高齢になっても歯が取れずに歯根膿瘍を起こし、慢性の鼻炎や目の下に膿がたまる(後眼窩膿瘍)の発生があります。

日頃から歯の管理には注意をしましょう。

1週間後の炎症の検査は正常値で鼻炎は起きなくなっているとの事でした。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

異物摘出手術(焼き鳥の串)

テリア種 8Y 雌

2週間前に焼き鳥を串ごと食べた。その後は異常なしも 本日、胸に痛みがあると来院

レントゲン検査異常なし(串はレントゲンで写らない)
血液検査では生化学異常なし CRP(炎症の検査)中程度の異常ありを認め、すぐに試験開腹を行いました。

下:開腹手術中の写真
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開腹手術を行うと、胃から串が飛び出していました。

下:開腹手術中の写真
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串が出ている胃には腸間膜が癒着して数ミリの穴を空け串が出ていました。癒着した腸間膜の一部は炎症のためか固くなっており、その部分は剥離切除しました。その後にその周辺を細胞診して細菌感染がないのを確認して(癒着した腸間膜はそのままにして)吸収性縫合糸で胃の穿孔部を縫合しました。最後に、お腹の中はサクション(吸引器)を用いて1リットル腹腔洗浄を行いました。

下:摘出した串
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串は全長13cmぐらいありました。

下:手術後の写真
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腹腔内にカテーテルを入れました。2日後にカテーテルは除去しました。

その後、徐々に食事を増やしました。抜糸の時には元気、食欲などに特に問題ありませんでした。


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犬の乳腺腫瘍(一部左右同時摘出手術)

マルチーズ 雌(避妊済み) 10歳半

過去に子宮蓄膿症で卵巣子宮摘出あり。
数年前から乳腺に腫瘤があり、少しづつではあるが大きくなっているので手術を検討しているとの事でした。
細胞診では、良性の乳腺腫瘍。血液検査、レントゲン検査、心電図検査で異常なしを確認に後日、手術を実施しました。

下:麻酔時の患部の写真
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右の第4第5、左の第3第4第5に腫瘤があります。
特に右の第4乳腺部分と左の第3乳腺部分は大きな腫瘤でした。

左右を2回に分けて手術するよりも1回の手術で摘出することを検討しました。

下:手術後、翌日の患部の写真
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手術では、右の第4第5乳腺と左の第3〜第5乳腺を含む腫瘤を摘出しました。
下部の乳腺は左右同時手術を行いました。

ラジオ波メス、シーリングシステムを使用して手術は短時間で終了。翌日退院しました。
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ハムスターの不正咬合

1歳半のハムスターが夜間にずーと鳴いているとの主訴で連れて来られました。
身体検査をすると、まず左の頬袋に大量の食べ物があり、それは粘調性があり頬袋に強くくっ付いていたので少しづつ取り出しました。また他の異常所見として、上顎の前歯(切歯)の1本が内側に延びすぎて上顎に突き刺さっていました。
歯を切断後に出血することを了解して頂き、その歯を根本で切断しました。突き刺さった歯は上顎から取れて突き刺さった場所と鼻から大量に出血をしましたが、なんとか止血できました。

下:上顎に突刺さった歯
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ハムスターの切歯の処置後、出血も治まりなんとか治療は終了しました。頬袋の食べ物の残渣と歯の異常の因果関係はあったのかもしれません。

ハムスターの切歯は常生歯と言い、上下の歯の摩耗で伸びないようになっていますが、ゲージなどを噛む癖があると歯の位置がズレてしまい上顎の切歯が内側に延びすぎて突きささるケースがあります。一度ズレた歯は元に戻らないので定期的な歯のカットが今後必要になります。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

膀胱内の結石が原因で血尿が続いた症例

5歳半のスコティッシュ・ホールド メスが2週間血尿が続くと連れて来られました。
レントゲン検査で膀胱内に2個の小さな結石がありました。超音波検査で膀胱粘膜に若干の肥厚がありました。尿検査で白血球+++、赤血球が+++で膀胱内に強い炎症があるので内科的な治療をして、その後に手術で結石除去をお勧めしました。

下:レントゲン検査では2個の小さな結石がありました。
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1か月以上内科的な治療でなかなか血尿が治まらず、膀胱粘膜の肥厚がやや治まったところで手術を行うことになりました。

下:手術中の写真 膀胱切開して結石を取り出していう写真
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手術後、翌日に退院としました。

下:摘出した膀胱内にあった結石2個
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結石は円盤型をして平べったく曲がりはギザギザしており楕円形のノコギリのような形状でした。

その後、経過良好で抜糸時には血尿はまったくないとのことでした。

結石分析検査では、結石の成分はリン酸マグネシウム・アンモニウム 98%でした。
今後は処方食による管理が必要になります。
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犬歯の歯根部の炎症に起因する慢性鼻炎

ポメラニアン 10歳 半年以上前から慢性の鼻炎がありくしゃみが続いていると連れて来られました。

以前に、同じような症状で右側の犬歯を抜歯してくしゃみが改善したことがありました。
今回は、左の鼻から透明な鼻水が少し出ていて毎日のようにくしゃみがあるとのことでした。
麻酔下での抜歯処置と歯石除去をお勧めしました。

内科的な治療を試みましたが、改善傾向がなく血液検査、レントゲン検査で麻酔できることを確認の上、後日抜歯を行いました。

下:麻酔中の写真 抜歯後の写真 
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既に右の上下の犬歯は以前の抜歯でなく、今回は左の上顎の犬歯を抜歯しました。抜歯の際に抜歯部位と鼻から大量の出血がありました。また、左下顎の犬歯にも異常があり抜歯を行いました。

下:抜歯した左の上顎と下顎の犬歯
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犬の犬歯の抜歯は、通常抜歯の際に大量の出血があります。当日に凝固検査で異常がないのを確認し、事前に止血剤の処置をして抜歯を行いました。静脈点滴などを行い、その日のうちに退院としました。
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3001年03月01日

高齢犬における頭の腫瘤摘出

14歳4か月のアメリカンコッカースパニエルが頭の腫瘤からたまに出血するとの主訴で連れて来られました。
数か月前にも首の乳頭腫で局所麻酔で腫瘤の摘出をしました。
僧房弁閉鎖不全症で心臓雑音がLEVINE分類で4-5/6の心臓雑音があるので飼い主の方の希望もあり前回同様に局所麻酔での腫瘤切除を行いました。

下:バリカンで毛を刈った後、局所麻酔を施した後の写真
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手術では、皮膚から使用できるラジオ波メスで皮膚切開、シーリングシステムで血管をシールドして腫瘤を摘出し皮膚縫合を行いました。痛みは前回同様まったくありませんでした。

下:手術で摘出した腫瘤の写真
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腫瘤表面は凹凸があり皮膚がなくなっている部分もあり、血液が付着して何回か出血があったようでした。

下:手術後の患部の写真
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手術後は、その日のうちに退院としました。
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猫の異物誤飲の症例

純血の猫が6日前に赤ちゃん用の玩具のおもちゃの一部を飲んでしまい4日前から食欲がないと連れて来られました。嘔吐は、4日前、3日前にあったようだったので4日前ぐらいに胃から腸に異物が移動したと思われます。通常ゴム類はレントゲンでは映らないケースがほとんどですが、人の赤ちゃん用なのでレントゲンで映る素材があるよでレントゲンで綺麗に異物が確認できました。血液検査では脱水だけがありました。
すでに6日経過していましたが、異物が移動していれば手術の必要性がないとの判断でその日は点滴だけで1日様子観察しました。

下:レントゲン写真(横:ラテラル像)
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次の日のレントゲン写真でも異物の移動は確認できなかったのでその日のうちに開腹手術で異物を除去しました。

下:手術中の写真
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異物は、リング状のものでした。両端に少し出っ張りがあり小腸の中で長い間停滞していたようでした。

下:摘出した異物
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その後、2日間は静脈点滴をして退院しました。
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猫の(大きな)子宮蓄膿症

8歳の猫が、元気がないと午後の診察時に連れて来られました。
レントゲンCR検査で、子宮らしきものがかなり大きくなっていました。超音波検査では子宮内に液体の貯留を認めました。血液検査では、貧血や腎不全はなく白血球は増多の状態でした。

下:手術前のレントゲン写真
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胃内容物があったので胃を動かし薬を投与してからその日のうちにすぐに手術を実施しました。

下:手術中の写真
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写真で分かるように、子宮はかなり大きくなり子宮壁はパンパンでいつ破裂を起こしてもおかしくない状況でした。

下:摘出した卵巣子宮
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子宮蓄膿症は子宮が大きくなっているケースでは、なるべく早くに原因の卵巣と子宮を摘出して内科治療をおこなうのが治療の基本です。
子宮内の膿の性状(院内細胞診検査で多数の桿菌確認)がよくないので、内科治療に反応が悪いのも想定して細菌感受性検査を検査センターに送りました。

入院時とその後は、エンドトキシという毒素が全身に廻っている可能性もあり十分な静脈点滴を行いその後に退院させました。

@内毒素(ないどくそ)とは、グラム陰性菌の細胞壁の成分であり積極的には分泌されない毒素を指す。英語名をそのまま用い、エンドトキシン (endotoxin) とも呼ぶ。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

尿道口と伴に反転して膣から出てきたポリープ様腫瘤の1例

パピオン 15歳 メス(未避妊)が、膣に赤いものがあり出血がある。膣脱ではないかと連れて来られました。
よく見ると膣の一部にポリープがあり反転して脱出していました。大きくて押し戻すことはできませんでした。いつから脱出しているか不明らしく先端部分は少し黒ずんで壊死がはじまっているようでした。

下:脱出した状態の犬の膣のポリープの写真
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各種血液検査では、CRP16(炎症の検査)で強い炎症が疑われました。その他の血液検査では異常なし
レントゲン検査でも異常はなく、炎症は、このポリープが関連していると思われました。

下:脱出したポリープを引き出した患部の写真 矢印は尿道口の部分
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脱出したポリープ様腫瘤をよく観察するとには尿道も含まれており根本で切断すると排尿できなくなると思われました。このようなケースは過去に20例以上ありましたが、尿道口がここまで出てくる例はありませんでした。手術では、当然その手前で切断するしか方法はありませんでした。根本の細い部分での切断は楽ですが、尿道を残すため太い部分での切断なのでシーリングシステムを用いて徐々に切断しました。尿道口を残すためポリープ様腫瘤の一部は残ってしまった可能性は大でした。

下:摘出した膣ポリープ
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摘出した膣ポリープは一部が黒く変色しており壊死を起こしていました。

下:尿道カテーテルを留置した写真
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一応、12時間だけ尿道カテーテルを留置しました。
尿道カテーテルを除去した後も排尿には問題ありませんでした。
今後は、病理組織検査でホルモンの関連しているかどうかという点。ホルモン性による過形成の場合は避妊手術をして再発予防が必要かも知れません。
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7歳の犬の良性の脂肪腫と思われる腫瘤の摘出手術

7歳のチワワがワクチンのため来院しました。数年前から右脇腹の皮膚に腫瘤があり少しずつ大きくなっているとの事でした。以前の細胞診検査(検査センター)では、良性の脂肪腫が第一に疑われるとの所見でした。
年齢がまだ7歳なので、このまま何もせずに毎年、少しずつ大きくなるよりは良性腫瘍でも今後の寿命を考え摘出手術をお勧めしました。
レントゲン、血液検査で異常なし 後日、手術を行う事になりました。

下:麻酔後に剃毛した後の写真 矢印が腫瘤
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手術は特に問題なく終了しました。

下:手術中の写真 太い血管(矢印)が2本程度ありました。
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腫瘤周辺は血管はあまりありませんが、一部に太い血管(矢印)がありました。

下:手術で摘出した腫瘤 
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皮膚の下に脂肪組織が大量についていました。

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焼き鳥を串ごと食べてしまったシーズ犬

2日前に8歳7か月のシーズーが焼き鳥の串を串ごと飲み込んでしまった。串の1/3は吐いたが、残りがまだ胃に残っているかもと連れてこられました。
レントゲン検査では異常なし(串はレントゲンでは写りません)。
血液検査では、炎症反応なし。胃内に串があると串の長さにもよりますが、胃を穿孔するケースがあります。
当日は、レントゲンで分かるように胃の中に食事があるので内視鏡処置ができないので後日、食事を抜いて連れてくるように指示しました。

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上:腹部レントゲン検査

翌日、超音波検査を行うと確かに空腹の胃に何か固くて細い高エコーの陰影がありました。(超音波で確定診断は無理)。
取りあえず内視鏡で胃の検査を実施しました。

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上:胃中の串を内視鏡先端から異物鉗子で挟んでいるところの画像

麻酔下で内視鏡検査で胃内を検査すると何らかの異物がすぐに見つかり取り出しました。
胃の粘膜は串により一部、炎症、出血痕がありました。

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上:胃から取り出した串の一部

手術で開腹、胃切開せずに異物を除去し入院せずに当日退院としました。
胃内異物では手術が必要なケースもありますが、内視鏡だけで取り出せるケースも多々あります。

結果的に犬の大きさと串の長さから吐くのは困難、胃穿孔の可能性もあり試験的に麻酔下での内視鏡での早期の摘出をしてよかったようです。

お腹を切らずに異物除去でき、また当日退院だったのでオーナーの方には大変喜んで頂きました。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

閉塞を(6回)繰り返した猫の尿路結石症

雄の猫が、尿が出にくいと連れて来られました。
レントゲン検査では、尿路に結石が詰まり排尿困難 ➡ カテーテルにて結石を膀胱に戻す ➡ レントゲン検査で膀胱内の結石を確認(いつも4個の結石) を全てで6回繰り返しました。
結石が、見つかってから結石用の処方食のみを与えていますが、結石の大きさは変わらないようでした。
尿検査では、溶解しないシュウ酸カルシウム結石の疑いが強いので診察ごとに、手術をお勧めしていましたが、処置後の経過が良いので手術を希望しませんでした。

下:尿路閉塞(4回目再発)で来院時のレントゲン写真
IM-20161101 前.jpg
右矢印は、尿道に閉塞した結石1個 もう1個はあそらく骨盤に隠れて画像上では確認できていないと思われる
左矢印は、膀胱内の結石2個

下:尿路閉塞(5回目再発)で来院時のレントゲン写真
IM-20161128 前.jpg
右矢印は、会陰部尿道に閉塞した結石1個
真ん中矢印は、尿道の膀胱近くで閉塞した結石1個
左矢印は、膀胱内の結石2個

下:カテーテルにて尿路に閉塞した結石は、膀胱内に押し戻しました。
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矢印は、カテーテル処置後に膀胱内に押し戻した結石と膀胱内にあった結石

下:上のレントゲン写真の拡大したもの
IM-20161202 後2.jpg

押し戻した結石は、毎回4個でした。
5回目の再発でやっと手術に同意して後日、手術を行うことになりました。

手術の当日に1個結石が尿道に閉塞していました。(6回目の再発)
手術前に結石を膀胱へ押し戻し膀胱切開にて膀胱内の結石を全て摘出しました。

下:手術で摘出した結石4個
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結石は、1−2mm程度の大きさでした。

手術後、翌日に退院しました。

雄の猫では結石が尿道に閉塞した場合は、カテーテル処置で詰まった結石を解除できればいいのですが、できない場合は、会陰尿道設置術になる場合もあります。一度この手術を行うと万が一、膀胱結石が再発してそれが尿道に閉塞するとペニスがないのでカテーテル操作ができなくなるなど、あまりしない方が良い手術です。そのような理由で膀胱結石がある場合は、尿道に結石が行かないようになるべく膀胱切開術で結石除去を行うのが良いと思われます。

その後の結石の分析結果は、溶解しないシュウ酸カルシウムの結石でした。
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23歳の高齢猫ちゃん

最近は、20歳超えの高齢猫が非常に増えています。
犬では、なかなか20年飼育は稀ですが、最近では猫で非常に増えています。

本日の診察で、23歳になった猫が偶然に定期健康診断で来院したので写真を撮らせて頂きました。

体重は、5.2kg 雌(避妊済み)

3年前から糖尿病でインスリンの注射をしていますが、うまく血糖値をコントロールできています。

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ここ数年は、体重の増減はありません。長生きするには、日頃から体重をなるべく一定に維持することが重要だと思います。


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3001年02月01日

食欲廃絶の原因が1本の歯が原因だった犬の症例

13歳のプードルが、3日前から食欲が全くないとの主訴で連れて来られました。
問診では、特に目立った症状も無い状態でした。

まず行った血液検査では、血糖値、腎臓、肝臓、膵臓、電解質、血球検査など特には異常ありませんでしたが、炎症の検査であるCRP検査のみ20以上で測定不能(正常値は0〜1)でした、どこかに強い炎症があるのが示唆されました。

もともと噛み癖があり口の中の詳細な観察はできませんが、若干口内に痛みがあるようでした。特に、口から出血、涎れの症状はありませんが、歯が原因の可能性があると思われました。

歯以外に炎症を起こしている可能性を排除するために、胸部、腹部のレントゲン検査を行いましたが、特に異常はなかったので、その日のうちに麻酔して口内をチェックすることにしました。

