3001年10月01日

口が閉じれなくなった猫の症例

6歳1か月 雌猫 口からヨダレが出ていると連れて来られました。
身体検査では左の上下の犬歯が当たり完全に口が閉じれない状態でした。下顎の横斜めにズレと左上顎に犬歯の若干のグラツキを確認しました。口を大きく空けて上下の犬歯が当たらない角度にして口が閉じれるようにしました。口の開閉時に痛みはないようでした。今後、場合によっては犬歯切断などの処置が今後、必要になる可能性を説明しました。

後日、口が閉じれないと再び連れて来られました。
血液検査、胸部レントゲン検査で異常なしを確認して後日、全身麻酔で犬歯切断を予定しました。
下顎のレントゲン検査では、左の顎関節が僅かに隙間?があるような画像上所見でした。

下:麻酔後、処置前の写真
P1010004.jpg
左の上顎下顎の犬歯が当たることで口が閉じれない状態を確認
麻酔下で各犬歯をチェックすると左上顎の犬歯が僅かにグラツキがあるので抜歯しました。
その他の犬歯は中央で犬歯切断を行いました。

下:抜歯した犬歯
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犬歯の歯根部には炎症があり、そのため歯周囲に隙間ができており簡単に抜歯できました。

下:処置後の患部の写真
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下顎はわずかに左斜めにズレがあります。1)下顎のズレがあり左の上下の犬歯が当たるようになったのか?
2)左上の犬歯が内側にズレて犬歯があたるようになり下顎にズレが生じたのか? 不明ですが、恐らく1)が原因だと思われます。
口が閉じれるようになり食欲も出てきました。その後の生活上の問題はないと思われます。




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猫のクリプトスポロジウム感染症

飼い主の方の希望により、飼い猫の便の中の病原体を調べる検査を検査センターに出したらクリプトスポロジウム感染陽性の結果との報告がありました。

下:検査センターでの便の検査結果でクリプトスポロジウム陽性でした。
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*画像が大きくできずわかりずらいです。

クリプトスポロジウム感染とは・・
従来、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium )はウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管寄生原虫として知られてきたものですが、ヒトでの感染は1976年にはじめて報告がありました。1980年代に 入ってからは後天性免疫不全症候群(AIDS)での致死性下痢症の病原体として注目され、その後ほどなく、健常者においても水様下痢症の原因となることが明らかとなりました。
わが国では、1994年に神奈川県平塚市の雑居ビルで460人 あまりの患者が発生し、1996年には埼玉県入間郡越生町で町営水道水を汚染源とする集団感染が発生し、8,800人におよぶ町民が被害を被りました。従って、本症に関しては散発例よりも、むしろ水道水や食品を介した集団発生が重要となるそうです。

人畜共通感染症なので注意が必要ですが、猫の便を口にしなければ大丈夫なのでその辺の最低限の注意は必要でしょう。犬や猫の動物の診察では、あまり問題になっていないのが現状です。
犬や猫で慢性の下痢があるようなら対処療法としてある種の抗生物質や整腸剤の投与が必要です。人では、クリプトスポロジウムの駆虫薬がありますが、動物では薬の副作用(急性腎不全が起きやすい)が強すぎて投薬はしないのが一般的です。対処療法を継続することにより自然といなくなるのを待つのが一般的な治療なようです。犬や猫では感染があっても下痢などの症状を示さないケースも多く、繰り返し記述しますが、今まであまり犬猫の病気では問題になっていないのが現状です。

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犬の後眼窩膿瘍で左右の前臼歯、後臼歯抜歯+デンタルケアー+乳腺腫瘍摘出

14歳2か月 ダックスフントが目の下が化膿していると連れて来られました。
右目の下が化膿しており歯が原因と思われました。半年前にも左目が同様の症状を起こし、口腔内をチェックすると左の上顎の前臼歯の歯と歯肉部分に膿がありました。よって左右の前臼歯抜歯をお勧めしました。
また。同時に残った歯の超音波スケラーでの歯石除去と以前からある乳腺腫瘍摘出もお勧めしました。
血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認、後日麻酔処置を行いました。

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

下:抜歯した左右上顎の臼歯
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当初、左右上顎の前臼歯のみを抜歯予定でしたが、後臼歯にも異常があり左右で2本ずつ計4本抜歯しました。
それぞれ根本が2本、3本ある大きな歯で抜歯の際にかなりの出血を伴います。事前に止血処置を施し抜歯の際の出血部位は凝固器具で止血処置を施しながら抜歯しました。
抜歯後、残った歯は歯石除去をしました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真
P1010002.jpg

ついでに以前からある乳腺腫瘍を摘出しました。

後日、退院としました。

その後の病理組織検査では良性の乳腺腫でした。
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猫の乳腺腫瘍(乳癌)の片側全乳腺摘出術

12歳7か月 3.6kg の雌猫が乳腺にしこりがあると連れて来られました。
生後、1年時に避妊手術はしているそうです。
細胞診を実施すると後日の検査結果では、細胞の大小不同やN/c比のばらつきなどの細胞異型性がみられ、乳腺癌を強く疑うとの検査結果でした。
血液検査、胸部レントゲン検査を行い麻酔可能なのを確認して後日手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 第1〜第2乳腺付近に直径2.5mmのしこりがあります。 左が頭側、右が尾側
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下:手術で乳腺腫瘍とともに第1〜第5乳腺を大きく摘出 左が頭側、右が尾側
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手術では、第2乳腺の腫瘤がある部位は筋肉層まで深く広く乳腺とその周囲物を摘出しました。また、再発予防のためにシーリングシステムを使い出血をさせない手術を行いました。患部は摘出後には洗浄液で念入りに洗浄を行いました。

下:手術後の患部の写真 左が頭側、右が尾側
P1010011.jpg

手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用しました。シーリングシステムを用いると手術時間は大幅に短縮でき、また手術後の痛みはかなり軽減されます。
後日、退院としました。

その後の病理組織検査では乳腺単純癌でした。腫瘍の大きさは実測で0.6mmでした。

*犬と猫の乳腺腫瘍と避妊手術の関連性(以下)
  犬では・・ 
  1回目の発情の前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は0.5%(200頭中1頭)
  1回目発情あり 2回目の前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は8%(100頭中8頭)
  2回目発情あり 避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は25%(100頭中25頭)との報告がります。
  犬では乳腺腫瘍が発生した場合、良性と悪性の比率は約50%ずつ。さらにその悪性のうちの約50%は転移性しやすいタイプだと言われています。犬では小さいうちに早期に手術をすれば予後は良好な場合が多いです。

  猫では・・
  生後6か月前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は9%(100頭中9頭)
  生後6か月〜1年の間に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は14%(100頭中14頭)との報告があります。
 
 犬では適切な時期の避妊手術により乳腺腫瘍の発生を大幅に少なくします。 
 猫では乳腺腫瘍が発生した場合、90%以上は転移性の非常に高い悪性の乳腺癌です。猫では小さいうちに早期に手術をしても再発の可能性は大ですが早期に大きく切除すると延命効果はあると思われます。





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3001年09月01日

猫の乳腺腫瘍(乳癌)の片側全乳腺摘出術

12歳11か月 4.1kg の雌猫が乳腺にしこりがあると連れて来られました。
生後、6か月時に避妊手術はしているそうです。
細胞診を実施すると後日の検査結果では、細胞の大小不同などの細胞異型性が、中程度に認められ乳腺癌を強く疑うとの検査結果でした。
血液検査、胸部レントゲン検査を行い麻酔可能なのを確認して手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 第5乳腺付近に直径7mmのしこりがあります。上が頭側、下が尾側
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下:手術で摘出した第1〜第5乳腺と第5乳腺付近にあった腫瘤 右が尾側側の第5乳腺
P1010012.JPG

手術では、第5乳腺の腫瘤がある部位(上写真の右側)は筋肉層まで深く広く乳腺とその周囲物を摘出しました。また、再発予防のためにシーリングシステムを使い出血をさせない手術を行いました。患部は摘出後には洗浄液で念入りに洗浄を行いました。

下:手術後の患部の写真 左が頭側、右が尾側
P1010019.JPG

手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用しました。シーリングシステムを用いると手術時間は大幅に短縮でき、また手術後の痛みはかなり軽減されます。
後日、退院としました。

*犬と猫の乳腺腫瘍の予後 手術だけで治癒した猫の平均生存期間は、10〜14か月であると言う報告があります。腫瘍の大きさ手術後の予後に大きく関係し容積が9cm3以下では18か月、10〜27cm3では12か月、27cm3以上だと7か月だと言う報告があります。

 猫では乳腺腫瘍が発生した場合、90%以上は転移性の非常に高い悪性の乳腺癌です。猫では小さいうちに早期に手術をしても再発の可能性は大ですが早期に大きく切除すると延命効果はあると思われます。

病理組織検査所見)乳腺単純癌
標本上では腫瘍細胞の明らかな脈管内浸潤は認められず、鼠径リンパ節への転移巣も認められませんでした。
標本上では完全切除されています。猫の乳腺癌は完全切除でも再発、転移を起こしやすい腫瘍なので今後は経過観察が必要です。
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犬の犬歯4本切断+去勢手術+デンタルケアー

雄のダックスフント7歳半が去勢手術希望で連れて来られました。

飼い主の方に事情を聞くと、過去に何回も犬に噛まれた過去があり去勢をすると多少性格が温和になるかと思い来院したとの事でした。最近、同居犬もこの犬に噛まれた事で非常に怯えるようになってしまったとの事・・。

できれば、万が一に噛まれた際に飼い主の方と同居犬の受傷の程度を軽減する目的で去勢手術のついでに犬歯4本の切断処置をお勧めしました。犬歯を途中で切断すれば細い先端がなくなり犬歯の先端は丸い面になり受傷を軽くします。

下:切断した犬歯4本の写真
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歯の根本で切断すると歯髄炎を起こすので起こさない部位で切断する必要があります。切断後は、歯髄がない部位なのを確認、切断後は特殊な光で固められる歯科用液で歯の周囲を3重にコーティングしました。

下:切断後の写真
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まずは去勢手術を行い、その後に口腔内の歯石を取り、口腔内を綺麗にしてから切断処置を行いました。
犬歯を切断しても普段の生活では支障なく、見た目もほとんど外見では分かりません。
噛み癖のある犬では時として有効な方法です。

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犬の後眼窩膿瘍+乳腺腫瘍摘出+デンタルケアー

13歳 ダックス 雌 が左目下の膿が(他院での治療で)良くならないと連れて来られました。
各種色々な検査では、後眼窩膿瘍だと思われました。
まずは内科治療をしてそれでも再発の場合は抜歯処置が必要になる趣旨を説明しました。
血液検査では炎症の数値が、非常に高い(CRP 20 以上測定不能 正常値は1以下)ので、内科治療はせずに麻酔下での抜歯をお勧めしました。 

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

後日、全身麻酔で原因と思われる歯を抜歯しました。その後ろの歯も炎症があり2本、抜歯しました。

下:抜歯した歯
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また乳腺の一部に乳腺腫瘍があり乳腺腫瘍とその近くの乳腺とその前後の乳腺を切除摘出しました。

下:ついでに摘出した乳腺腫瘍と乳腺
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次の日に退院としました。

下:手術翌日の写真
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暫くすれば、患部は良くなると思います。

その後の病理組織検査では腫瘍は良性の乳腺腫でした。
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雄猫の膀胱結石症

9歳の雄猫が血尿、頻尿で連れて来られました。
超音波検査で膀胱内に1個の結石がありました。レントゲン検査では僅かに画像上描写される程度ではっきりとは写らず結石の密度はあまりないタイプの石のようでした。

下:超音波検査で確認された膀胱内の結石 
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超音波検査では、はっきり分かる結石1個とかなり小さな結晶が数多くありました。

抗生物質などの治療で血尿、頻尿が落ちついたところで手術を実施しました。

下:手術中の写真
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手術では、膀胱切開して結石を取り除き膀胱内を確認しましたが,そのほかの異常はありませんでした。

下;摘出した膀胱結石
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結石は金平糖のような形状をしており、手術をしないと再び膀胱炎(血尿、頻尿)が再発したと思われます。
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急性の胃拡張胃捻転症候群

約15歳 ダックスが昨夜からおう吐、涎れ、お腹が膨れていると連れてこられました。

身体検査で若干の低体温、元気消失を確認。血圧は正常。血液検査で肝機能の中程度上昇、炎症値の上昇を確認しました。レントゲン検査では、腹腔内でガスを含んだ胃が大きく拡張して大部分を占めており、胃拡張・胃捻転症候群を疑わせる所見でした。血圧は正常だったのでショック状態には陥っていないようでした。

下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横) 左が頭側
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下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け) 上が頭側
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胃拡張・胃捻転症候群とは・・・
胃拡張・胃捻転症候群になると、吐こうとしているのに何も吐けず、よだれを大量にたらすようになります。また、元気がなくなってくるとともに次第にお腹がふくれてきて、呼吸が苦しそうになり、沈うつ状態となってきます。胃のねじれや拡張が進行すると、脾臓もねじれたり、大静脈や門脈が圧迫されて胃や心臓に血液が行き渡らず、胃の壊死や心筋虚血を起こし、ショック状態に陥ります。このため治療が遅れると、死に至ることが多くあります。
犬種では、コリー、ボルゾイ、シェパードなど胸の深い大型犬で多く見られますが、ダックスフンド、ペキニーズ、コッカー・スパニエルなど、小型犬や中型犬でも見られることがあります。

今回の症例ではのレントゲンでは、胃はかなり拡張していました。手術する方法もありましたが、取りあえず静脈確保しての点滴をしながら、特別な保定法を使って胃管チューブを口から挿入して拡張した胃から大量のガスと大量の液体内容物を出す事ができました。(犬は鎮静注射せずに、大人しく処置できました。)

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横)  左が頭側
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胃内のガスは少なくなり一旦改善したように思われました。

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け)  上が頭側
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犬は、その日のうちに退院としました。
再発が多いので、翌日に来院してもらい、胃の拡張のないのを確認しました。
但し、血液検査では拡張した胃の圧迫によるものか、かなりの肝機能上昇があり肝臓の治療が必要でした。

数日後に再度、来院して血液検査をすると肝機能は改善していましたが、今度は胆汁系の酵素がひどく上昇しており別の治療が必要になりました。その後、約3週間の内科治療で肝胆系酵素は改善しました。
大きくなった胃により周辺の臓器に異常が生じたためだと思われます。

食事に関しては、発症後、最初は、胃はかなり拡張して胃粘膜は伸びているので食事は、通常の 1/4 から初めてもらい1週間かけて徐々に増やすように指示し調子は良くても食事回数を1日4回にしての再発予防が今後も必要になります。

その後、再発もなく経過良好です。
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犬の瞬膜(第3眼瞼)にできた腫瘤

8歳半 柴犬 左目の内側にある瞬膜(第3眼瞼)にしこりができ、目の瞬膜が一部突出すると連れてこられました。点眼薬などいろいろと内科治療をしても効果がありませんでした。
診断としては当初はチェリーアイだと思われ手術を実施しました。

チェリーアイとは・・・
チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)は、第三眼瞼腺という涙を作る役割をもつ腺組織が、瞬膜の縁を越えて外に飛び出してしまう病気です。 飛び出した第三眼瞼腺は、炎症を起こして丸く腫れ上がり、サクランボのようになることから「チェリーアイ」と呼ばれています。

手術には、1)逸脱したシコリを非吸収性縫合糸で内側に縫い付ける方法 と 2)瞬膜ごとシコリを切り取る方法があります。
結果的には、瞬膜はそのままで その場の判断でシコリのみを切除しました。
理由は、麻酔下で瞬膜を反転してみたら少しだけシコリの位置が通常のチエリーアイとは違っていたからです。

下:切除したシコリ
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その後の病理組織検査では、良性の脂肪腫でした。チェリーアイではありませんでした。
普段の外観は、どう見てもチェリーアイでしたが・・・写真撮影しておけばよかった!
瞬膜に脂肪腫ができた珍しい症例でした。
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犬の肥満細胞腫摘出手術

11歳の雄の柴犬の後肢にしこりができてここ2か月で大きくなってきたと連れて来られました。
院内の細胞診では、肥満細胞腫だと思われました。

下:院内での細胞診の顕微鏡写真(×1000倍)
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腫瘍の穿刺した細胞診では多数のMast cell(肥満細胞)がスライド上に多数ありました。

一応、検査センターにも細胞診を依頼してもらいましたがやはり悪性の肥満細胞腫でした。
再度、来院してもらい血液検査、レントゲン検査(胸部、腹部)異常なしを確認して後日手術を実施しました。

下:麻酔下、患部の写真 腫瘍は約20mm×30mm
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悪性腫瘍である程度の大きさがあったのでマージンは大きく切除しました。
また、悪性腫瘍なのでなるべく出血をさせないよう、また腫瘍下は筋肉も一部含めて大きく切除しました。

下:手術後、患部の写真
P1010014.JPG

左右の睾丸の大きさが2倍程度違うので腫瘍の可能性もありついでに去勢手術も実施しました。
また、顔の小さなしこりも含めて同時に3か所の手術を行いました。
翌日に退院としました。

その後の病理組織検査:
❶左臀部の腫瘍は肥満細胞腫でした。patnaikの分類法(T低グレード、U中グレード、V高グレード)では、Uグレードでした。犬の肥満細胞腫のうち約80%はUグレードです。生存中間値では、Vグレードでは4か月以下、Uグレードでは2年以上。

❷睾丸の腫瘤は、右睾丸はセミノーマ、ライディヒ細胞腫、セルトリ細胞腫の3種類が、左睾丸にはセルトリ細胞腫で確認されました。今後の注意が必要です。

❸口横の腫瘤は、皮脂腺腫でした。良性腫瘍です。
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犬の後眼窩膿瘍

11歳 ダックスフント 右眼の下の皮膚が腫れ、前日に破裂して膿が出たと翌日に連れて来られました。

身体検査では、右眼の下に開放創の傷を確認しました。後眼窩膿瘍だと思われました。飼い主は1回での完治を希望したので、血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認の上、麻酔下での処置を行いました。

*後眼窩膿瘍とは・・・
上顎の奥歯に前臼歯と言う歯が左右にあります。この歯は非常に大きく歯の根元が3本あり犬種によっては非常に根元が深い歯です。この歯の根元が化膿(歯根膿瘍)を起こすと膿は口腔内ではなく上顎の皮膚に瘻管をつくり目の斜め下に膿が溜まります。飼い主は目の下が腫れた、目の下に膿が溜まるようになったとの主訴で来院するケースがほとんどです。

下:連れて来られた時の写真 右目の下に傷がある 目には異常なし
1509101279257.jpg

麻酔下で歯自体には異常はありませんでしたが、傷の場所と原因と思われる前臼歯の根本は垂直にラインを想定すると一致するので歯が原因の可能性は高いと思われました。

下:麻酔下での写真 矢印が原因と思われる前臼歯
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麻酔下で前臼歯を抜歯するとやはり歯の根本は化膿しておりこの歯が原因でした。

下:抜歯した前臼歯 根本は3本ある
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抜歯した後に他の歯は、超音波スケラーで歯を綺麗にしました。
当日に退院としました。

犬では、口の中で一番大きいのは上顎の前臼歯で根本が3本あります。
歯の根本が深いので時として歯の根本が化膿して目の下に膿が移動して瘻管をつくり化膿するケースが多々あります。内科治療で良くなるケースもありますが、再び再発する場合も多いです。
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3001年08月01日

犬の膵炎と脾臓腫瘤の併発症

14歳1か月 雄 ジャック・ラッセルテリア

1週間前からの食欲廃絶と元気消失、嘔吐で連れて来られました。

血液検査、レントゲン検査、エコー検査で膵炎と脾臓に腫瘤があるのが確認されました。
血液検査では、膵臓酵素の上昇(測定不能)(犬膵特異的リパーゼも著増)と炎症の数値の上昇(測定不能)が確認でき入院治療を行いました。
膵炎に関しては、4日間入院でその後、退院としました。その後、膵臓に関しては臨床症状など改善傾向がありましたが、炎症の数値は完全には正常値にはなりませんでした。炎症の数値の上昇は、膵臓だけではなく脾臓にある腫瘤も関連があると考えました。
また、今回の調子が悪いのは膵炎がメインだと考え、膵炎の治療だけを行い、脾臓の腫瘤に関しては調子の良いところで開腹手術をお勧めしました。

下:レントゲンで脾臓の形が変形しているのが分かります。
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退院して約2週間後に元気、食欲もあるようなので試験開腹手術を実施しました。

下:手術当日の超音波検査の画像 全体の黒く抜けている楕円形が脾臓にできた腫瘤
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大きさが、4cm大のしこりが脾臓の尾側側にありシコリには何か液体貯留を疑わせる像です。
カラードップラーでは血流はそれほど多くはなく脾臓に強い炎症があるように思われます。
手術当日の血液検査でも炎症の数値は内科治療をしているにもかかわらず継続して高い数値 CRP18 (正常値1以下) を示していました。

下:手術中の写真 脾臓の裏側
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脾臓の裏に大きなシコリがあり破裂寸前でした。

脾臓は血管豊富な臓器です。脾臓にこのような大きなシコリがある場合、発見が遅れると腹腔内で破裂して大量出血して突然死する可能性が高かったと思われます。

下:手術中の写真 脾臓の表面
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脾臓の表のシコリは過去に小さく穿孔したのか、シコリに腹膜が大きく癒着していました。(画面右側)

下:摘出した脾臓腫瘤の拡大写真 破裂寸前みたいでした。
P1010011.jpg

手術後、翌日に退院としました。

その後の病理組織検査結果では、非上皮性腫瘍病変(肉腫)でした。今後は、肝臓を初めとした腹腔内の長期的なモニターが必要です。
また、膵臓は症状はなく食欲・元気はありますが、膵臓の数値は高い状態が継続しており現在、薬内服により月1回の診察中です。
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眼瞼の腫瘍摘出手術

10歳半のコーギー 左目の結膜炎で連れて来られました。
目の上眼瞼に眼球側に小さな腫瘤がありました。眼球の角膜に常に接しており慢性の結膜炎の原因の可能性もあり腫瘤の摘出手術をお勧めしました。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認の後に手術を行う事になりました。

下:麻酔中、手術前の患部の画像 
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希望により、手術後に麻酔している状態で歯石除去とぐらついている歯を4本抜歯しました。

下:手術後、その日の写真
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抜糸の必要のない方法で手術を行いました。傷口はほとんど分からないと思います。
翌日、退院としました。
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猫の大きな卵巣に水腫が生じた例

7歳の雌猫が発情を繰り返すと連れて来られました。
血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認して後日、卵巣子宮摘出術をすることになりました。

下:手術中の写真
P1010003.JPG

ある程度の卵巣の水腫を予想していましたが、猫にしてはかなり巨大になり水腫は破裂寸前でした。

下:手術で摘出した右側の卵巣と水腫の写真
P1010007.jpg

その後の病理組織検査では、卵巣嚢胞との結果でした。卵巣の嚢胞は非腫瘍性病変で予後は良好です。
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1個の結石で再発を繰り返した雄ネコの尿路閉塞症

7歳の去勢雄猫が尿が出ないと連れて来られました。
排尿できなく急性腎不全に陥っており3日間入院して点滴とペニスより導尿留置処置を行いました。
カテーテル導尿する前のエコー検査では3mm前後の結石が1個と1mm以下の小さな結石が多数ありました。
3日間、静脈点滴と導尿カテーテル留置により腎機能は正常に戻りました。

その後、退院しましたが数日後、再びは排尿困難で来院。今回は、カテーテルにより水圧をかけて尿の閉塞は簡単にカテーテルですぐに解除されました。尿道に結石が詰まっているかどうか分からない程度の力でカテーテルは膀胱に入りました。(入院せず)

そのあと、3週間ぐらいは経過良好でしたが再び尿がでないと連れて来られました。
前回同様にペニスよりカテーテルを導尿留置、静脈点滴をしました。導尿後の超音波検査では、前回あった膀胱内の3mm程度の結石は膀胱内にはありませんでした。入院中に毎日超音波検査を行っていましたが尿道カテーテル装着後も膀胱内の3mm程度の結石はありませんでした。

入院4日目に超音波検査を実施すると再び膀胱内に結石が1個ありました。大きさは同じ3mm程度。
たぶん尿道とカテーテルの隙間に数日間あったものと推測。

下:レントゲン検査で膀胱内の結石1個が発見された画像
IM-0001-1001a.jpg

今回の排尿困難は1個の結石が原因だと考え、翌日に手術で膀胱内の結石を除去することにしました。

次の日に手術前に超音波検査を実施すると膀胱内の結石は再び姿を消して膀胱内にはありませんでした。ペニスから膀胱までカテーテルが入っているにもかかわらず尿道に移動していました。

下:カテーテルが入っているにもかかわらず尿道内に移動した膀胱結石
IM-0001-1001b.jpg
下:拡大写真(上と同じ写真)
IM-0001-1001b - コピー.jpg
*矢印(結石1個)の下の白いものは他院で行われた去勢の後の(金属製)縫合糸

手術前にカテーテルを引き抜きペニス側から水圧で尿道内の結石を膀胱に押し戻して膀胱切開で1個の結石を摘出しました。

下:膀胱に尿道用内視鏡を入れて(膀胱内にあるカテーテルを抜きながら)逆行性に進められるだけ尿道の異常を確認している動画


下:膀胱に小切開をした画像
P1010001.jpg

膀胱に小切開をしてピンセットで膀胱内の結石を除去した。

下:カテーテルがあるにもかかわらず尿道に移動した膀胱結石
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カット綿に対してこの大きさ、かなり小さい結石です。

下:上の写真を拡大したもの
P101000600.jpg

考察)
1つの3mmの結石が尿道の太さと合致し膀胱からペニスの間の尿道に完全に詰まり尿閉(力んでも排尿できない状態)に陥ったようです。
ペニスから膀胱まで尿道カテーテルを入れていると通常は膀胱内の結石は尿道に入り込まないものと理解していましたが、この症例ではカテーテルがあっても尿道に結石は移動するようでした。

その後の経過は良好でした。
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犬の子宮水腫の症例

ダックスフント 雌

他の疾患で各種検査を実施したら偶然に子宮水腫が発見されました。子宮蓄膿症では、元気消失、食欲減退などの症状が起きますが、水腫では子宮内で炎症はなくエコー検査でも液体はサラサラしており、血液検査でも炎症の数値はまったく上昇していませんでした。
今後、子宮が徐々に大きくなり破裂の可能性、また過去にそのままにしていたら子宮蓄膿症になった例もあり2週間以内の手術をお勧めしました。

下:手術中の写真 約2週間後に手術を実施しました。
P1010005.jpg

子宮はある程度大きくなっていましたが、手術後の状態は問題ありませんでした。

下:子宮を穿刺したシリンジの写真
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穿刺すると液体は無色透明でした。やはり子宮水腫でした。
手術翌日に退院しました。
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メス犬の巨大膀胱腫瘍の摘出

11歳3か月 6.2kg 避妊メス 偶然に他の疾患で各種検査を実施したら膀胱の前方(頭側)に巨大な腫瘤がありました。血液検査では、貧血、炎症、腎機能に異常はありませんでした。症状としては、数ヶ月前から頻尿がありましたが血尿はなくその症状での診察はありませんでした。

下:レントゲンCR画像 ラテラル像(横向き)
IM-0001-2002.jpg
腹部に大きな腫瘤があるのが分かります。膀胱の前方にあります。
超音波では、膀胱内部の粘膜層には異常はありませんでした。膀胱に隣接するように腫瘤はありました。

その後、検査センターでCT検査をして頂きました。

下:造影CT検査 緑色の大きいのが腹部にある腫瘤
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検査センターのCT検査では膀胱の頭側側に巨大腫瘤があり腫瘤は結腸、膀胱、小腸、脾臓、腹膜と接しているが境界は比較的明瞭であるとの所見でした。また腫瘤は左右の尿管に隣接しており手術の際には注意が必要との所見でした。

下:腫瘤に癒着した脾臓、腸間膜を剥離して腫瘤と膀胱を腹腔から外に出した写真
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下の左右の矢印は膀胱部分です。その他大きい部分は腫瘤です。当初、腫瘤に膀胱が取り巻くように癒着していると思っていましたが、膀胱の一部が腫瘍化したものでした。よって腫瘤摘出により膀胱には大きな欠損(開口)部分ができてしまいました。

下:膀胱にできた腫瘤を摘出した後の膀胱の写真
P1010015.jpg
左側の上下の矢印は膀胱に繋がる左右の尿管です。 CT検査では腫瘤は左右尿管を巻き込んでいないのを事前に分かっていましたが、CTでは膀胱腫瘍だとは分かりませんでした。(検査センター所見)
膀胱の写真の右側は手術で膀胱の一部が無くなり開口しています。

下:腫瘤摘出で開口した膀胱を再建しているところの写真
P1010016.jpg

その後の経過は良好でした。
翌日、元気食欲はあり、血液検査では異常ありませんでした。

膀胱にできる腫瘍は一般的に悪性度の高い移行上皮癌が多いのですが、今回の症例には血尿などの症状はなく頻尿のみが数か月続いていました。手術後に残存した膀胱の粘膜には肉眼的に異常はなく、粘膜に広がるように異常が生じる移行上皮癌ではなく筋膜固有層に生じる平滑筋肉腫ではないかと予想されました。

下:摘出した膀胱腫瘍 ホルマリン漬けにして翌日に撮影したもの
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病理組織検査に郵送するためホルマリンに1日漬けて半分に切って郵送しました。

病理組織検査では、やはり平滑筋肉腫でした。高分化型平滑筋肉腫との所見でした。
再発予防のため抗がん剤療法をお勧めしました。

手術後、しばらくして(膀胱が伸び大きくなったのか)頻尿もなくなり経過良好だそうです。

3か月後の超音波検査でも再発なく経過良好でした。
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予防的に片側乳腺全摘出術を行った雌犬の例

13歳半 雌のダックスフント

約9か月前に乳腺腫瘍で左側の乳腺+腫瘍を摘出している 病理組織検査では第5乳腺付近のシコリが一部、低悪性度だった。その他は良性乳腺腫だった。
約7か月前に子宮蓄膿症で卵巣子宮を摘出。

今回、第5乳腺のあった場所(既に左側の乳腺は全て摘出されており無い)よりも下方向の部位に乳腺腫瘍再発した。事前の細胞診では乳腺癌の可能性ありとの結果。
今回、その部位を拡大手術するついでに右側の異常のない乳腺(1〜5乳腺)が今後、乳腺腫瘍や乳癌の発生の可能性を考えて予防的に右側片側乳腺全摘出を実施した。

手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用することで時間短縮して約60分程度で終了した。
高齢のではあったが麻酔時間短縮で麻酔の覚醒は非常に良かった。またシーリングシステムを使用した
事で患部の痛みはほとんどないようだった。

下:手術後の患部の写真
P1010009.JPG

手術翌日に退院しました。
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高齢犬の大きな鼠径ヘルニア

13歳半 チワワ 雌 以前から鼠径ヘルニアがあり最近大きくなってきたと連れて来られました。

下:レントゲンCR検査 腹部に大きなヘルニアがあるのが分かります。
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今後、膀胱が飛び出すと緊急疾患になる可能性もあり手術を勧めました。
ヘルニアはかなり大きいですが、癒着はないようで圧迫するとヘルニア内容は腹部に戻すことができる状態でした。

下:手術中の写真
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ヘルニア嚢を腹腔に戻しヘルニア門を確認し、ヘルニアの中央に糸を通し持ち上げているところの画像。


上:ヘルニアすべてを縫合で閉じたところの写真
P1010006.JPG

ヘルニア内容物は大きかったですが、すべて腹腔内に戻すことができ癒着もなく手術は難しくはありませんでした。

下:皮膚縫合後の写真
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傷口も小さくすることができました。

手術後に低酸素でしばらく酸素吸入 その後2時間ぐらいICUに入れましたが、その後の経過は良く翌日に退院としました。
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3001年07月01日

15歳 高齢犬の膝内側にできた腫瘤摘出

雑種犬 15歳 以前からある後足内側のしこりが最近大きくなり表面から分泌物が出ると連れてこられました。

分泌物の細胞診では、好中球(炎症細胞)と多数の球菌が存在していました。
内科治療で一時的に改善しても腫瘤はそのまま存在するので再び炎症性の分泌物が排出される可能性があり手術をお勧めしました。

下:麻酔後手術前の写真
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腫瘤の一部に穴があきそこから分泌物がでている画像

下:摘出した腫瘤
P1010008.JPG

犬は慢性のアレルギー性皮膚疾患があり皮膚は全体にわたり厚く、脂漏ぎみなので皮膚の癒合はかなり悪いのは今後、予想されました。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の後眼窩膿瘍の例

15歳半 ヨーキ 右目の下に穴が開いていると連れて来られました。

当初は内科的な治療を繰り返しある程度、改善しましたが完治には至らず麻酔にて抜歯を行いました。

下:麻酔下での患部の写真 
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抜歯をすると歯根部には膿が溜まっていました。歯根部は洗浄を行いました。

下:目の下の膿が出ていた部分
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ちょうど歯の延長線の目の下に部分には大きなカサブタがありました。そのカサブタを取ると上のような状態で皮膚には穴が空いていました。

下:抜歯した歯の写真
P1010006.jpg

抜歯した歯は臼歯といい歯の根元は3本あります。1本の根元がかなり太い犬だったので膿が溜まりやすい解剖上の理由があったのかもしれません。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬で犬歯の乳歯が2本あった(過剰乳歯の)例

プードル オス 6か月

上顎の犬歯(永久歯)の後ろに乳歯の犬歯が2本あり去勢手術のついでに抜歯も行いました。
人では、永久歯が通常よりも多い場合は過剰歯と言うようです。今回のは乳歯なので過剰乳歯とでも言うのでしょうか?

下:麻酔下での乳歯の写真 矢印が乳歯2本の部位です
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麻酔下で抜歯をすると2本の乳歯はくっ付いていました。
歯の根元も2本に分かれていて乳歯は確かに2本ありました。

下:抜歯した乳歯2本
P1010004.jpg

上顎の反対側と下顎の2本の犬歯はすでに乳歯は無く、その部位だけ2本の乳歯がある状態でした。
犬猫では乳歯が2本あるのは稀な例だと思われます。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬で腹壁ヘルニアと思われたが・・・の例

1歳半のポメラニアン(避妊済み)が臍の左側に膨らみがあると連れて来られました。
様子見でも少しずつ大きくなってきているようだったので手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の写真
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手術では、シコリのほとんどは脂肪でした。ヘルニアと思われる穴は触診では確認できませんでした。

下:手術中の写真
P1010005.JPG

単なる脂肪の塊りなのか? 脂肪腫なのか? ヘルニアから腹腔中の脂肪がでてその後癒合したのか?
摘出した脂肪は一応、病理組織検査に出しました。

病理組織検査では、良性の脂肪腫でした。若い犬ではたまにこのような例があるそうです。
再発する場合もありますが、極まれで予後は良好だそうです。
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12歳 高齢猫の口の痛み

12歳以上 過去にノラだった猫が口の痛みで連れて来られました。

口の周辺を触ると非常に痛がり口の中は良く観察できませんでしたが、体を触るとそんなに怒らないのに口周辺を触るとかなり痛がりました。ピンセットでおおざっぱに口内をチェックすると右上顎の臼歯に異常がありました。

各種血液検査(血球、生化学、血液凝固、ウィルス)で異常なしを確認して麻酔にて歯の処置を行いました。
レントゲン検査は性格上できないので麻酔したところで撮影する事にしました。

下:麻酔後に撮影したレントゲンCR写真
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レントゲン画像では、上顎臼歯は変位を起こしていました。また、上顎骨、下顎骨には異常はありませんでした。

下:麻酔中、抜歯した後の画像
P1010001.jpg

麻酔して口内を確認する右上顎の臼歯と左下顎の臼歯の2本が歯の根本で虫歯になっており抜歯を行いました。
尚。猫の臼歯の抜歯は根本が3本で歯自体が弱いので用手で行うと全て抜歯できない場合があうので高速回転の歯科用ドリルを用いて抜歯を行いました、抜歯した後の歯肉はレーザー照射で焼烙処置を行いました。
その日のうちに退院としました。
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15歳 ヨーキ 子宮蓄膿症

15歳 ヨーキが4日前から食欲が全くないと連れて来られました。

BW1.9kg 血液検査で、強い炎症(CRP 20以上測定不能)と腎機能の軽度上昇がありました。

子宮蓄膿症では、手術後に急性腎不全になるケースがあります。これは子宮の中に膿が溜まる病気で、その膿の中の細菌が全身に回り引き起こされると思われます。よって十分な点滴が必要になります。
手術は麻酔量を少なくし、30分の麻酔時間で手術を終了しました。

下:手術中の写真 開腹して卵巣子宮を外に出したところの写真
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1日2回 腎機能をチェックし、2日間、入院治療をしてその後は通院退院としました。
その後、少しずつ元気、食欲は改善してきました。
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15歳の猫の胸部皮膚脇に生じた線維肉腫

15歳 メス 脇腹にシコリがあると連れて来られました。

見ると右脇腹に25mm 大のドーム型をしたシコリがありました。腫瘤の中央は自壊していました。
なかなか猫を連れて来れないとの事だったのと自壊していたので、その日に血液検査、レントゲン検査を実施して麻酔できる事を確認し入院させました。

下:レントゲンCR画像 画像左は頭側 右は尾側です 矢印が脇腹にあるシコリ
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レントゲンCRでもはっきりとシコリは写り、硬いシコリなのが分かります。

下:麻酔中の患部の写真 シコリ中央は陥没し表面は赤みを帯びていました。
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次の日に手術を実施しました。通常は細胞診の結果を待って手術をしますが、検査結果に1週間程度かかりその間に自分で後ろ足で掻いて出血する可能性もあり、細胞診なしで手術を行いました。
手術では腫瘤の周囲、下方とも血管はほとんどなく出血させずに摘出できました。

下:摘出した腫瘤
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下:手術中の患部の写真
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手術翌日、入院して2日目に退院としました。

その後の病理組織検査では、線維肉腫でした。線維肉腫はワクチンした後にできることが多い腫瘍ですが、今回の症例はワクチン誘発性ではないようです。この腫瘍は犬猫ともに、高い局所再発能があり2か月から9か月で再発すると言われています。ワクチン誘発性の場合は転移するケースもあるようです。
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乳腺腫瘍(炎症性乳癌疑い)の症例

13歳半 ダックス 雌の第3乳腺全体がここ1か月で急に大きくなってきたと連れて来られました。

9か月前に第一乳腺数mmのしこりと第5乳腺に数cmの小さなシコリがあり、第1乳腺と第4乳腺+第5乳腺を摘出手術を行いました。高齢なので片側全摘出は行いませんでした。 
第1乳腺は良性、第5乳腺は低悪性で予後良好との結果でした。その時には第3乳腺には異常なしこりはありませんでした。

今回は第3乳腺全体がここ数週間で急速に大きくなってきたようでした。第2乳腺はしこりなし。
細胞診検査を行うと乳腺癌の可能性ありとの検査結果だったので、すぐに残りの2,3乳腺を摘出手術を行いました。

下:麻酔後、患部の写真
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第3乳腺は赤く、炎症性乳癌の可能性も考えてすぐに手術を行いました。多少の痛みもありました。
手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを用いて癌細胞が拡散しないよう出血をさせない事に注意してなるべく大きく患部を摘出しました。

下:摘出した乳腺
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大きく深く、出血させないで手術を実施しました。手術部位のしこりの回りや下方では思っていたよりも血管は多くはなかった(脈管浸潤は少ない)ように感じました。

下:手術後、患部の写真
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手術はシーリングシステムを用いて血管結紮はないので患部の痛みはほとんどありません。
手術前は若干、痛みのためか食欲が低下していましたが、手術後は痛みが無くなったためか食欲は改善しました。手術の翌々日に退院しました。
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3001年06月01日

前肢の前腕の内側(肘の内側)にできた腫瘤

6歳 マルチーズ 前腕肘(ひじ)内側(医学用語:肘窩)に2か所しこりがあると連れて来られました。

触診では非常に柔らかく脂肪のような感じでした。細胞診の検査を実施すると後日、脂肪腫との診断でした。
良性の腫瘍なので高齢犬では手術をしないケースがほとんどです。しかしまだ6歳なので今後、腫瘤が大きくなり腕の曲げに支障が起きる可能性もあり、手術をするかどうかは飼い主の方の判断になりました。

1か月後、腫瘤が若干大きくなっているとの主訴で来院、手術を希望するとの事で後日、手術を実施しました。
麻酔前の血液検査、レントゲン検査では異常ありませんでした。

下:麻酔下、手術前の写真
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手術は血管を避けてデリケートな手術になりました。

下:麻酔下、手術後の写真
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内側のしこりは1個だと思われましたが、手術ではシコリが2個あり摘出手術を実施しました。
外側のしこりの1個も摘出手術を実施しました。

手術後に患部の若干の腫脹はありましたが、歩行は正常でした。

その後の病理組織検査では、細胞診同様に3つのシコリは全て良性の脂肪腫でした。
稀に同じ部位に脂肪腫が多数できるケースがあいます。今回は犬が若いのと皮膚の可動性がある部位なので手術で摘出手術をしました。
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膝蓋骨の外側脱臼の手術

ダックスフント 1歳

以前から後肢の膝蓋骨膝蓋骨が両側にありました。膝蓋骨脱臼は外側に脱臼するタイプでした。特に右足の膝蓋骨が約45度も外側に変位しており正常部分にまったく戻らない状態でした。それでも犬は1回だけ痛みがあったのみで生活に問題はありませんでしたが、膝蓋骨の脱臼のせいなのか足根関節も少し湾曲し特に右側のがに股が大きいようなので右足だけ手術を行いました。

下:麻酔下で手術中の写真 滑車溝形成術
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小型犬では、通常はほとんどが膝蓋骨の内方脱臼です。今回の症例は膝蓋骨の外方脱臼ですが、通常の内方脱臼と同じ3種類の手術法を用いて手術を実施しました。

下:手術後の患部の写真
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手術後に退院時にはほとんど痛みはありませんでした。
抜糸の時も痛みは全くなく、診察室を歩かせると飛び跳ねていました。

小型犬では、膝蓋骨脱臼は多少なりとも多くの小型犬ではあるものです。
膝蓋骨脱臼があるからすぐに手術を行うような傾向が今の獣医療にありますが、多少の脱臼ならば一生涯、まったく問題のないケースも多く見受けられます。継続した痛みがあったり、今回のように脱臼の変位が大きい場合は手術をした方がいいと思いますが、全ての膝蓋骨脱臼 = 手術ではありません。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする