3001年02月01日

犬の右第1〜2乳腺、左第3〜5乳腺摘出手術+子宮内膜炎の同時手術

11歳半のプードルがお腹にシコリがあると連れて来られました。右の第1〜2乳腺と左の第3〜5乳腺に1cm大のしこりがありました。
血液検査、レントゲン検査を実施後、後日手術を実施しました。

手術は、右第1〜2乳腺、左第3〜5乳腺摘出と飼い主の方の希望により同時に避妊手術も実施しました。
開腹して子宮を見ると子宮内膜炎(軽度の子宮蓄膿ぎみ)がありました。

乳腺摘出手術の方は、皮膚切開はラジオ波メス、皮下織の切除はシーリングシステムを使い短時間で手術は終了しました。シーリングシステム使用なので血管の結紮はなく出血はなく手術後の痛みも軽減できました。

下:手術後(消毒時)の写真
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3か所の手術でしたが、傷口は2か所にしました。

翌日午前に退院しました。
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犬の片側全乳腺摘出手術

11歳9か月 コーギーが乳腺に腫瘤があると連れて来られました。
過去に、子宮蓄膿症の手術と右の乳腺を全て摘出手術をしています。今回は、左の乳腺に4個のしこりがありました。
血液検査、レントゲン検査を実施後、後日、左側片側全乳腺摘出手術を実施しました。

下:手術中の乳腺摘出後の写真です。ほとんど出血はなし。
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手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使い短時間で手術は終了しました。シーリングシステム使用なので手術後の痛みはほとんどありませんでした。

下:手術後(縫合後)の写真です。
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翌日に退院しました。

その後の病理組織検査では、乳腺複合腺腫が2個、乳腺単純腺腫(低悪性度)1個でした。乳腺複合腺癌1個でした。鼠径リンパは著変なし。広範囲の摘出がなされており良好な予後が期待できるとの所見でした。
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3001年01月01日

腸を8か所切開して摘出した紐状異物の症例

10歳半の猫が嘔吐が3日前から続き、その間に食欲が全くないと連れて来られました。
血液検査では、中程度の高血糖、若干の炎症、、中程度の脱水がありました。レントゲンでは、消化管異物が疑われましたが、脱水があるのと高齢なのを考慮して自然に出るのを期待して入院させて静脈点滴をしてその日は経過観察しました。その後、改善傾向がないので消化管造影検査を実施しました。

下:単純レントゲン写真
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単純レントゲンでは、紐状異物の可能性あるが、はっきりとは分からない(紐はレントゲンでは写らない)
触診では、特に痛みはなし

下:翌日の造影剤投与後 5時間のレントゲン写真
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造影剤(ガストログラフィン)投与後5時間でも胃からまったく造影剤の通過がなく通過障害ありと判断。十分に点滴をして脱水を補正できたので、その日のうちに試験開腹を行いました。

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十二指腸の部分に大量の紐が閉塞していました。一部の紐は小腸から大腸まで移動しており全部で8か所の腸切開をして紐状異物を摘出しました。

下:状態が改善して食欲が徐々に改善した時の写真
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高齢だったので状態の改善に時間がかかりましたが、手術後4日後に退院しました。
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17歳11か月の高齢犬の腫瘍摘出

17歳11か月の雄のシーズのお尻に腫瘤ができ、出血して困るとの趣旨で連れて来られました。1年前から心臓に雑音があり現在、心臓の薬を内服中。心臓が悪い以外は、血液検査、レントゲン検査で若干の心臓肥大以外の異常はありませんでした。血圧測定では、軽度の低血圧があり心臓機能の若干の低下が推測されますが、麻酔には十分の耐えうると判断し後日手術を実施しました。

下:麻酔後の患部を消毒した後の画像
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矢印が腫瘍です。白いのは肛門に詰めた綿花です。 

下:手術前の患部の画像  
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手術は、ラジオ波メスで皮膚全周を切開をして、シーリングシステムで凝固して切除、出血はまったくありませんでした。ついでに腫瘍の再発予防として去勢手術を実施しました。肛門部は抜糸必要のない方法を選択しました。全麻酔時間は35分でした。

下:摘出した腫瘤
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手術後の麻酔の覚醒は非常に良かっです。犬の性格と心臓病を考えて当日の退院としました。

その後の病理組織検査では、肛門周囲腺腫(良性)でした。

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猫の皮膚血管肉腫

7歳の雄猫に臀部に1cm大の盛り上がった固いシコリがあると連れて来られました。
針での細胞診の検査(検査センター)では悪性所見があいませんでしたが、その後数日で大きさくなってきたのと、猫が自分で腫瘤を気にして出血を起こしたので急遽、手術を実施することになりました。

下:腫瘤の表面は猫が気にして一部が無くなっている状態 
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ラジオ波メス、シーリングシステムで筋層まで大きく摘出しました。

下:摘出した後の患部の写真
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手術の際に出血はほとんどありませんでした。悪性を考慮しておおきく切除。

下:摘出した腫瘤
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下:手術後の患部の写真
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その後の病理組織検査では、皮膚血管肉腫でした。

血管肉腫とは・・・
血管肉腫は、犬猫にできる悪性腫瘍です。犬でも猫でも外科的に摘出するのが第一選択になります。転移性のある腫瘍なので積極的な治療を望まれる場合は、ほとんどの場合、手術後に化学療法(抗がん剤)を行います。皮膚以外にできる血管肉腫の予後は良くありません。皮膚血管肉腫では、内臓にできるものに比べて生存期間は長いと言われていますが具体的にどれくらい長いかは、データーがありません。。

猫での血管肉腫・・・
犬に比べて猫の血管肉腫は非常は少なく、また皮膚にできる皮膚血管肉腫は稀だそうです。猫の皮膚における血管肉腫の発生はさらに少なくまとまったデータはないそうです。いずれの場所に発生しても血管肉腫は侵襲性の強い腫瘍で高い転移率です。内臓に発生したものは非常に悪いものがほとんどですが、皮膚の場合には完全切除で予後良好な場合もあるそうですが、今後は注意が必要です。皮膚以外に血管肉腫の発生がない場合は、皮膚が原発部位だと考えられます。その場合、内臓型よりも予後は良いですが、手術後に化学療法は有効なので抗がん剤療法を行った方が良いと思われます。

その後、抗がん剤療法は行いませんでしたが、再発なく経過良好とのことです。
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高齢雄犬の睾丸腫瘍と肛門腫瘍の2か所同時手術

16歳半のマルチーズが以前から肛門に腫瘍がありだんだんと大きくなってきたと連れて来られました。診察を行うと、肛門右に4cm大の腫瘤がありました。また。全身の身体検査で片側睾丸に腫瘍の疑いがありました。右睾丸が25×34mm大(正常だと思われた左睾丸は12×27mm大)でした。その他、心臓に6段階評価で2−3番目の心臓雑音がありました。
血液検査では異常ありませんでした。
レントゲン検査では、現時点では心臓肥大はありませんでした。

後日、全身麻酔下で、肛門右の腫瘤摘出、左右睾丸摘出の手術を同時に実施致しました。

下:麻酔後、手術前の睾丸部分の写真 (仰向けでの保定)矢印は大きく腫瘍化した睾丸
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上:手術で摘出した左右の睾丸
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左右の睾丸の大きさにかなり違いがあります。大きいのは右睾丸。

睾丸腫瘍摘出手術後に、続いて肛門部の腫瘤摘出術を行いました。

下:麻酔、消毒後の肛門部分の写真 (尾を前方に反らせた、うつ伏せでの保定)
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綿花(白いもの)が入っている部分は肛門です。
犬の肛門部左側に腫瘤があるのが分かります。肛門と腫瘤は2−3mmしか間はありませんでした。

下:手術後の肛門付近の写真 (うつ伏せでの保定)
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摘出した手術部位は、肛門に近いのを考慮して抜糸が必要のない方法を選択しました。

その後の病理組織検査では、大きかった右睾丸(精巣)はライデイヒ細胞腫でした。これは良性腫瘍で予後は良好です。また、肛門部にあった腫瘤は肛門周囲腺上皮腫でした。こちらも予後は良好です。

予想外だったのが・・・
ついでに去勢手術をした小さい方(正常な大きさ)の左睾丸(精巣)の病理組織検査結果で、睾丸の一部に初期のセルトリ細胞腫が見つかりました。これは悪性腫瘍です。但し、早期に切除されたため再発の可能性はあるものの良好に推移することが期待できるとの検査結果でした。
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高齢猫の背中にできた皮膚腫瘤摘出手術

約10歳の雌猫(避妊済)が半年前から背中にしこりができ、ここ1か月の間に急激に大きくなってきたと連れてこられました。しこりはすでに4cm大の大きさにあっており、皮膚表面が一部自潰を起こしておりました。
血液検査、レントゲン検査で麻酔がかけれる状態を確認し後日、手術を実施しました。

下:麻酔後に毛を刈った後の画像
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手術では、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用してほとんど出血なしの短時間で終了しました。

下:摘出した腫瘤 
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猫の性格(入院治療が困難)を考慮してその日のうちに退院としました。
後日の病理組織検査では、充実性嚢胞性アポクリン導管腺腫という腫瘍でした。
これはアポクリン(汗)腺の導管由来の良性腫瘍です。以前は基底細胞腫として分類されていましたが、現在はアポクリン導管由来の腫瘍と考えられています。これは猫では一般的によく見られる腫瘍で外科手術による切除で治癒します。
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野良猫の避妊(雌猫)手術の傷口に関して

野良猫の雌の避妊手術を行いました。
野良猫(雌)の避妊手術では、通常の避妊手術に比べてかなり小さい傷口で手術をおこなう必要があります。小さくする理由としたは次のような利点があります。
@傷口が小さければ傷のつきが良い。
A夏では、傷口が小さければ化膿の可能性が少ない。
B傷口が小さければ猫が傷口を気にするのが少なくなる。

また、飼育された猫と違い、抜糸に連れてくるのが出来ないので皮膚は吸収性の縫合糸を使用して抜糸の必要のない方法を選択します。

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上:野良猫の避妊手術の際の傷口 なるべく小さい傷口(約1cm〜1.5cm)で卵巣子宮全摘出術を行います。

左の耳にV字カットをして、猫は退院しました。
退院後に抗生物質の投薬もできないので、2週間持続して効果を発揮する抗生物質の注射をしました。
  
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野良猫の去勢(雄猫)手術後の右耳のV字カット

野良猫の雄の去勢手術を行いました。
野良猫の雄の去勢手術では、一度去勢手術したのに別の方が手術していないと思い、動物病院に連れてくるケースが稀にあります。なかなか触るのが困難な猫もいて、捕獲檻や捕獲ネットで捕まえて動物病院に連れてきて初めて去勢済みだと分かる事もあります。
不必要に捕獲されて猫に余分なストレスを与えないために、耳にカットを入れれば、この猫は既に去勢済みだと外見で分かります。

野良猫の雌猫の避妊手術では、不必要な全身麻酔、開腹手術をしないように雌の野良ネコのでは、左の耳先端にV字カットを入れる決まりがあります。


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上:去勢手術後についでに右耳のV字カットして止血処理を施した後の患部のアップ写真

雄の野良ネコの去勢手術では、右の耳先端にV字カットを入れる決まりがあります。


野良猫で左右の耳の先端のどちらかがV字にカットしてあったら、去勢、避妊手術をされているんだと思ってください。また、右の耳だったら雄、左の耳だったら雌だと思ってください。


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出産予定の2週間前に行った猫の避妊手術

約2歳の雌猫、1か月ちょっと前に1日だけ外に出てしまい、最近お腹が大きいと来院。
レントゲン検査で、4匹の妊娠を確認しました。飼い主の方は、どうしてもこれ以上、猫を飼えないとの事だったので避妊手術を後日行う事にしました。

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上:入院して静脈点滴をしている猫。
前肢を持ち上げるとお腹が大きくなっているのが分かります。
各種血液検査 異常なし
各種ウィルス検査 異常なし
血液凝固検査 異常なし

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上:麻酔後、手術前の皮膚を消毒した後の写真。 
お腹が大きいのが分かります。

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上:妊娠子宮を腹腔から外に出した時の写真
なるべく傷口を小さくして子宮卵巣を摘出しました。

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上:翌日の午前 退院前の写真
手術は、特に問題なく終了しました。
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3000年12月01日

腹腔内で子宮破裂を起こしていた犬の子宮蓄膿症の症例

10歳4か月のアメリカンコッカースパニエルが日曜日の明け方午前6時頃にぐったりしていると夜間病院で診察を受け、その後に当院に連れて来られました。 夜間病院の各種検査では、超音波検査で子宮内液体貯留あり、また腹腔内にも液体貯留があり腹膜炎の可能性ありとの診断でした。夜間病院での血液検査では、白血球5300で低下、炎症の検査:CRP>7以上測定不能でした。

日曜日の午前11時に当院に連れてこられました。当院の検査では、白血球12400 炎症の検査:CRP>20以上測定不能(CRP専用機での検査)でした。

すぐに麻酔下で手術を行いました。開腹すると子宮の一部に穴があいて子宮内の膿が腹腔内に漏れ出しているのが確認されました。穴が開いた子宮の前後を結紮してすぐに子宮卵巣全摘出術を実施しました。手術後は、腹腔内をサクション(吸引機)にて約2リットル洗浄液で腹腔内を徹底的に洗浄を行いました。

下:摘出した子宮に穿孔(穴があいていた)していた部位の写真
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その後は、4日入院して退院しました。退院後も経過良好でした。

下:抜糸で来院した際の写真 いつもの状態になり元気があるとの事でした。
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当初、朝の6時の時点で白血球が少なく敗血症に移行する状態だったようです。夜間病院で抗生物質などの投与で5時間後の当院での検査で白血球は12400まで上昇しており、なんとか麻酔できる状態と判断。また、明日まで待つと確実に敗血症で状態悪化するとの判断ですぐに手術したのが良かったようです。

子宮蓄膿症では、なるべく早く手術を行うのが、命を救う方法です。今回のように、子宮蓄膿症(パイオメトラ)の症例のうち子宮破裂を起こしている症例が稀にあります。
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9年2ヶ月前に行った会陰ヘルニアが再発して再び手術を行った症例

ビーグル 雄 15歳 4か月
2016年 肛門の左が腫れていると連れて来られました。

過去に、左右の会陰ヘルニア手術をした犬でした。
2007年 右の会陰ヘルニア手術+去勢手術
2007年 その1ヶ月後に左の会陰ヘルニア手術      を行いました。

手術後は、排便に特に問題がありませんでしたが、9年2か月経過した今月に左の会陰ヘルニア手術部位が再発して排便に問題があり来院しました。どうもここ半年前から慢性の気管支炎があり咳こむ時があり、これが腹圧がかかり会陰部が外れた理由かもしれません。
前回の手術では、人工物を利用した方法での装着でしましたが左のみ外れており、再手術が必要でした。右は問題ありませんでした。

下:肛門左の会陰部が腫脹した写真(会陰ヘルニア再発)
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再発した場合、開腹して直腸固定、膀胱固定の方法が現在では一般的ですが、犬が高齢のためなるべく短時間の手術を考慮して開腹せずに患部だけの手術を選択しました。

9年前に装着した人工物を除去して患部を洗浄後に別の方法でヘルニアを修復しました。一時的にドレインチューブを数日装着し患部の炎症を抑える処置を行いました。

下:手術後の写真
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手術後の直腸診では左側に蛇行していた直腸は真っ直ぐになっており排便に問題はないと思われました。
会陰部の炎症には、細菌感受性試験を行い適切な抗生物質での治療を行いました。

2週間後に狂犬病ワクチンで来院。傷口の状態は良く、便通も問題はなくなりました。咳もほとんどしないとのことでした。


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犬の両側性会陰ヘルニア(3か所同時手術)

10歳のミックス犬が、肛門の左右にシコリがあると連れて来られました。
検査を行うと左右に会陰ヘルニアがあるのが分かりました。その後に左右同時に会陰ヘルニアの手術を実施しました。同時に去勢手術も行いました。
日を改めずに、一度に3か所(右会陰ヘルニア手術、左会陰ヘルニア手術、去勢手術)同時に手術しました。

下:手術時に皮膚を切開すると会陰部の筋肉に断裂が起きて腹腔内容物と直腸が確認できました。
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手術では、早期に発見されたヘルニアなので人工物は使用しない方法を選択しました。