麻酔して、口内を調べると左の一番奥の歯が少しグラツキがあり、抜歯をしました。抜歯した歯根部分には多少の膿が観察されました。

下:抜糸した歯の写真
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その日のうちに退院としました。犬は、その日帰ってからすぐに食欲は戻ったとの事でした。

痛みや痒みは、それぞれの動物でかなり個体差があります。この子は痛みに非常にデリケートなタイプだったようです。歯の根本が化膿して歯根部の神経刺激が原因で食事ができなくなってしまったようでした。
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頸部の原因不明な化膿性炎症

ヨークシャテリア 12歳半 オス(心臓病で薬を数年前から内服)が、首から出血という主訴で連れてこられました。

見ると首には、化膿、裂傷がありました。歯とは、離れた場所で歯が関連しているとは考えらずまた、1匹のみの飼育で犬や猫との接触もなく、原因不明でした。

血液検査では、中程度の白血球増多とCRP(炎症の検査)が19でした(正常値は1以下)。

下:患部(首の部分)の写真 連れてこられた日のバリカンで毛を刈った後の患部  大きく裂傷がある

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傷口の周辺の皮膚は固く盛り上がり砲台状の形状、一見、腫瘍性のような感じでした。一部の皮膚は、血色が若干黒ずんでいるので2日間は、傷口は開放のままにして1日に何回も洗浄、消毒を繰り返しました。

下:局所麻酔にて傷口を縫合した後の患部(首の部分)の写真 周りが砲台状に固く盛り上がりがある
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3日目に、周りに皮膚の血色が改善してきたので患部を縫合閉鎖しました。
通常なら全身麻酔、ドレナージ設置が必要ですが、心臓病があるので局所麻酔での簡単な処置にしました。

砲台上の皮膚は腫瘍の疑いもあり、左右上下方法から4枚、穿刺吸引標本を作製して細胞診を検査センターに送りました。

下:抜糸時の写真
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下矢印の抜糸部分は、傷は問題ありませんでした。
上矢印は、一部砲台したしこりはあるものの面積は小さくなり非常に柔らかい状態でした。
血液検査で炎症の数値は正常値だったものの一応あと2週間は薬を内服してもらいました。

病理検査では、腫瘍の可能性は低く、原因は不明ですが炎症性との結果でした。
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大きく肛門腺が破裂した例(猫)

猫の大きな肛門腺破裂の例

犬猫では、肛門の左右やや下方に肛門腺と言われる分泌腺があります。この肛門腺の分泌液は肛門に開口していて肛門から排泄されます。この肛門腺の分泌液の出が悪くなると肛門腺は腫れて分泌物が皮下に漏れると皮膚は化膿して皮膚に穴があきます。通常は小さな穴で抗生物質+患部の消毒処置で治癒しますが、稀に大きく皮膚が裂けてしまい手術をした方が良いと思われるケースがあります。


8歳 雑種猫 尻尾の根本を痛がると言う主訴で連れて来られました。
身体検査で左肛門腺破裂がありました。傷口は大きく、内科的な治療の選択肢もありましたが、時間がかかるのと猫は非常に痛みが激しく緊急手術を希望したのでその日のうちに手術を実施しました。

各種血液検査、レントゲン検査では異常はありませんでした。 

下:麻酔後、患部をバリカンをかけた後の写真 矢印は肛門の位置です
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傷口と肛門には僅かしか皮膚はありませんでした。

下:手術後、患部縫合した後の写真 矢印はドレナージ装着した部分
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傷口は、手術後に炎症性の漿液の排出を考え、ペンロースドレナージを装着して2日間、徹底的な洗浄をしました。2日後にドレナージは除去、その日にうちに退院としました。

下:抜糸時の写真 枠の中あたりが傷があったと思われる部分
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傷は、ほとんど問題なく完治しました。
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若い猫(避妊済み)に生じた巨大肝嚢胞

生後9か月の雌猫(避妊済み)が腹部を大きいと連れて来られました。
この猫ちゃんは、震災地域から保護されて譲りうけた猫で、既に避妊手術は行われているとの事でした。
院内の検査では、血球検査、生化学検査異常なし、ウィルス検査(猫白血病検査陰性 猫後天性免疫不全ウィルス陰性)でした。

次にレントゲン検査を実施しました。

下:レントゲン検査 腹部上腹部 右側のかなり巨大なMass病変がありました。
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次に超音波検査を実施しました。

下:超音波検査では、Mass病変は袋状の中に大量の液体貯留がありました。液体はサラッとした液体のようでした。
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すぐに入院して、その日のうちに試験開腹手術を行いました。

下:麻酔時の腹部を剃毛した時の写真
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連れて来られた猫は、腹部がかなり大きい状態でした。

手術では、肝臓の一部が膜状に巨大化して中に液体を貯留していました。膜状のものは非常に脆いものでした。

下:嚢胞内の液体を除去して小さくなった嚢胞の膜
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手術では、肝臓と嚢胞の境目をシーリングシステムで凝固切除しました。

液体は、以下のようなサラッとした液体でした。

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翌日に猫は退院としました。

その後の病理組織検査では、肝実質内にに形成された巨大化した肝嚢胞でした。明らかな炎症や腫瘍性変化は認められませんでした。DPMと言う発生期における異常だそうで非常に珍しい症例でした。

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その後、約1か月のレントゲン写真では異常所見はありませんでした。
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60個以上あった犬の膀胱結石症

シーリハムテリア 雌
血尿でに過去に来院。レントゲン検査にて膀胱結石を指摘して手術をお勧めしました。
その後、膀胱炎の治療で血尿がなくなり様子観察をしていたそうですが、その後にひどい血尿があり再び来院されました。

下:腹部レントゲン検査
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膀胱内の結石は、9か月前のそれよりも2回り以上に大きくなり、細かい結石も多数、増えているようでした。血液検査、胸部レントゲン検査を実施して3日後に手術を実施しました。

下:手術中の写真
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手術前の超音波検査では膀胱粘膜の肥厚はあまりないとの判断でしたが、手術にて開腹して膀胱を見ると膀胱粘膜はやや肥厚していました。

下:手術後のレントゲン写真
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手術後の麻酔の覚醒もよく経過良好でした。

下:摘出した膀胱結石の一部
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膀胱内の結石は大きいのが2個(22mm×21mm、22mm×16mm)あり、その他は小さいものが多数あり細かいのも含めると60個以上はありました。

結石の分析検査では、結石の成分はストラバイト結石でした。今後は食事療法が必要になります。
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2回目の右側全乳腺摘出手術(前回は左側全乳腺摘出手術 )

キャバリア 雌(過去に子宮蓄膿症で卵巣子宮摘出)僧房弁閉鎖不全症(6段階評価で2−3悪化レベル)にて心臓の薬を内服中。将来的に心臓が悪化して麻酔できない状態を予想して早期の手術をお勧めしました。

左右の乳腺にシコリがあり。前回は左側乳腺摘出を行いました。
今回は、右側乳腺摘出を実施しました。
手術前に血液検査、レントゲン検査を実施して異常なしを確認しました。

下:麻酔して片側の全乳腺を摘出しているところの画像
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今回の場合、第3〜第4乳腺の間に10mm大のしこりが、第2〜第3の間に1mm大のしこりが2個ありました。2回の手術ともラジオ波メスとシーリングシステムの使用で出血なし、手術後の痛みもほとんどなく手術は終了しました。

下:傷口を縫合後の画像
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前回の摘出した左側の病理組織検査では、一部に単純腺癌がありましたが早期の手術だったので切除後は良好な予後が期待できるとの検査結果でした。
今回の摘出した右側の病理組織検査では、

心臓病を患い薬を内服の状態でしたが、心臓に負担のかからない方法を選択したので手術後の心臓に関して特に問題発生はありませんでした。

病理組織検査:一部に乳腺癌(低悪性)はありましたが、そのほかは乳腺腫瘍(良性)で全体として予後は良好との所見でした。
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犬の右第1〜2乳腺、左第3〜5乳腺摘出手術+子宮内膜炎の同時手術

11歳半のプードルがお腹にシコリがあると連れて来られました。右の第1〜2乳腺と左の第3〜5乳腺に1cm大のしこりがありました。
血液検査、レントゲン検査を実施後、後日手術を実施しました。

手術は、右第1〜2乳腺、左第3〜5乳腺摘出と飼い主の方の希望により同時に避妊手術も実施しました。
開腹して子宮を見ると子宮内膜炎(軽度の子宮蓄膿ぎみ)がありました。

乳腺摘出手術の方は、皮膚切開はラジオ波メス、皮下織の切除はシーリングシステムを使い短時間で手術は終了しました。シーリングシステム使用なので血管の結紮はなく出血はなく手術後の痛みも軽減できました。

下:手術後(消毒時)の写真
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3か所の手術でしたが、傷口は2か所にしました。

翌日午前に退院しました。
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犬の片側全乳腺摘出手術

11歳9か月 コーギーが乳腺に腫瘤があると連れて来られました。
過去に、子宮蓄膿症の手術と右の乳腺を全て摘出手術をしています。今回は、左の乳腺に4個のしこりがありました。
血液検査、レントゲン検査を実施後、後日、左側片側全乳腺摘出手術を実施しました。

下:手術中の乳腺摘出後の写真です。ほとんど出血はなし。
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手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使い短時間で手術は終了しました。シーリングシステム使用なので手術後の痛みはほとんどありませんでした。

下:手術後(縫合後)の写真です。
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翌日に退院しました。

その後の病理組織検査では、乳腺複合腺腫が2個、乳腺単純腺腫(低悪性度)1個でした。乳腺複合腺癌1個でした。鼠径リンパは著変なし。広範囲の摘出がなされており良好な予後が期待できるとの所見でした。
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3001年01月01日

腸を8か所切開して摘出した紐状異物の症例

10歳半の猫が嘔吐が3日前から続き、その間に食欲が全くないと連れて来られました。
血液検査では、中程度の高血糖、若干の炎症、、中程度の脱水がありました。レントゲンでは、消化管異物が疑われましたが、脱水があるのと高齢なのを考慮して自然に出るのを期待して入院させて静脈点滴をしてその日は経過観察しました。その後、改善傾向がないので消化管造影検査を実施しました。

下:単純レントゲン写真
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単純レントゲンでは、紐状異物の可能性あるが、はっきりとは分からない(紐はレントゲンでは写らない)
触診では、特に痛みはなし

下:翌日の造影剤投与後 5時間のレントゲン写真
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造影剤(ガストログラフィン)投与後5時間でも胃からまったく造影剤の通過がなく通過障害ありと判断。十分に点滴をして脱水を補正できたので、その日のうちに試験開腹を行いました。

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十二指腸の部分に大量の紐が閉塞していました。一部の紐は小腸から大腸まで移動しており全部で8か所の腸切開をして紐状異物を摘出しました。

下:状態が改善して食欲が徐々に改善した時の写真
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高齢だったので状態の改善に時間がかかりましたが、手術後4日後に退院しました。
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17歳11か月の高齢犬の腫瘍摘出

17歳11か月の雄のシーズのお尻に腫瘤ができ、出血して困るとの趣旨で連れて来られました。1年前から心臓に雑音があり現在、心臓の薬を内服中。心臓が悪い以外は、血液検査、レントゲン検査で若干の心臓肥大以外の異常はありませんでした。血圧測定では、軽度の低血圧があり心臓機能の若干の低下が推測されますが、麻酔には十分の耐えうると判断し後日手術を実施しました。

下:麻酔後の患部を消毒した後の画像
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矢印が腫瘍です。白いのは肛門に詰めた綿花です。 

下:手術前の患部の画像  
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手術は、ラジオ波メスで皮膚全周を切開をして、シーリングシステムで凝固して切除、出血はまったくありませんでした。ついでに腫瘍の再発予防として去勢手術を実施しました。肛門部は抜糸必要のない方法を選択しました。全麻酔時間は35分でした。

下:摘出した腫瘤
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手術後の麻酔の覚醒は非常に良かっです。犬の性格と心臓病を考えて当日の退院としました。

その後の病理組織検査では、肛門周囲腺腫(良性)でした。

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猫の皮膚血管肉腫

7歳の雄猫に臀部に1cm大の盛り上がった固いシコリがあると連れて来られました。
針での細胞診の検査(検査センター)では悪性所見があいませんでしたが、その後数日で大きさくなってきたのと、猫が自分で腫瘤を気にして出血を起こしたので急遽、手術を実施することになりました。

下:腫瘤の表面は猫が気にして一部が無くなっている状態 
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ラジオ波メス、シーリングシステムで筋層まで大きく摘出しました。

下:摘出した後の患部の写真
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手術の際に出血はほとんどありませんでした。悪性を考慮しておおきく切除。

下:摘出した腫瘤
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下:手術後の患部の写真
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その後の病理組織検査では、皮膚血管肉腫でした。

血管肉腫とは・・・
血管肉腫は、犬猫にできる悪性腫瘍です。犬でも猫でも外科的に摘出するのが第一選択になります。転移性のある腫瘍なので積極的な治療を望まれる場合は、ほとんどの場合、手術後に化学療法(抗がん剤)を行います。皮膚以外にできる血管肉腫の予後は良くありません。皮膚血管肉腫では、内臓にできるものに比べて生存期間は長いと言われていますが具体的にどれくらい長いかは、データーがありません。。

猫での血管肉腫・・・
犬に比べて猫の血管肉腫は非常は少なく、また皮膚にできる皮膚血管肉腫は稀だそうです。猫の皮膚における血管肉腫の発生はさらに少なくまとまったデータはないそうです。いずれの場所に発生しても血管肉腫は侵襲性の強い腫瘍で高い転移率です。内臓に発生したものは非常に悪いものがほとんどですが、皮膚の場合には完全切除で予後良好な場合もあるそうですが、今後は注意が必要です。皮膚以外に血管肉腫の発生がない場合は、皮膚が原発部位だと考えられます。その場合、内臓型よりも予後は良いですが、手術後に化学療法は有効なので抗がん剤療法を行った方が良いと思われます。

その後、抗がん剤療法は行いませんでしたが、再発なく経過良好とのことです。
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高齢雄犬の睾丸腫瘍と肛門腫瘍の2か所同時手術

16歳半のマルチーズが以前から肛門に腫瘍がありだんだんと大きくなってきたと連れて来られました。診察を行うと、肛門右に4cm大の腫瘤がありました。また。全身の身体検査で片側睾丸に腫瘍の疑いがありました。右睾丸が25×34mm大(正常だと思われた左睾丸は12×27mm大)でした。その他、心臓に6段階評価で2−3番目の心臓雑音がありました。
血液検査では異常ありませんでした。
レントゲン検査では、現時点では心臓肥大はありませんでした。

後日、全身麻酔下で、肛門右の腫瘤摘出、左右睾丸摘出の手術を同時に実施致しました。

下:麻酔後、手術前の睾丸部分の写真 (仰向けでの保定)矢印は大きく腫瘍化した睾丸
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上:手術で摘出した左右の睾丸
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左右の睾丸の大きさにかなり違いがあります。大きいのは右睾丸。

睾丸腫瘍摘出手術後に、続いて肛門部の腫瘤摘出術を行いました。

下:麻酔、消毒後の肛門部分の写真 (尾を前方に反らせた、うつ伏せでの保定)
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綿花(白いもの)が入っている部分は肛門です。
犬の肛門部左側に腫瘤があるのが分かります。肛門と腫瘤は2−3mmしか間はありませんでした。

下:手術後の肛門付近の写真 (うつ伏せでの保定)
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摘出した手術部位は、肛門に近いのを考慮して抜糸が必要のない方法を選択しました。

その後の病理組織検査では、大きかった右睾丸(精巣)はライデイヒ細胞腫でした。これは良性腫瘍で予後は良好です。また、肛門部にあった腫瘤は肛門周囲腺上皮腫でした。こちらも予後は良好です。

予想外だったのが・・・
ついでに去勢手術をした小さい方(正常な大きさ)の左睾丸(精巣)の病理組織検査結果で、睾丸の一部に初期のセルトリ細胞腫が見つかりました。これは悪性腫瘍です。但し、早期に切除されたため再発の可能性はあるものの良好に推移することが期待できるとの検査結果でした。
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高齢猫の背中にできた皮膚腫瘤摘出手術

約10歳の雌猫(避妊済)が半年前から背中にしこりができ、ここ1か月の間に急激に大きくなってきたと連れてこられました。しこりはすでに4cm大の大きさにあっており、皮膚表面が一部自潰を起こしておりました。
血液検査、レントゲン検査で麻酔がかけれる状態を確認し後日、手術を実施しました。

下:麻酔後に毛を刈った後の画像
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手術では、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用してほとんど出血なしの短時間で終了しました。

下:摘出した腫瘤 
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猫の性格(入院治療が困難)を考慮してその日のうちに退院としました。
後日の病理組織検査では、充実性嚢胞性アポクリン導管腺腫という腫瘍でした。
これはアポクリン(汗)腺の導管由来の良性腫瘍です。以前は基底細胞腫として分類されていましたが、現在はアポクリン導管由来の腫瘍と考えられています。これは猫では一般的によく見られる腫瘍で外科手術による切除で治癒します。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする