3002年03月01日

ブレンダZ! 犬の急性膵炎の新しい薬 

犬の膵炎の新しい治療薬 ブレンダZが2018年10月頃に発売されました。

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炎症性免疫応答による白血球の血管壁への接着並びに細胞遊走に伴う組織浸潤を抑制することで、抗炎症活性を示します。
この本剤有効成分の作用により、犬の膵炎急性期における臨床症状を改善します。

投与方法:1日1回静脈内投与(点滴注入はダメ)

下:ブレンダZ薬
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1箱に5本入り

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1箱分 1箱分を液で希釈して1kg当たり0.4mを静脈内投与 1箱4mg含まれ1箱分で10kgまでの犬に使用可


早速、適応症例があり飼い主の了解のもと本剤を使用しました。(以下)


プードル 雄(去勢済)10歳2カ月
今朝、3時頃から4-5回 吐いた。 食欲、元気なしとの主訴で連れて来られました。

既往症:1年1か月前の健康診断の血液検査では、リパーゼは217(正常値10-160)で今後、膵炎に注意必要でした。

血液検査、レントゲン検査を実施しました。
血液検査では、総コレステロール450以上測定不能(正常値70-303)、中性脂肪500以上測定不能(正常値20-155)、リパーゼ1000以上測定不能(正常値10-160)でした。その他の生化学検査は異常なし。また、血球系検査異常なし。炎症の検査は当初は異常ありませんでした。(CRP0)
リパーゼと中性脂肪のみ10倍希釈して再検査を実施したところ中性脂肪は5000以上で再度測定不能、リパーゼは3174でした。
レントゲンでは特に異常はありませんでした。
よって急性膵炎と仮診断しました。どうも1週間前に今まで処方食から市販食に食事を変更したようでした。

入院治療を勧めましたが、犬の性格上、入院を希望せず 通院を希望だったのでブレンダZを使用しました。
その日は、ブレンダZを静脈内投与のみでその他の治療は何もしませんでした。
翌日は、休診日だったので膵臓の内服とステロイドを朝夕内服を指示しました。その間2日間は食事制限を実施しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロールは419(正常値70-303)、中性脂肪は97(正常値20-155)、リパーゼは400(正常値10-160)で数値はかなり低下していました。
犬は、元気が出てきて吐き気はなかったとの事でした。
その他、血球系は異常ありませんでしたが、膵臓に二次的に炎症があり(CRP20以上測定不能)でしたので、抗生剤投与を開始しました。犬は、特に異常はなく食欲、元気もあり嘔吐もありませんでした。

前回の診察から3日後、食事は少しずつ増量も犬は食欲もあり、嘔吐なし 見た目の状態は普段と変わりないとのこと。
血液検査では、コレステロール、中性脂肪は正常でしたが、リパーゼが再度上昇 リパーゼ再検査で1734(正常値10-160)。 炎症の検査CRPはかなり低下していました。
再度、ブレンダZを投与しました。食事は、膵炎用の処方食に変更しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロール321、中性脂肪293、リパーゼ240で数値はかなり低下しました。炎症の検査CRPは0まで低下していました。
吐き気もなく状態はほぼ健康状態でした。

その後は、経過良好でした。


急性膵炎での重症例では、入院点滴してFOYなどの薬を静脈点滴する必要がありました。それらの薬は、半減期(薬剤が体の中で効果が半減する時間)が1-2分なので長時間の点滴が必要でした。このブレンダZは、1日1回の静脈内投与で効果を発揮するので非常に画期的な動物用の急性膵炎治療薬です。





posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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