3002年02月01日

眼球摘出術を行った症例

プードル 12歳7か月

7歳3か月の頃から僧帽弁併催不全症にて心臓の薬を内服しています。
現在は、血管拡張剤、強心剤、利尿剤を併用し心臓病はコントロールできています。
心臓雑音は、LEVINE分類で6段階中6段階目の強い雑音ではあるが、レントゲン、心電図、血圧は安定しており症状もほとんどない状態でした。

来院の約1か月前にブドウ膜炎を起こし、他院にて治療にて良化したものの虹彩部に異常があり、そちらの紹介で行った目の専門病院にてメラノーマの疑いが強く眼球摘出を勧められ、紹介にて当院に来院しました。

視診では、眼球の大きさは左右同じで、威嚇反射あり(視力あり)、眼球に痛みもなく 眼圧測定でも左右とも眼圧は正常でした。目の超音波検査では眼底部などに異常はなし。

下:手術前の右目の写真 結膜の充血があるのみ
P1010005.JPG

目の専門病院での検査所見などが全く不明なため、メラノーマではない可能性もある趣旨を十分に説明・・。摘出手術を希望され手術を実施しました。

眼球摘出手術では、悪性腫瘍の可能性も踏まえて眼球をそのまま摘出する経結膜法ではなく上下の眼瞼を最初に閉鎖してそのまま大きく眼球を摘出する経眼瞼法にて摘出手術を実施しました。

下:手術後当日の写真
k.JPG

手術中もほとんど出血もなく1時間程度で摘出手術は終了しました。
手術後も痛み止めの治療を併用しほとんど患部痛みはありませんでした。


その後の病理組織検査では、眼球内の異常は虹彩毛様体腺腫でした。
これは眼球の虹彩毛様体の色素/無色素上皮より発生する良性腫瘍との事。この腫瘍は転移することはありませんが、大きくなると緑内障を併発することがあります。眼球摘出後の予後は一般的に良好だそうです。

現在の獣医療では犬の眼球内の腫瘍は一般的に黒色腫が一番多いです。一般的に眼球の場合は手術前の細胞診をすると眼内で緑内障、眼内出血などの合併症から検査は行われず、腫瘍が疑われる場合は眼球摘出を行いその後の病理組織検査に委ねるのが一般的です。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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