3001年09月01日

急性の胃拡張胃捻転症候群

約15歳 ダックスが昨夜からおう吐、涎れ、お腹が膨れていると連れてこられました。

身体検査で若干の低体温、元気消失を確認。血圧は正常。血液検査で肝機能の中程度上昇、炎症値の上昇を確認しました。レントゲン検査では、腹腔内でガスを含んだ胃が大きく拡張して大部分を占めており、胃拡張・胃捻転症候群を疑わせる所見でした。血圧は正常だったのでショック状態には陥っていないようでした。

下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横) 左が頭側
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下:来院時のお腹が膨れた状態の時の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け) 上が頭側
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胃拡張・胃捻転症候群とは・・・
胃拡張・胃捻転症候群になると、吐こうとしているのに何も吐けず、よだれを大量にたらすようになります。また、元気がなくなってくるとともに次第にお腹がふくれてきて、呼吸が苦しそうになり、沈うつ状態となってきます。胃のねじれや拡張が進行すると、脾臓もねじれたり、大静脈や門脈が圧迫されて胃や心臓に血液が行き渡らず、胃の壊死や心筋虚血を起こし、ショック状態に陥ります。このため治療が遅れると、死に至ることが多くあります。
犬種では、コリー、ボルゾイ、シェパードなど胸の深い大型犬で多く見られますが、ダックスフンド、ペキニーズ、コッカー・スパニエルなど、小型犬や中型犬でも見られることがあります。

今回の症例ではのレントゲンでは、胃はかなり拡張していました。手術する方法もありましたが、取りあえず静脈確保しての点滴をしながら、特別な保定法を使って胃管チューブを口から挿入して拡張した胃から大量のガスと大量の液体内容物を出す事ができました。(犬は鎮静注射せずに、大人しく処置できました。)

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 ラテラル像(横)  左が頭側
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胃内のガスは少なくなり一旦改善したように思われました。

下:2時間半後、処置後の腹部レントゲン画像 VD像(仰向け)  上が頭側
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犬は、その日のうちに退院としました。
再発が多いので、翌日に来院してもらい、胃の拡張のないのを確認しました。
但し、血液検査では拡張した胃の圧迫によるものか、かなりの肝機能上昇があり肝臓の治療が必要でした。

数日後に再度、来院して血液検査をすると肝機能は改善していましたが、今度は胆汁系の酵素がひどく上昇しており別の治療が必要になりました。その後、約3週間の内科治療で肝胆系酵素は改善しました。
大きくなった胃により周辺の臓器に異常が生じたためだと思われます。

食事に関しては、発症後、最初は、胃はかなり拡張して胃粘膜は伸びているので食事は、通常の 1/4 から初めてもらい1週間かけて徐々に増やすように指示し調子は良くても食事回数を1日4回にしての再発予防が今後も必要になります。

その後、再発もなく経過良好です。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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