下:手術後の写真 肛門の左右の会陰ヘルニア整復を終了した画像
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上:その後、フィラリアの予防で来院した時の患部の画像

排便、排尿に特に問題なし 直腸診での異常はなし 傷口も分からなくなりました。
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後眼窩膿瘍の再発を繰り返し高齢(16歳)だが抜歯、デンタルケアーを行った例

16歳2か月 プードル
左上顎の後眼窩膿瘍(上の前臼歯の根本に膿が溜まる病気)で過去に3回 内科治療を行った症例をしました。

今回、再び歯が痛い、熱がある、一昨日からフラフラしていたと連れて来られました。
血液検査では炎症の数値が高い以外は血液学的に異常なし レントゲン検査でも特に異常がないので、内科治療で口の痛みが改善した時点で抜歯処置、デンタルケアー処置をお勧めしました。

後日、全身麻酔で口腔内をチェックして後眼窩膿瘍の歯を抜歯しました。

下:画像中の矢印は抜歯した部位です。
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全部で3本の歯に異常が見つかり抜歯処置を行いました。

下:抜歯した歯 左上顎の臼歯が3本根本で歯根膿瘍を起こしていました。
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その後は、口腔内の痛みは無くなり経過良好だそうです。
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犬のリンパ腫

犬のリンパ腫
犬リンパ腫は、リンパ様細胞が異常に増殖することにより起こる進行性の病気です。リンパ腫は骨髄や胸腺、リンパ節そして脾臓などを含むリンパ様組織を構成する臓器から生じることが最も多いとされています。その他に認められる部位では、皮膚、眼、中枢神経、精巣、骨が含まれます。
一般的には、犬のリンパ腫は4つのタイプのリンパ腫があります。
1)多中心型:多くの場所で発生します。 このタイプはリンパ腫のうち約80%以上を占めます。
2)腸管型:消化管に発生します。
3)縦隔型:胸腔内に発生します。
4)リンパ節外型:腎臓や中枢神経系、皮膚などに発生します。

1)多中心型リンパ腫に関して  
首のしこりが大きくなったと来院するケースがほとんどです。この病気は抗がん剤(化学療法)で治療を行います。まずはリンパ腫であるかどうかの診断が第一です。針で穿刺して細胞診標本を作成してそれを郵送して専門医による診断を待ちます。リンパの腫脹(腫れ)があって、検査したらリンパの過形成だったりするケースも多々あります。

抗がん剤治療に関して・・
人では何種類もの高額な薬を高容量で使用する高容量の化学療法を行うので寛解から治癒する例がありますが、犬猫での化学療法はほとんどは低容量の治療方法しか確立されておらず寛解までが限度で、場合によっては半年から1年で再発する場合がほとんどです。つまり延命のための治療になります。(最初にこの点も理解して頂き治療を開始するかどうか飼い主の方に判断して頂きます)

※寛解とは、病気の症状が一時的あるいは継続的に軽減した状態。または見かけ上消滅した状態。
 治癒や完治とは異なります。

継続治療中の多中心型リンパ腫の一例
2013年1月 11歳 ボロニーズ種 下顎リンパ、腋下リンパ、鼠径リンパ、膝下リンパなどのリンパ節肥大で来院。元気食欲なし 
検査センターでの細胞診検査では、犬の多中心型リンパ腫でした。

犬のリンパ腫の顕微鏡写真(×100倍)
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犬のリンパ腫の顕微鏡写真(×400倍)
PB1900101.JPG

点滴などの治療をしながら状態をみて、抗がん剤の1回目を投薬しました。最初の投薬で全身のリンパ腫大はなくなり、その後強い抗がん剤を合計6回投与しました。
その後は、オーナーの方の希望もあり、弱い抗がん剤を3週間おきに半日入院で点滴注入を繰り返し57サイクル投与し約3年4か月にわたり良好な状態を維持コントロールできていましたが、残念ながら14歳7か月で心臓病などにより亡くなりました。


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猫のパルボウィルス感染症

4歳9か月の雌猫が半日外に出てしまい、その後から元気食欲ないと連れて来られました。

身体検査では、体重3.3kg 体温41.56 かなりの発熱が起きていました。
血液検査では、生化学検査では顕著な異常はありませんでしたが、白血球が400しかありませんでした。
(正常値は12500) そのほか貧血はありませんでした。
病院内のキッドによるウィルス検査では、猫白血病 陰性、猫免疫不全ウィルス 陰性でした。

下:入院時の猫の画像
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猫パルボウィルス感染症(猫汎白血球減少症)を疑いました。隔離室に入院してさせて、血管確保して静脈点滴+インターフェロン療法+その他対処療法を開始しました。

その後の白血球数の推移(以下) *猫の白血球平均値 12500程度
入院1日目400
入院2日目500
入院3日目1100
入院4日目4200  午後から食欲少し
入院5日目8400  食欲50% 元気あり
入院6日目13500  退院

その後の検査でパルボウィルス陽性でした。

下:退院時の写真 無事に退院しました。
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猫パルボウィルス感染症とは・・
本症はパルボウィルスに属する猫汎白血球減少症ウイルス(FPLV)による、主として猫科動物に極めて強い伝染力をもつウィルス感染症です。本症は猫ジステンパー、猫伝染性腸炎、猫パルボウイルス感染症など種々の名称が用いられてきました。ワクチン接種で予防法が確立されており今日では日常的に診察する機会は減少しています。今回の症例は、ワクチン接種歴がなくたまたま外に出てしまい感染したと考えられます。


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セキセイインコの断脚

3Y セキセイインコ

インコが入ったカゴを外に出していたらカラスに攻撃されたと連れて来られました。
右足付近から大量に出血しており足はぐらぐらして皮と一部の筋肉だけで繋がっているだけで足の先端部はすでに黒く変色していました。

足の再生は不可能と判断してこのまま出血が続くと生命にかかわるので麻酔処置を施して断脚を行いました。また、足の根本部分(鼠径部付近)にも穴があいていましたが、処置時間が長引くとストレスから心臓に負担がかかると思い、またその部分は薬の投薬で皮膚が再生すると思い、そのままにしました。

1週間後:処置後に抗生物質を内服して1週間後に診察をすると断脚部分は良くなっていましたが、足の付け根の部分は自宅では出血はないとの事でしたが、足を広げると少し血が滲む状態でした。

3週間後:2か所とも皮膚は良くなりました。

インコは1本足でも上にジャンプして場所を移動するようで日常の生活はでき1本足にも慣れてきているとの事でした。

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上の画像の拡大画像
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予防的な片側全乳腺切除術

10歳11か月 シーズ 雌
3か月前に右乳腺全切除術を行った経緯
右の乳腺にシコリができ1週間前後急速にで大きくなったので片側全乳腺摘出術をしました。
病理組織検査で悪性所見がありました。

今回の左乳腺全切除術を行った経緯
前回、右乳腺が1週間前後で急速に大きくなり手術したら悪性だった経緯から、飼い主の方は左乳腺にも今後同様に悪性腫瘍ができる可能性を考え左乳腺も予防的に手術(片側全乳腺摘出術)を希望されました。

下:麻酔後手術前、患部を消毒後の写真 (画面右側が頭側)
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下:手術翌日の手術部位の写真
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シーリングシステムを利用した出血のない血管結紮のない手術なので翌日の痛みはほとんどなく翌日午前に退院としました。
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3000年11月01日

メス犬の膀胱結石による尿道閉塞

9才のメスのダックスフントがおしっこが全く出ない、力んでも出ない・・との主訴で連れて来られました。
確かに触診で膀胱は拡大しており何かの原因で尿が出ないようでした。
早速、レントゲン検査を行うと下の画像のとおり膀胱にかなり大きな結石が2個ありました。
特に、画像の右側の小さい方の結石は膀胱から尿道開口部に栓をするように食い込み膀胱の尿を完全に出せないようにしていました。連れて来られたのが遅れていたら急性腎不全を起こす寸前でした。

下:腹部のラテラル像
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下:腹部ラテラル像 上の画像を膀胱部分だけを拡大したもの
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矢印側の右の結石が膀胱の尿道の入り口に食い込み排尿を困難にしているのが分かります。

すぐにカテーテルなど色々な方法で食い込んだ膀胱結石を膀胱内に押し戻すと大量の尿を一気に出しました。
血尿がひどかったので、膀胱炎などの治療を行い2週間後に手術を実施しました。

下:手術中の写真
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手術では慢性の結石のため膀胱粘膜がかなり肥厚しているので、ラジオ波メスを使用して膀胱粘膜の出血を最小限に抑えて結石を取り出しました。
数か月〜数年で徐々に結石は大きくなったようでした。

下:摘出した結石の写真
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手術で2個の膀胱結石を取り出しました。犬の負担を考えて皮膚と腹膜の切開は膀胱が出る程度の最小限の切開にしました。
取り出した結石は黄白色の結石で現在、検査センターでの結石分析中です。
今後、同じ食生活では結石が必ず再発するのでその結石ができない予防食が必要になります。
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オス犬の膀胱結石による尿道閉塞

14歳10か月 去勢オスのシェルティーが尿が出ないと診察終了間際に連れて来られました。前日に夜遅くまで診察している動物病院で尿路閉塞で処置をしたが、まだ尿が完全には出ないとの事でした。レントゲン検査を行うと以下のように膀胱内に約8個と尿道(膀胱からペニスの間)に約7個の結石があり尿道の結石が排尿を困難にしていました。

下:腹部のラテラル像 レントゲン画像 矢印左は膀胱内の結石 矢印右は尿道に閉塞した結石
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下:上のレントゲン画像の右矢印部分(尿道)を拡大したもの 約7個の結石が確認できます
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ペニスからカテーテルを入れて水圧で尿路内の結石を膀胱に押し戻しましたが、1個だけどうしても膀胱内に戻すことができなかったので、尿路内の1個の結石はそのままにして再び膀胱内の結石がこれ以上尿道に入りこまないような処置をしてその日の処置は終了としました。

下:上と同じ部位の処置後のレントゲン画像を拡大したもの 除去できなかった1個の結石が確認できます

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翌日に再度、尿道内に残った1個の結石を押し戻す処置を繰り返すと、やっとすべての結石を膀胱に押し戻すことができました。すべての結石が膀胱内に移動したのでカテーテルをペニスから膀胱にかけて留置しました。

血液検査で炎症の数値が高値、元気食欲がない、高齢などの理由ですぐに手術はせずに静脈点滴などの治療を施して状態が回復した2日後に手術で膀胱切開して結石を取り出しました。

手術では、15個の結石すべてをなんとか摘出しました。

下:手術で摘出した結石(15個)
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手術翌日も食欲、元気あり 14歳10か月の年齢と入院でのストレスを考慮して手術翌日に退院しました。
結石は、シュウ酸カルシウム結石でした。



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野良猫の避妊(雌猫)手術後の左耳のV字カット

野良猫の避妊手術では、一度避妊手術したのに、別の方が避妊していないと思い、動物病院に連れてくるケースが過去に何回かありました。なかなか触るのが、困難なケースもありお腹の傷を確認できずに、麻酔後に毛を刈って初めて避妊済みと分かるケースがあります。また、傷口が小さく行われて年数が経過したものは、傷口を確認できずに開腹して子宮卵巣が無いのが確認されたケースも過去にあります。
不必要に麻酔をしたり、不必要に開腹手術をしないように野良ネコの避妊手術では、左の耳先端にV字カットを入れる場合が最近は多いです。

下:避妊手術後に耳にV字カットしたもの
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避妊手術後にV字カットしたもの、ほんの1分程度ででき、切る場所さえ適切ならばほとんど出血はありません。

下:避妊手術後に耳にV字カットしたもの(拡大)
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他県では、結構普及しているようです。

下:避妊手術後に耳にV字カットしたもの(拡大)
CIMG1587.JPG

もし野良猫で、左の耳に先端がない猫がいたら、避妊されているとご記憶ください。

遠くからも分かるように、地域によっては雄は右耳にV字カット、メスは左耳にV字カットに統一されています。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

下顎骨の骨髄炎

19歳10か月の雌猫が、左の口元が腫れていると連れて来られました。ここ1週間、ほとんど餌を食べないようで患部には膿が溜まっていました。膿の細胞診では、炎症細胞+++、球菌+++、桿菌+++で悪臭がしました。
レントゲン検査、血液検査で異常がないので後日、麻酔処置を予定しました。

下:麻酔した後の下顎の化膿した皮膚の写真 一見では、腫瘍のような感じでした。
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臼歯2本を抜歯しました。抜歯した部位は、下顎の腫れた皮膚までつながっており、歯が原因でした。また、歯のあった下顎の骨髄に炎症があったので下顎骨の一部を削り取り、その部分の歯肉は吸収性縫合糸で縫合しました。

皮膚部分は、大きく全周を切開、痛んだ皮膚を切り取り➡洗浄➡消毒➡縫合しました。

下:左は、骨髄炎部分の抜歯した臼歯 右は、下顎部分の顎の壊死した皮膚を全周切り取ったものの一部
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その後は入院、点滴をおこない、食欲が出てきたので3日で退院しました。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の乳腺腫瘍に対して2回にわたり左右片側乳腺切除を行った症例

12歳半の雑種犬が、左右の胸に何個もシコリがあると連れて来られました。聞くとここ半年ぐらいでシコリができたとの事でした。針をつかった吸引での細胞診の検査では、悪性の可能性も否定できないので手術を予定しました。
1回目の手術
血液検査、レントゲン検査をおこない異常なしを確認後に左側の乳腺+シコリを手術で摘出しました。ラジオ波メス、シールドシステムを使い手術時間を短縮しました。血管の結紮はないので手術法なので手術後の痛みはほとんどありませんでした。
病理組織検査では、良性腫瘍がほとんどでしたが、1箇所のみ低悪性の腫瘍でした。

2回目の手術
約1か月半後に同様に手術を実施しました。

下:2回目の手術後翌日の写真  
右矢印は1回目の手術後(左側乳腺部) 
左矢印は2回目の手術後(右側乳腺部) 
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病理組織検査では、良性腫瘍がほとんどでしたが、前回同様1箇所のみ低悪性の腫瘍でした。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

乳腺腫瘍摘出

2日続けて、犬の乳腺腫瘍の手術を行いました。

@1例目
 チワワ 9才3か月 メス 歯の痛みで来院 
 偶然に、右下乳腺に11×14mm大のしこり発見 その他にも数個の小さなしこりがありました。細胞診の検査を実施すると乳腺の腫瘍性変化との結果だったので歯石除去とともにまずは右側の乳腺の片側全摘出をお勧めしました。
 後日、血液検査、レントゲン検査を行い麻酔手術ができるのを確認した後に手術を実施しました。

下:全身麻酔下で患部を剃毛、消毒して手術を行う食前の画像
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矢印のところにシコリがあります。

下:手術で乳腺+乳腺腫瘤を摘出した後の画像 二重にノイズを入れた画像
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右側の乳腺の片側全摘出をお勧めしました。

下:手術翌日の画像
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手術の翌日に退院しました。患部の痛みはほとんどありませんでした。


A例目
 シーズー 10才8ヵ月 メス 
 右に第3乳腺に急にしこりができたと来院しました。大きさは、16×18mmでした。
 すぐに細胞診を実施しましたが、悪性の可能性もあり早急に手術をお勧めしました。その日のうちに血液検査、レントゲン検査を実施してすぐに手術ができるようにしました。
 後日の検査では、悪性も可能性もありとの検査結果だったので各種リンパも含めて片側乳腺全摘出をお勧めしました。

下:全身麻酔下で患部を剃毛、消毒して手術を行う食前の画像
P1010002.jpg

下:手術で乳腺+乳腺腫瘤を摘出した後の画像 二重にノイズを入れた画像
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矢印のところにシコリがあります。

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下:手術翌日の画像

悪性腫瘍を想定して、広範囲にしこりごと片側乳腺を各種リンパ節も含めて全摘出手術を実施しました。手術の翌日に退院しました。患部の痛みはほとんどありませんでした。


@Aの2例ともラジオ波メスとシーリングシステムを併用して手術を実施したので、手術の際の出血はほとんど無く手術時間は大幅に短縮、また手術の際の血管結紮は1本も行わない方法なので手術後の痛みほとんどありませんでした。

posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

顔の外傷

3歳半の雄猫が外から帰ったら顔に外傷があると連れて来られました。
来院時には、鼻と目の間に斜めに5cm〜6cmの長い切り傷のような外傷がありました。

下:来院時の写真
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傷から推察すると猫同士の喧嘩傷ではないようでした。有刺鉄線による外傷、見知らぬ人の外での虐待?
猫は、傷のわりに痛みはひどくはありませんでした。

血液検査、レントゲン検査をして麻酔処置ができるのを確認後、その日のうちに全身麻酔下で手術を実施しました。

麻酔をして傷口をよく観察すると、顔の皮膚は、かなり深い部分まで鋭利なもので切られておりどう見ても刃物で切られたようでした。手術では、顔の中心部分なので皮膚に糸があると違和感から顔を引っ掻く可能性もあり細い吸収性縫合糸で埋没縫合を行いました。一応、オーナーの方には、近くの派出所に報告してもらいました。 (受傷現場:志木市 柏町)

下:麻酔中の手術後の写真
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下:翌日 退院時の画像
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手術翌日は、食欲、元気もあり 午前中には退院できました。皮膚縫合は、吸収性縫合糸での埋没縫合なのでエリザベスカラーの必要もなく、また猫は傷口を気にすることもありませんでした。

下:暫くして(約2週間)再診時の画像 傷口は綺麗になっています
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posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高齢犬の(腹部背側に癒着した)大きな腫瘤の摘出

14歳1か月 8.8kgの柴犬の腹部にかなり大きな腫瘤があり手術を行いました。
手術前検査では、血液検査、胸部レントゲン検査には異常はありませんでした。
腹部の腫瘤は超音波検査では、嚢胞状を呈し、中には液体の貯留がありました。その際に、右側腎臓は大きな腫瘤のためか確認できませんでした。

下:腹部レントゲン写真 前腹部に矢印の方向に1個大きな腫瘤があるのが分かります。
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開腹手術ではまず最初に、嚢胞状の腫瘤表面に小切開をしてカテーテルを挿入して中の液体を吸引しました。

下:カテーテルを入れて茶色の液を吸引している画像
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その後に嚢胞状の腫瘤に小切開を広げて吸引器(サクション)で中を吸引排液、洗浄しました。洗浄後に腫瘤の中を除くとデコボコしたものが、数個ありました。

下:嚢胞状の腫瘤に小切開して中を覗いた画像  *軽く画像にぼかしを入れてあります
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中の液体を吸引して腫瘤を小さくすれば腹腔から外に出せるかと思いましたが、腫瘤の背側側が腹腔内の背側に広く、強く癒着を起こしており腫瘤は上の表面だけが腹腔から見える程度した出ませんでした。よって、洗浄のために空けた穴を縫合して腫瘤全体を背側側から徐々に取り出しまして無事に手術終了しました。

下:摘出した腫瘤
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下:摘出した嚢胞状の腫瘤を切開して開けた画像
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手術後は、麻酔の覚醒も良く、翌日の血液検査でも特に異常はなく翌々日から食欲旺盛、元気もありで2日で退院しました。

病理組織検査では、腎臓に発生した上皮悪性腫瘍の疑い。壊死部分が多く確定診断はできませんでした。
特殊免疫染色のため、標本をアメリカに郵送して検査依頼しました。
1週間後の抜糸時の来院時は、食欲、元気もあり経過は良好とのことでした。

特殊免疫染色での病理組織検査では、上皮由来の癌は否定され、粘液肉腫でした。癌ではないものの再発と転移に注意は必要との事。


posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

3000年10月01日

高齢犬の頸部にできた水腫の局所麻酔による摘出

18歳半のダックスフントの首の頸部に以前から水泡状の嚢胞があり1か月おきに穿刺にて中の漿液を抜いていました。飼い主の方は、高齢犬ではあるものの手術を希望されたので、手術を行う事になりました。犬の性格と腫瘤の形状と高齢なのを考慮して局所麻酔での摘出手術を行いました。
術前検査では、血液検査、レントゲン検査ともに異常ありませんでした。
一応、犬が暴れるようなら全身麻酔を行う可能性もあるので血管確保は行いました。
腫瘍周辺8か所に局所麻酔を施し手術を実施しました。

下:腫瘤周辺に滅菌布を装着したところ
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手術では、皮膚はラジオ波メスで全周の皮膚を切開し、皮下識を分離してシーリンブシステムで血管ごと組織をシールドして切除しました。出血、痛みはほとんどありませんでした。全身麻酔は、施さずに局所麻酔だけで摘出できました。

下:ラジオ波メス、シールドシステムで切除した後の画像
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下:切除後は、皮膚は、抜糸の必要のない吸収性縫合糸で埋没縫合しました。
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下:摘出した水泡状の腫瘤(嚢胞状) 
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特に悪性所見はありませんでした。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

兎の試験開腹

7歳3か月のメスのウサギが、血尿があり夜間病院で診察を受けました。そちらの診断では、各種検査で子宮に子宮蓄膿症がある疑いがあり手術が必要な趣旨を言われ当院に来院されました。
当院の検査では、レントゲン検査では食滞あり、子宮に関しては不明瞭でした。エコー検査では、確かに異常はあるようだが不明瞭でした。
飼い主の方は、すでに手術の覚悟をしており手術を強く希望しておりました。よって、異常がない場合も説明した上で試験開腹術を行いました。

*試験開腹術とは、腹部疾患の疑いを否定できずに診断の目的で開腹する手術です。開腹して腹腔内臓器の状態を直接見て判断する方法です。試験的にに開腹を行い異常があった場合に各種手術を行い、異常がない場合はそのまま閉腹する手術です。

手術では、盲腸、小腸に食べたものが大量にあり完全に食滞状態でした。卵巣子宮は若干大きい程度でしたが、子宮の一部が少しマス状に軽度に腫れている部位が肉眼上数か所あり子宮癌の疑いもあり、卵巣子宮全摘出術を実施しました。

下:手術中の画像 卵巣、子宮
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下:摘出した卵巣、子宮
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手術後は、当日退院 その後は、食欲もあり経過良好でした。

その後の病理組織検査では、1か所に平滑筋肉腫、左右子宮を含む数か所に腺癌との結果でした。
偶然に、試験開腹で異常が発見できてよかったと思われました。
ウサギの腺癌は子宮癌では一番多いタイプのもので、中年〜高齢の雌のウサギに発生する悪性腫瘍です。この腫瘍の性質上、腹部および胸部のモニターが今後必要です。
 
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

消化管内異物

消化管内異物では、内視鏡で除去、手術で摘出以外に何もせずに様子観察でお尻から出るのを待つケースも多くあります。

6歳半のシーズが、一昨日から嘔吐が頻回するとの主訴で連れて来られました。レントゲン検査をすると胃内に2個の異物が確認されました。異物は、胃の出口の幽門部付近にあり、そこで停滞して嘔吐を誘発しているようでした。内視鏡での異物除去も考えましたが、1日様子観察しました。

下:来院1日目のレントゲン写真 ラテラル像 矢印のところに異物があります
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下:来院1日目のレントゲン写真 VD像 矢印のところに異物があります
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翌日の診察では、嘔吐はなくなりました。レントゲン検査を行うと、異物は胃内から腸に移動しているのがわかりました。大きさから考えて通過すると判断してそのまま様子観察にしました。

下:来院2日目のレントゲン写真 VD像 矢印のところに異物は移動しています。
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翌々日の診察では、状態は改善したとの事でしたが異物はまだ出ていないとの事でした。そろそろ肛門付近に移動していると思い、直腸診を行うと異物が1個指先に触われて指で1個だけ体外に取り出しました。

下:来院3日目 直腸検査で除去した異物のうちの1個 少し固く表面が凸凹したものでした。何かは不明でした・・
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下:来院3日目のレントゲン検査 VD像 レントゲン検査で残り1個は骨盤腔内の直腸にありました。
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骨盤腔内の直腸にあるもう1つの異物もそのまま自然に排出されると思います。

異物摂取では、動物の大きさ、年齢、性格や異物の種類、形、大きさ、経過時間や飼い主の方の希望などによりそれぞれ対応は違います。

その後、残りの1個もすぐに出たとの事でした。

posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脾臓の一部に大きな腫瘤ができて脾臓摘出手術をおこなった症例

13歳3か月のアメリカンコッカースパニエルが昨夜から元気がないと連れて来られました。

右上腹部あたりに痛みがあるようで、レントゲン検査で脾臓に腫瘤があるのが分かりました。また、血液検査で強い炎症反応(CRP20以上で測定不能)があるのが分かりました。その後、1週間内服で炎症を抑える治療をすると炎症の数値は正常値になりました。超音波検査では、脾臓の腫瘤の血流は少なく、脾臓の腫瘍(悪性の血管肉腫)の疑いが強いものの、腫瘍ではない可能性もあり、また手術に耐えられる状態に改善したので高齢犬でしたが試験開腹手術を実施しました。

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上:CRレントゲンラテラル画像(右下画像 左が頭側、右が尾側) 腹部に大きな腫瘤があるのがわかります(矢印)

試験開腹手術では、脾臓の一部に大きな腫瘤がありましたが、肝臓などその他に異常がないので、脾臓摘出手術を行うことにしました。脾臓から走行する血管をシーリングシステムでシールドしてなるべく結紮糸を使わずに大きな腫瘤を脾臓ごと摘出しました。摘出後は、悪性腫瘍の可能性もあるので3リットルの洗浄液で腹腔内を洗浄して閉腹しました。手術時間は90分でした。手術後の覚醒も非常に良く、元気、食欲もあり翌日退院しました。摘出した腫瘤のある脾臓は約500gの重量でした。


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上:手術中の画像 画像にノイズを入れてぼかした画像です。


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上:摘出した脾臓の画像 脾臓の一部に腸間膜を巻き込んだ大きな腫瘤があるのが分かります。腫瘤の一部は以前に少し破裂を起こした形跡があり、そこに腸間膜が癒着していました。見た目では、悪性の血管肉腫のような感でした。 画像にはノイズを入れてぼかした画像です。

病理組織検査:後日の病理組織検査では、脾臓結節性過形成、血管拡張症を伴う との検査結果でした。今回の症例では、リンパ濾胞過形成は脆弱な組織で、時に破裂して出血を起こす可能性があるとの所見でした。要するに、今回の症例の脾臓にできた腫瘤は、悪性腫瘍ではなく手術後の予後は良好との事でした。 

手術をしてから1か月後に、レントゲン検査、血液検査を行いましたが、その後の炎症などの異常は全くなく完治しました。

脾臓にできた腫瘤は、手術前の血液検査、レントゲン検査で麻酔・手術ができる状態ならば、試験開腹を行い、試験開腹手術では脾臓以外に異常がなし(転移所見がなければ)今回のように悪性腫瘍ではないケースもあるので、見た目で判断せずに状態が良ければ腫瘤ごと脾臓摘出を行った方が良い場合もあります。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする