3001年08月01日

1個の結石で再発を繰り返した雄ネコの尿路閉塞症

7歳の去勢雄猫が尿が出ないと連れて来られました。
排尿できなく急性腎不全に陥っており3日間入院して点滴とペニスより導尿留置処置を行いました。
カテーテル導尿する前のエコー検査では3mm前後の結石が1個と1mm以下の小さな結石が多数ありました。
3日間、静脈点滴と導尿カテーテル留置により腎機能は正常に戻りました。

その後、退院しましたが数日後、再びは排尿困難で来院。今回は、カテーテルにより水圧をかけて尿の閉塞は簡単にカテーテルですぐに解除されました。尿道に結石が詰まっているかどうか分からない程度の力でカテーテルは膀胱に入りました。(入院せず)

そのあと、3週間ぐらいは経過良好でしたが再び尿がでないと連れて来られました。
前回同様にペニスよりカテーテルを導尿留置、静脈点滴をしました。導尿後の超音波検査では、前回あった膀胱内の3mm程度の結石は膀胱内にはありませんでした。入院中に毎日超音波検査を行っていましたが尿道カテーテル装着後も膀胱内の3mm程度の結石はありませんでした。

入院4日目に超音波検査を実施すると再び膀胱内に結石が1個ありました。大きさは同じ3mm程度。
たぶん尿道とカテーテルの隙間に数日間あったものと推測。

下:レントゲン検査で膀胱内の結石1個が発見された画像
IM-0001-1001a.jpg

今回の排尿困難は1個の結石が原因だと考え、翌日に手術で膀胱内の結石を除去することにしました。

次の日に手術前に超音波検査を実施すると膀胱内の結石は再び姿を消して膀胱内にはありませんでした。ペニスから膀胱までカテーテルが入っているにもかかわらず尿道に移動していました。

下:カテーテルが入っているにもかかわらず尿道内に移動した膀胱結石
IM-0001-1001b.jpg
下:拡大写真(上と同じ写真)
IM-0001-1001b - コピー.jpg
*矢印(結石1個)の下の白いものは他院で行われた去勢の後の(金属製)縫合糸

手術前にカテーテルを引き抜きペニス側から水圧で尿道内の結石を膀胱に押し戻して膀胱切開で1個の結石を摘出しました。

下:膀胱に尿道用内視鏡を入れて(膀胱内にあるカテーテルを抜きながら)逆行性に進められるだけ尿道の異常を確認している動画


下:膀胱に小切開をした画像
P1010001.jpg

膀胱に小切開をしてピンセットで膀胱内の結石を除去した。

下:カテーテルがあるにもかかわらず尿道に移動した膀胱結石
P10100060.JPG
カット綿に対してこの大きさ、かなり小さい結石です。

下:上の写真を拡大したもの
P101000600.jpg

考察)
1つの3mmの結石が尿道の太さと合致し膀胱からペニスの間の尿道に完全に詰まり尿閉(力んでも排尿できない状態)に陥ったようです。
ペニスから膀胱まで尿道カテーテルを入れていると通常は膀胱内の結石は尿道に入り込まないものと理解していましたが、この症例ではカテーテルがあっても尿道に結石は移動するようでした。

その後の経過は良好でした。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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