3002年04月01日

巨大膀胱腫瘍(手術後2年経過して再発なし)

11歳3か月 6.2kg 避妊メス 偶然に他の疾患で各種検査を実施したら膀胱の前方(頭側)に巨大な腫瘤がありました。血液検査では、貧血、炎症、腎機能に異常はありませんでした。症状としては、数ヶ月前から頻尿がありました。

下:レントゲンCR画像 ラテラル像(横向き)
IM-0001-2002.jpg
腹部に大きな腫瘤があるのが分かります。膀胱の前方にあります。
超音波では、膀胱内部の粘膜層には異常はありませんでした。膀胱に隣接するように腫瘤はありました。

その後、検査センターでCT検査をして頂きました。

下:造影CT検査 緑色の大きいのが腹部にある腫瘤
c-abd 5min.jpg
検査センターのCT検査では膀胱の頭側側に巨大腫瘤があり腫瘤は結腸、膀胱、小腸、脾臓、腹膜と接しているが境界は比較的明瞭であるとの所見でした。また腫瘤は左右の尿管に隣接しており手術の際には注意が必要との所見でした。

下:腫瘤に癒着した脾臓、腸間膜を剥離して腫瘤と膀胱を腹腔から外に出した写真
P1010012.jpg
下の左右の矢印は膀胱部分です。その他大きい部分は腫瘤です。当初、腫瘤に膀胱が取り巻くように癒着していると思っていましたが、膀胱の一部が腫瘍化したものでした。よって腫瘤摘出により膀胱には大きな欠損(開口)部分ができてしまいました。

下:膀胱にできた腫瘤を摘出した後の膀胱の写真
P1010015.jpg
左側の上下の矢印は膀胱に繋がる左右の尿管です。 CT検査では腫瘤は左右尿管を巻き込んでいないのを事前に分かっていましたが、CTでは膀胱腫瘍だとは分かりませんでした。(検査センター所見)
膀胱の写真の右側は手術で膀胱の一部が無くなり開口しています。

下:腫瘤摘出で開口した膀胱を再建しているところの写真
P1010016.jpg

手術後の経過は良好でした。
翌日、元気食欲はあり、血液検査では異常ありませんでした。

膀胱にできる腫瘍は一般的に悪性度の高い移行上皮癌が多いのですが、今回の症例には血尿などの症状はなく頻尿のみが数か月続いていました。手術後に残存した膀胱の粘膜には肉眼的に異常はなく、粘膜に広がるように異常が生じる移行上皮癌ではなく筋膜固有層に生じる平滑筋肉腫ではないかと予想されました。

下:摘出した膀胱腫瘍 ホルマリン漬けにして翌日に撮影したもの
P10100010.JPG
病理組織検査に郵送するためホルマリンに1日漬けて半分に切って郵送しました。

病理組織検査では、やはり平滑筋肉腫でした。高分化型平滑筋肉腫との所見でした。
再発予防のため抗がん剤療法をお勧めしましたが、飼い主の方は希望しませんでした。

手術後、しばらくして(膀胱が伸び大きくなったのか)頻尿もなくなり経過良好だそうです。


その後・・・
現在2年経過しても経過良好との事です。


posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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