3001年12月01日

猫の(破裂後に時間が経過したと思われる)肛門腺破裂

9歳 雑種猫 お尻に外傷があると連れて来られました。

患部を観察すると、肛門腺が破裂して5-6日ぐら経過していたみたいでした。
破裂した周りの皮膚も時間が経過したような状態で内科的な治療だと完治まで結構な時間がかかる感じでだったので血液検査、レントゲン検査
で異常なしを確認後に手術を実施しました。


下:麻酔中の患部の写真
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周辺の皮膚は盛り上がり内科的治療では完治に時間がかかると判断。


下:傷口周辺の皮膚を切除したもの
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傷口周辺の皮膚を360度切除して皮膚を縫合しました。


下:手術後の患部の写真
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翌日、退院としました。

その後,無事に抜糸しました。
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高齢犬の卵巣腫大の症例

スピッツ 雌 が2日前から食欲がない、嘔吐下痢があると連れて来られました。
2日前から生理がありいつもより出血が多いとの事。

血液検査では、炎症の数値が20以上で測定不能(正常値は1以下)でした。レントゲン検査では、膀胱の前方に何かのマス病変があり異常所見がありました。超音波検査では、それは嚢胞状の異常でした。

下:レントゲンCR検査
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超音波検査では、膀胱の前方にマス病変がありました。当初、子宮の病変を疑いました。
その日のうちに手術を実施しました。


下:開腹時の写真
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矢印が大きな左の卵巣です。お腹から出すのに苦労しました。右の卵巣の大きさは正常でした。子宮は全体に渡りやや大きく内部に膿みを含んでいました。全てを摘出しました。

その後、点滴、抗生物質などの治療をおこない4日間入院後、退院としました。

抜糸時には体重も増えて経過良好でした。

病理組織検査結果は、大きくなった左の卵巣は卵巣腺由来腫瘍(腺腫)でした。悪性所見はあまりないとの事でした。
正常だった右卵巣は卵巣嚢胞がありました。(腫瘍ではない)
また、子宮には嚢胞性子宮内膜過形成ならびに重度化膿性子宮内膜炎がありました。
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猫の脇の下(腋窩部)にできた腫瘤摘出手術

8歳9か月 去勢雄猫の脇の下(腋窩部)にしこりがあると連れて来られました。
細胞診検査所見では、脂肪腫が第一に考えられるとの所見でした。

その後の経過観察で、最初は大きさが8mm×9mm でしたが、約2カ月半後の測定では9mm×12.5mmでした。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認後、摘出手術を実施しました。


下:麻酔後、手術前の写真
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当日の腫瘤の大きさは、前回測定時より3週間経過skていましたが、さらに大きくなり11mm×18mmでした。
脂肪腫にしては大きくなるスピードが速すぎる感がありました。


下:手術で摘出した腫瘤
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ラジオ波メスを使用して腫瘤を持ち上げて摘出手術を行いました。


下:手術後の患部の写真
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原因不明の猫の(鼠径部)深い皮膚裂傷

4歳 雑種猫が外から帰ってきたら皮膚に傷があると連れて来られました。
診ると腹部の鼠径部付近に大きな裂傷がありました。一部では深く裂け目がありました。

下:診察室にて痛みがない程度に観察のため傷口周辺を軽くバリカンにて毛刈り
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血液検査、レントゲン検査を実施すると骨には異常はなく、交通事故で上昇する血液検査での項目は正常だったので交通事故ではないと思われました。

下:麻酔後、手術前の写真 
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全身麻酔をして患部を剃毛すると傷口の一部深い部位に大量の自分の毛が入りこんでいました。
どうも何かの鈍性のものが刺さり皮膚表面には裂傷を一部の筋肉内に自分の毛が入りこんだ模様でした。

翌日まで待つと感染を助長するので麻酔下で患部を徹底消毒後すぐ手術を行いました。

下:手術後の写真
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比較的早めに連れて来られたようで創面の状態は良かったのでドレナージは留置しませんでした。
翌日、退院としました。


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膀胱粘膜に癒着していた膀胱結石と小さな無数の結石除去手術

7歳10か月 ヨーキ 雄 後肢の跛行でレントゲン検査をしたら偶然に膀胱結石が発見されました。
大きさは小さいものの食事療法で大きさが減少しなかったので手術での摘出を行いました。

下:膀胱に結石があるのが偶然に発見されました。
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事前の血液検査、胸部レントゲン検査では異常はないものの超音波検査で1個の膀胱結石は膀胱内に存在すると言うよりは膀胱粘膜内にあるような所見でした。

下:超音波検査では結石は膀胱内で可動性なし。
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手術では、事前に存在が分かっていた結石1個は膀胱の尿道部よりにあり粘膜と癒着していました。

下:摘出中の写真
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また、事前の検査では小さすぎて分かりませんでしたが、多数のかなり小さな結石がありました。
ピンセットなどでの摘出は困難なのでカテーテルにより逆行性に水圧で膀胱洗浄を繰り返して外に排出しました。

下:摘出した結石
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小さな結石は実際は写真の数よりも約2倍以上の数の多さでした。

翌日に退院としました。
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3001年11月01日

中齢期の犬に生じた脂肪腫(今後を考えて)の摘出

8歳2カ月のコーギーの腹部に16o大と18o大のしこりがあり連れて来られました。
細胞診の検査結果では、両方とも脂肪腫が第一に考えられると言う所見でした。

良性腫瘍ですが、今後の寿命を考えて摘出手術をお勧めしました。

血液検査、レントゲン検査を異常なしを確認後に摘出手術を実施しました。

下:摘出された腫瘤
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腫瘤の根元は筋肉まで拡大しており筋層ぎりぎりまでを摘出しました。

下:手術後の患部の写真
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手術翌日に退院としました。
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高齢猫の前肢にできた腫瘤摘出

14歳半 雑種猫 雌が、前肢に腫瘤があると連れて来られました。

細胞診の検査を実施すると液体貯留があり細胞診の結果では、軽度の異型性がありメラノサイト腫瘍の可能性も考えられるとの所見でした。穿刺して小さくなるが、数日で再び液体が貯留するので手術を摘出をお勧めしました。

下:手術前、患部の写真 
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パットの上にある丸いのが腫瘤です。
根元から中の液体が破れないように袋ごと摘出しました。

下:摘出した腫瘤
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高齢なので、手術後の腎不全に注意して静脈点滴を実施し、翌日に肝臓、腎臓に異常なしを確認して退院としました。

その後の病理組織検査結果では充実ー嚢胞状アポクリン導管腺腫でした。
組織検査上、予後は良好との事です。
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小腸ごと摘出を行った犬のGIST(ジスト:消化管間質腫瘍)

9歳 チワワが昨日から食欲がないと連れて来られました。
昨日から数回、嘔吐したとの事でした。

血液検査では、炎症の数値が上昇していました。
レントゲン検査では、腹部にかなり大きな腫瘤の存在が確認できました。

下:腹部レントゲン写真 ラレラル像 矢印が腫瘤
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通院で内科的な治療をしましたが、食欲の回復はなく、炎症の数値も低下せず上昇傾向なので入院治療に切り替え、点滴などを実施し状態が回復してきた時点で試験開腹術を実施しました。

下:手術中の写真
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腫瘤に腸間膜が大量に癒着していました。腹膜炎はありませんでした。

下:手術中の写真
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腸も腫瘤に巻き込まれており、剥離分離は困難と判断し腫瘤ごと腸も切除しました。

下:手術中の写真
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摘出後の腸の断端

下:手術中の写真
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最後に腸を縫合して腹腔洗浄して終了としました。

手術2日間は絶食絶水で除去に食事を開始しました。手術後4日目に退院としました。

病理組織検査では、判断できず特殊染色検査の検査結果で消化管間質腫瘍(GIST)でした。

その後、経過良好。現在、分子標的型の抗腫瘍剤の投薬を行い再発予防を行っていますが、現在、再発もなく経過良好です。
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犬の膀胱結石の手術

寒い時期は、飲水量の低下から膀胱炎が起きやすくなります。
特に膀胱内に結石がある犬では膀胱炎が起きてしまい各種検査で膀胱に結石が発見されることが多くなります。
連続で犬の膀胱結石の手術がありました。

6歳 チワワ メスが血尿で連れて来られました。
レントゲン検査で膀胱結石がありました。1週間内科的な治療を施しその後に手術を実施しました。

下:レントゲン写真 ラテラル像
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下;摘出した膀胱結石
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金平糖のような形状でした。

結石は、シュウ酸カルシウムでした。
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犬の膀胱結石の手術

12歳6か月 コーギー メスが、血尿で連れて来られました。
レントゲン検査で膀胱内に結石があるのが分かりました。

下;CRレントゲン写真 膀胱内に結石があります。 腹部ラテラル像
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膀胱粘膜の肥厚があり1週間、内科的治療をしてから手術を実施しました。
手術で膀胱切開しましたが、2個の結石とも膀胱粘膜に強く癒着しており、なかなか取り出せませんでした。

下:摘出した膀胱結石
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結石は、金平糖のような形状でした。

手術後の血尿も軽度でその後の経過は良好でした。
シュウ酸カルシウム結石でした。
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犬の膀胱結石の手術

13歳6か月 ヨークシャーテリア オスが以前からある膀胱内の結石4個が何回も尿道に詰まり、血尿、頻尿を繰り返しました。手術をお勧めしていましたが、やっと手術に同意して頂き結石除去手術を実施しました。

下:膀胱結石が尿道に閉塞した時のCRレントゲン写真 腹部ラレラル像
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膀胱内に結石1個、尿道に結石3個があるのがわかります。

下:手術で摘出した膀胱結石4個
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結石はシュウ酸カルシウムでした。
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高齢雌犬の子宮蓄膿症手術

13歳半のダックスフントが昨日から食欲がないと連れて来られました.
身体検査では40.0℃の発熱がありました。
血液検査で、生化学項目は異常はないものの、炎症の検査数値CRP値(正常値1以下)が20以上で測定不能でした。また、レントゲン検査で腹部に大きな子宮らしきものがありました。
よって静脈点滴などで脱水を改善してその日のうちに手術を実施しました。

下:麻酔手術中の写真
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開腹すると左右のおおきな子宮角があり摘出手術を実施しました。
高齢なので麻酔の覚醒には時間がかかりました。

下:手術で摘出した卵巣子宮
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摘出した子宮を注射器で穿刺すると大量の膿が確認できました。(子宮蓄膿症と診断)
子宮蓄膿症は、いかに早く手術で原因の部分を摘出して内科治療を実施するかが生死を分けます。ここまで大きいと内科治療だけでは良くならない場合がほとんどです。

下:手術翌日の手術部位の写真
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手術翌日から食欲は出てきて順調ですが、細菌から出るエンドトキシン(内毒素,菌体内毒素ともいう)と言う物質が全身に影響を及ぼさないように静脈点滴と抗生物質の治療は手術後も数日間は必要です。手術後はエンドトキシンの影響で低体温が数日間続きます。
4日間入院で無事に退院しました。
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犬の尻尾にできた腫瘤

12歳 チワワ 雄 が尻尾の根元が腫れていると連れて来られました。
その部分は、腫れているだけで、特に炎症もなく犬も患部を気にしていることは無いとのことでした。

過去に同じような症例を経験があったので、その患部を針での吸引して細胞診検査を実施しました。

下:尻尾患部の拡大写真A
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下:尻尾患部の拡大写真B
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後日の細胞診検査結果では、肛門周囲由来の腫瘍との検査結果でした。
肛門周囲腺は肛門周囲の他、尾、大腿部、鼠径部および背側正中などに分布しており本疾患は高齢の未去勢雄に後発する良性腫瘍です。外科的侵襲が強い場合、去勢手術のみで95%退縮傾向が見られます。
との事でした。

その後、尻尾の腫瘤はそのままにして去勢手術のみをを実施しました。
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3001年10月01日

24歳2か月 高齢猫ちゃん

最近は、20歳超えの高齢猫が非常に増えています。
犬では、なかなか20年飼育は稀ですが、最近では猫で非常に増えており何十匹もいます。

本日の診察で、24歳2か月になった猫が定期健康診断で来院したので写真を撮らせて頂きました。

体重は、4.8kg 雌(避妊済み)

4年前から糖尿病でインスリンの注射をしていますが、うまく血糖値をコントロールできています。

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足腰も問題なく、動きも悪くありません。
頭の回転もないようです。

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次の目標、25歳!
ちなみに猫の平均寿命は、15歳前後と言われています。
世界記録では、38歳2日だそうです。
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猫の乳腺腫瘍(乳癌)の両側全乳腺摘出術

13歳 3.8kg の雌猫が左右乳腺にしこりがあると連れて来られました。
細胞診を実施すると後日の検査結果では、細胞の大小不同などの細胞異型性が、中程度に認められ乳腺癌を強く疑うとの検査結果でした。
最初は、右側を第1〜5まで、今回は左側を第1〜5まで全乳腺切除を行いました。
それぞれ、血液検査、胸部レントゲン検査を行い麻酔可能なのを確認して手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 写真左側が頭側
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矢印部分に小さな乳腺腫瘍があります。画面下の横にある切開線は前回(右側、最初の手術)の乳腺摘出の傷跡です。

下:第5乳腺付近、乳腺腫瘍がある周辺を手術で除去しているところの写真
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なるべく深く広く大きく切除をします。

下:片側乳腺全切除後の写真
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下:摘出した乳腺
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第5乳腺付近は大きく深く切除しました。

下:手術後の患部の写真
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手術では、ラジオ波メスで切除、皮下はシーリングシステムを使用し時間短縮して麻酔時間1時間、手術時間50分で終了しました。シーリングシステムの使用のためか手術後の痛みはあまりありませんでした。
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5年前に皮下に埋没させたマイクロチップを巻き込んだ腫瘤の摘出

5歳2か月 シーズー 雄
約5か月前ぐらい前から首にしこりがあり、徐々に大きくなつてきたと連れて来られました。
しこりの大きさは28mm×28mmでした。
その日のうちに細胞診検査を実施し検査センターに郵送しました。

下:レントゲン写真 患部拡大 
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レントゲン検査では、しこりの中にマイクロチップがあるように見えました。

下:しこりの写真 写真上が頭側
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それから5日後にしこりから出血があると来院、破裂する可能性もあり細胞診の検査結果が来ていない状態でしたが、血液検査、レントゲン検査で麻酔できる状態を確認後、摘出手術を実施しました。

下:摘出したしこりのレントゲン写真
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摘出した腫瘤をレントゲン検査すると中にマイクロチップがありました。
マイクロチップは、5年前にペットショツプで入れたとの事でした。

下:手術後の患部の写真 写真上が頭側
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その後、細胞診の検査結果、遅れて病理組織検査結果が郵送されてきました。

細胞診検査結果)診断➡毛包嚢胞、皮内角化上皮腫あるいは他の毛基質由来の腫瘍。
病理組織検査結果)診断➡毛包嚢胞。
毛包嚢胞は非腫瘍性で病変部は完全切除されており治癒します。提出組織の底部にマイクロチップがありましたが、病変との連続性は認められず本病変とマイクロチップとの関連性はないと思われるそうです。

嚢胞(嚢胞腫)とは・・・
嚢胞(嚢胞腫)とは、粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)あるいはアテローマ(atheroma)とは、新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部(真皮)に溜まることによってできる良性の嚢胞性病変の総称(-omaという接尾語をもつが新生物とは考えられていない)。表皮嚢胞(epidermal cyst)あるいは類表皮嚢胞(epidermoid cyst)とも呼ばれます。
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犬の異物により発症したと思われる急性膵炎の例

プードル 雄 9Y6M
昨日夜に嘔吐 頻回。本日朝は、嘔吐なく、食欲、元気ありとの主訴で連れて来られました。
特に食事の変更、変わったものを与えた事はなく、過去に異物歴もないとの事でした。

血液検査では、膵臓の酵素と炎症の数値が測定不能で膵炎の可能性を説明しました。
内科治療を施し、後日、連れてきて頂き状態を聞くと元気はあるが再び嘔吐があり、血液検査でも膵臓と炎症の数値は依然として高く入院して治療を行いました。レントゲン検査で腸内に異物が確認できました。
超音波でも異物やしきものはありました。腸内を移動しているようでその日の手術は行わず1日様子を見ました。

下:腹部レントゲン写真 左が頭側、右が尾側 側面ラテラル像
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次の日にレントゲン検査を実施すると異物は大腸に移動していまいした。

下:腹部レントゲン写真 左が頭側、右が尾側 側面ラテラル像
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肛門から長い器具を用いて異物を摘出しました。

下:摘出したタイヤ様の異物
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その後、膵炎の治療を行い、炎症の数値と膵臓の数値が3日で低下してきたので退院としました。
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口が閉じれなくなった猫の症例

6歳1か月 雌猫 口からヨダレが出ていると連れて来られました。
身体検査では左の上下の犬歯が当たり完全に口が閉じれない状態でした。下顎の横斜めにズレと左上顎に犬歯の若干のグラツキを確認しました。口を大きく空けて上下の犬歯が当たらない角度にして口が閉じれるようにしました。口の開閉時に痛みはないようでした。今後、場合によっては犬歯切断などの処置が今後、必要になる可能性を説明しました。

後日、口が閉じれないと再び連れて来られました。
血液検査、胸部レントゲン検査で異常なしを確認して後日、全身麻酔で犬歯切断を予定しました。
下顎のレントゲン検査では、左の顎関節が僅かに隙間?があるような画像上所見でした。

下:麻酔後、処置前の写真
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左の上顎下顎の犬歯が当たることで口が閉じれない状態を確認
麻酔下で各犬歯をチェックすると左上顎の犬歯が僅かにグラツキがあるので抜歯しました。
その他の犬歯は中央で犬歯切断を行いました。

下:抜歯した犬歯
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犬歯の歯根部には炎症があり、そのため歯周囲に隙間ができており簡単に抜歯できました。

下:処置後の患部の写真
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下顎はわずかに左斜めにズレがあります。1)下顎のズレがあり左の上下の犬歯が当たるようになったのか?
2)左上の犬歯が内側にズレて犬歯があたるようになり下顎にズレが生じたのか? 不明ですが、恐らく1)が原因だと思われます。
口が閉じれるようになり食欲も出てきました。その後の生活上の問題はないと思われます。




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猫のクリプトスポロジウム感染症

飼い主の方の希望により、飼い猫の便の中の病原体を調べる検査を検査センターに出したらクリプトスポロジウム感染陽性の結果との報告がありました。

下:検査センターでの便の検査結果でクリプトスポロジウム陽性でした。
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*画像が大きくできずわかりずらいです。

クリプトスポロジウム感染とは・・
従来、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium )はウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管寄生原虫として知られてきたものですが、ヒトでの感染は1976年にはじめて報告がありました。1980年代に 入ってからは後天性免疫不全症候群(AIDS)での致死性下痢症の病原体として注目され、その後ほどなく、健常者においても水様下痢症の原因となることが明らかとなりました。
わが国では、1994年に神奈川県平塚市の雑居ビルで460人 あまりの患者が発生し、1996年には埼玉県入間郡越生町で町営水道水を汚染源とする集団感染が発生し、8,800人におよぶ町民が被害を被りました。従って、本症に関しては散発例よりも、むしろ水道水や食品を介した集団発生が重要となるそうです。

人畜共通感染症なので注意が必要ですが、猫の便を口にしなければ大丈夫なのでその辺の最低限の注意は必要でしょう。犬や猫の動物の診察では、あまり問題になっていないのが現状です。
犬や猫で慢性の下痢があるようなら対処療法としてある種の抗生物質や整腸剤の投与が必要です。人では、クリプトスポロジウムの駆虫薬がありますが、動物では薬の副作用(急性腎不全が起きやすい)が強すぎて投薬はしないのが一般的です。対処療法を継続することにより自然といなくなるのを待つのが一般的な治療なようです。犬や猫では感染があっても下痢などの症状を示さないケースも多く、繰り返し記述しますが、今まであまり犬猫の病気では問題になっていないのが現状です。

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犬の後眼窩膿瘍で左右の前臼歯、後臼歯抜歯+デンタルケアー+乳腺腫瘍摘出

14歳2か月 ダックスフントが目の下が化膿していると連れて来られました。
右目の下が化膿しており歯が原因と思われました。半年前にも左目が同様の症状を起こし、口腔内をチェックすると左の上顎の前臼歯の歯と歯肉部分に膿がありました。よって左右の前臼歯抜歯をお勧めしました。
また。同時に残った歯の超音波スケラーでの歯石除去と以前からある乳腺腫瘍摘出もお勧めしました。
血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認、後日麻酔処置を行いました。

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

下:抜歯した左右上顎の臼歯
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当初、左右上顎の前臼歯のみを抜歯予定でしたが、後臼歯にも異常があり左右で2本ずつ計4本抜歯しました。
それぞれ根本が2本、3本ある大きな歯で抜歯の際にかなりの出血を伴います。事前に止血処置を施し抜歯の際の出血部位は凝固器具で止血処置を施しながら抜歯しました。
抜歯後、残った歯は歯石除去をしました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真
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ついでに以前からある乳腺腫瘍を摘出しました。

後日、退院としました。

その後の病理組織検査では良性の乳腺腫でした。
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猫の乳腺腫瘍(乳癌)の片側全乳腺摘出術

12歳7か月 3.6kg の雌猫が乳腺にしこりがあると連れて来られました。
生後、1年時に避妊手術はしているそうです。
細胞診を実施すると後日の検査結果では、細胞の大小不同やN/c比のばらつきなどの細胞異型性がみられ、乳腺癌を強く疑うとの検査結果でした。
血液検査、胸部レントゲン検査を行い麻酔可能なのを確認して後日手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 第1〜第2乳腺付近に直径2.5mmのしこりがあります。 左が頭側、右が尾側
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下:手術で乳腺腫瘍とともに第1〜第5乳腺を大きく摘出 左が頭側、右が尾側
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手術では、第2乳腺の腫瘤がある部位は筋肉層まで深く広く乳腺とその周囲物を摘出しました。また、再発予防のためにシーリングシステムを使い出血をさせない手術を行いました。患部は摘出後には洗浄液で念入りに洗浄を行いました。

下:手術後の患部の写真 左が頭側、右が尾側
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手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用しました。シーリングシステムを用いると手術時間は大幅に短縮でき、また手術後の痛みはかなり軽減されます。
後日、退院としました。

その後の病理組織検査では乳腺単純癌でした。腫瘍の大きさは実測で0.6mmでした。

*犬と猫の乳腺腫瘍と避妊手術の関連性(以下)
  犬では・・ 
  1回目の発情の前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は0.5%(200頭中1頭)
  1回目発情あり 2回目の前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は8%(100頭中8頭)
  2回目発情あり 避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は25%(100頭中25頭)との報告がります。
  犬では乳腺腫瘍が発生した場合、良性と悪性の比率は約50%ずつ。さらにその悪性のうちの約50%は転移性しやすいタイプだと言われています。犬では小さいうちに早期に手術をすれば予後は良好な場合が多いです。

  猫では・・
  生後6か月前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は9%(100頭中9頭)
  生後6か月〜1年の間に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は14%(100頭中14頭)との報告があります。
 
 犬では適切な時期の避妊手術により乳腺腫瘍の発生を大幅に少なくします。 
 猫では乳腺腫瘍が発生した場合、90%以上は転移性の非常に高い悪性の乳腺癌です。猫では小さいうちに早期に手術をしても再発の可能性は大ですが早期に大きく切除すると延命効果はあると思われます。





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3001年09月01日

猫の乳腺腫瘍(乳癌)の片側全乳腺摘出術

12歳11か月 4.1kg の雌猫が乳腺にしこりがあると連れて来られました。
生後、6か月時に避妊手術はしているそうです。
細胞診を実施すると後日の検査結果では、細胞の大小不同などの細胞異型性が、中程度に認められ乳腺癌を強く疑うとの検査結果でした。
血液検査、胸部レントゲン検査を行い麻酔可能なのを確認して手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 第5乳腺付近に直径7mmのしこりがあります。上が頭側、下が尾側
P1010003.jpg

下:手術で摘出した第1〜第5乳腺と第5乳腺付近にあった腫瘤 右が尾側側の第5乳腺
P1010012.JPG

手術では、第5乳腺の腫瘤がある部位(上写真の右側)は筋肉層まで深く広く乳腺とその周囲物を摘出しました。また、再発予防のためにシーリングシステムを使い出血をさせない手術を行いました。患部は摘出後には洗浄液で念入りに洗浄を行いました。

下:手術後の患部の写真 左が頭側、右が尾側
P1010019.JPG

手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用しました。シーリングシステムを用いると手術時間は大幅に短縮でき、また手術後の痛みはかなり軽減されます。
後日、退院としました。

*犬と猫の乳腺腫瘍の予後 手術だけで治癒した猫の平均生存期間は、10〜14か月であると言う報告があります。腫瘍の大きさ手術後の予後に大きく関係し容積が9cm3以下では18か月、10〜27cm3では12か月、27cm3以上だと7か月だと言う報告があります。

 猫では乳腺腫瘍が発生した場合、90%以上は転移性の非常に高い悪性の乳腺癌です。猫では小さいうちに早期に手術をしても再発の可能性は大ですが早期に大きく切除すると延命効果はあると思われます。

病理組織検査所見)乳腺単純癌
標本上では腫瘍細胞の明らかな脈管内浸潤は認められず、鼠径リンパ節への転移巣も認められませんでした。
標本上では完全切除されています。猫の乳腺癌は完全切除でも再発、転移を起こしやすい腫瘍なので今後は経過観察が必要です。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の犬歯4本切断+去勢手術+デンタルケアー

雄のダックスフント7歳半が去勢手術希望で連れて来られました。

飼い主の方に事情を聞くと、過去に何回も犬に噛まれた過去があり去勢をすると多少性格が温和になるかと思い来院したとの事でした。最近、同居犬もこの犬に噛まれた事で非常に怯えるようになってしまったとの事・・。

できれば、万が一に噛まれた際に飼い主の方と同居犬の受傷の程度を軽減する目的で去勢手術のついでに犬歯4本の切断処置をお勧めしました。犬歯を途中で切断すれば細い先端がなくなり犬歯の先端は丸い面になり受傷を軽くします。

下:切断した犬歯4本の写真
P1010004.jpg

歯の根本で切断すると歯髄炎を起こすので起こさない部位で切断する必要があります。切断後は、歯髄がない部位なのを確認、切断後は特殊な光で固められる歯科用液で歯の周囲を3重にコーティングしました。

下:切断後の写真
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まずは去勢手術を行い、その後に口腔内の歯石を取り、口腔内を綺麗にしてから切断処置を行いました。
犬歯を切断しても普段の生活では支障なく、見た目もほとんど外見では分かりません。
噛み癖のある犬では時として有効な方法です。

posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の後眼窩膿瘍+乳腺腫瘍摘出+デンタルケアー

13歳 ダックス 雌 が左目下の膿が(他院での治療で)良くならないと連れて来られました。
各種色々な検査では、後眼窩膿瘍だと思われました。
まずは内科治療をしてそれでも再発の場合は抜歯処置が必要になる趣旨を説明しました。
血液検査では炎症の数値が、非常に高い(CRP 20 以上測定不能 正常値は1以下)ので、内科治療はせずに麻酔下での抜歯をお勧めしました。 

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

後日、全身麻酔で原因と思われる歯を抜歯しました。その後ろの歯も炎症があり2本、抜歯しました。

下:抜歯した歯
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また乳腺の一部に乳腺腫瘍があり乳腺腫瘍とその近くの乳腺とその前後の乳腺を切除摘出しました。

下:ついでに摘出した乳腺腫瘍と乳腺
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次の日に退院としました。

下:手術翌日の写真
P1010013.JPG

暫くすれば、患部は良くなると思います。

その後の病理組織検査では腫瘍は良性の乳腺腫でした。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雄猫の膀胱結石症

9歳の雄猫が血尿、頻尿で連れて来られました。
超音波検査で膀胱内に1個の結石がありました。レントゲン検査では僅かに画像上描写される程度ではっきりとは写らず結石の密度はあまりないタイプの石のようでした。

下:超音波検査で確認された膀胱内の結石 
7897-010012.jpg

超音波検査では、はっきり分かる結石1個とかなり小さな結晶が数多くありました。

抗生物質などの治療で血尿、頻尿が落ちついたところで手術を実施しました。

下:手術中の写真
P1010002.JPG

手術では、膀胱切開して結石を取り除き膀胱内を確認しましたが,そのほかの異常はありませんでした。

下;摘出した膀胱結石
P1010012.jpg

結石は金平糖のような形状をしており、手術をしないと再び膀胱炎(血尿、頻尿)が再発したと思われます。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

急性の胃拡張胃捻転症候群

約15歳 ダックスが昨夜からおう吐、涎れ、お腹が膨れていると連れてこられました。

身体検査で若干の低体温、元気消失を確認。血圧は正常。血液検査で肝機能の中程度上昇、炎症値の上昇を確認しました。レントゲン検査では、腹腔内でガスを含んだ胃が大きく拡張して大部分を占めており、胃拡張・胃捻転症候群を疑わせる所見でした。血圧は正常だったのでショック状態には陥っていないようでした。

下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横) 左が頭側
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下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け) 上が頭側
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胃拡張・胃捻転症候群とは・・・
胃拡張・胃捻転症候群になると、吐こうとしているのに何も吐けず、よだれを大量にたらすようになります。また、元気がなくなってくるとともに次第にお腹がふくれてきて、呼吸が苦しそうになり、沈うつ状態となってきます。胃のねじれや拡張が進行すると、脾臓もねじれたり、大静脈や門脈が圧迫されて胃や心臓に血液が行き渡らず、胃の壊死や心筋虚血を起こし、ショック状態に陥ります。このため治療が遅れると、死に至ることが多くあります。
犬種では、コリー、ボルゾイ、シェパードなど胸の深い大型犬で多く見られますが、ダックスフンド、ペキニーズ、コッカー・スパニエルなど、小型犬や中型犬でも見られることがあります。

今回の症例ではのレントゲンでは、胃はかなり拡張していました。手術する方法もありましたが、取りあえず静脈確保しての点滴をしながら、特別な保定法を使って胃管チューブを口から挿入して拡張した胃から大量のガスと大量の液体内容物を出す事ができました。(犬は鎮静注射せずに、大人しく処置できました。)

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横)  左が頭側
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胃内のガスは少なくなり一旦改善したように思われました。

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け)  上が頭側
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犬は、その日のうちに退院としました。
再発が多いので、翌日に来院してもらい、胃の拡張のないのを確認しました。
但し、血液検査では拡張した胃の圧迫によるものか、かなりの肝機能上昇があり肝臓の治療が必要でした。

数日後に再度、来院して血液検査をすると肝機能は改善していましたが、今度は胆汁系の酵素がひどく上昇しており別の治療が必要になりました。その後、約3週間の内科治療で肝胆系酵素は改善しました。
大きくなった胃により周辺の臓器に異常が生じたためだと思われます。

食事に関しては、発症後、最初は、胃はかなり拡張して胃粘膜は伸びているので食事は、通常の 1/4 から初めてもらい1週間かけて徐々に増やすように指示し調子は良くても食事回数を1日4回にしての再発予防が今後も必要になります。

その後、再発もなく経過良好です。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の瞬膜(第3眼瞼)にできた腫瘤

8歳半 柴犬 左目の内側にある瞬膜(第3眼瞼)にしこりができ、目の瞬膜が一部突出すると連れてこられました。点眼薬などいろいろと内科治療をしても効果がありませんでした。
診断としては当初はチェリーアイだと思われ手術を実施しました。

チェリーアイとは・・・
チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)は、第三眼瞼腺という涙を作る役割をもつ腺組織が、瞬膜の縁を越えて外に飛び出してしまう病気です。 飛び出した第三眼瞼腺は、炎症を起こして丸く腫れ上がり、サクランボのようになることから「チェリーアイ」と呼ばれています。

手術には、1)逸脱したシコリを非吸収性縫合糸で内側に縫い付ける方法 と 2)瞬膜ごとシコリを切り取る方法があります。
結果的には、瞬膜はそのままで その場の判断でシコリのみを切除しました。
理由は、麻酔下で瞬膜を反転してみたら少しだけシコリの位置が通常のチエリーアイとは違っていたからです。

下:切除したシコリ
P1010008.JPG

その後の病理組織検査では、良性の脂肪腫でした。チェリーアイではありませんでした。
普段の外観は、どう見てもチェリーアイでしたが・・・写真撮影しておけばよかった!
瞬膜に脂肪腫ができた珍しい症例でした。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の肥満細胞腫摘出手術

11歳の雄の柴犬の後肢にしこりができてここ2か月で大きくなってきたと連れて来られました。
院内の細胞診では、肥満細胞腫だと思われました。

下:院内での細胞診の顕微鏡写真(×1000倍)
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腫瘍の穿刺した細胞診では多数のMast cell(肥満細胞)がスライド上に多数ありました。

一応、検査センターにも細胞診を依頼してもらいましたがやはり悪性の肥満細胞腫でした。
再度、来院してもらい血液検査、レントゲン検査(胸部、腹部)異常なしを確認して後日手術を実施しました。

下:麻酔下、患部の写真 腫瘍は約20mm×30mm
P1010002.JPG

悪性腫瘍である程度の大きさがあったのでマージンは大きく切除しました。
また、悪性腫瘍なのでなるべく出血をさせないよう、また腫瘍下は筋肉も一部含めて大きく切除しました。

下:手術後、患部の写真
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左右の睾丸の大きさが2倍程度違うので腫瘍の可能性もありついでに去勢手術も実施しました。
また、顔の小さなしこりも含めて同時に3か所の手術を行いました。
翌日に退院としました。

その後の病理組織検査:
❶左臀部の腫瘍は肥満細胞腫でした。patnaikの分類法(T低グレード、U中グレード、V高グレード)では、Uグレードでした。犬の肥満細胞腫のうち約80%はUグレードです。生存中間値では、Vグレードでは4か月以下、Uグレードでは2年以上。

❷睾丸の腫瘤は、右睾丸はセミノーマ、ライディヒ細胞腫、セルトリ細胞腫の3種類が、左睾丸にはセルトリ細胞腫で確認されました。今後の注意が必要です。

❸口横の腫瘤は、皮脂腺腫でした。良性腫瘍です。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の後眼窩膿瘍

11歳 ダックスフント 右眼の下の皮膚が腫れ、前日に破裂して膿が出たと翌日に連れて来られました。

身体検査では、右眼の下に開放創の傷を確認しました。後眼窩膿瘍だと思われました。飼い主は1回での完治を希望したので、血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認の上、麻酔下での処置を行いました。

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

下:連れて来られた時の写真 右目の下に傷がある 目には異常なし
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麻酔下で歯自体には異常はありませんでしたが、傷の場所と原因と思われる前臼歯の根本は垂直にラインを想定すると一致するので歯が原因の可能性は高いと思われました。

下:麻酔下での写真 矢印が原因と思われる前臼歯
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麻酔下で前臼歯を抜歯するとやはり歯の根本は化膿しておりこの歯が原因でした。

下:抜歯した前臼歯 根本は3本ある
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抜歯した後に他の歯は、超音波スケラーで歯を綺麗にしました。
当日に退院としました。

犬では、口の中で一番大きいのは上顎の前臼歯で根本が3本あります。
歯の根本が深いので時として歯の根本が化膿して目の下に膿が移動して瘻管をつくり化膿するケースが多々あります。内科治療で良くなるケースもありますが、再び再発する場合も多いです。
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3001年08月01日

犬の膵炎と脾臓腫瘤の併発症

14歳1か月 雄 ジャック・ラッセルテリア

1週間前からの食欲廃絶と元気消失、嘔吐で連れて来られました。

血液検査、レントゲン検査、エコー検査で膵炎と脾臓に腫瘤があるのが確認されました。
血液検査では、膵臓酵素の上昇(測定不能)(犬膵特異的リパーゼも著増)と炎症の数値の上昇(測定不能)が確認でき入院治療を行いました。
膵炎に関しては、4日間入院でその後、退院としました。その後、膵臓に関しては臨床症状など改善傾向がありましたが、炎症の数値は完全には正常値にはなりませんでした。炎症の数値の上昇は、膵臓だけではなく脾臓にある腫瘤も関連があると考えました。
また、今回の調子が悪いのは膵炎がメインだと考え、膵炎の治療だけを行い、脾臓の腫瘤に関しては調子の良いところで開腹手術をお勧めしました。

下:レントゲンで脾臓の形が変形しているのが分かります。
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退院して約2週間後に元気、食欲もあるようなので試験開腹手術を実施しました。

下:手術当日の超音波検査の画像 全体の黒く抜けている楕円形が脾臓にできた腫瘤
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大きさが、4cm大のしこりが脾臓の尾側側にありシコリには何か液体貯留を疑わせる像です。
カラードップラーでは血流はそれほど多くはなく脾臓に強い炎症があるように思われます。
手術当日の血液検査でも炎症の数値は内科治療をしているにもかかわらず継続して高い数値 CRP18 (正常値1以下) を示していました。

下:手術中の写真 脾臓の裏側
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脾臓の裏に大きなシコリがあり破裂寸前でした。

脾臓は血管豊富な臓器です。脾臓にこのような大きなシコリがある場合、発見が遅れると腹腔内で破裂して大量出血して突然死する可能性が高かったと思われます。

下:手術中の写真 脾臓の表面
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脾臓の表のシコリは過去に小さく穿孔したのか、シコリに腹膜が大きく癒着していました。(画面右側)

下:摘出した脾臓腫瘤の拡大写真 破裂寸前みたいでした。
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手術後、翌日に退院としました。

その後の病理組織検査結果では、非上皮性腫瘍病変(肉腫)でした。今後は、肝臓を初めとした腹腔内の長期的なモニターが必要です。
また、膵臓は症状はなく食欲・元気はありますが、膵臓の数値は高い状態が継続しており現在、薬内服により月1回の診察中です。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする