3003年01月01日

外部寄生虫(2)ダニに関して (SFTS 重症熱性血小板減少症も記載)

ダニに関して
犬には以下の4タイプのダニが寄生します。

(1)マダニ
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マダニは下記の3種類のダニと大きく違う点としては、肉眼で見ることができるダニという点が大きく異なります。犬は、マダニが生息するエリアを散歩して感染します。
以前は、牛馬などのいる地方に犬を連れていき感染するケースが多かったように思えますが、最近では普通の住宅地域でも感染が見受けられます。原因としては森林の伐採などで野生のタヌキなどが住宅地域に入り込み、感染を拡大しているのではないかと思われます。ここら周辺では、明らかに以前に比べて感染エリアは拡大傾向にあるように思えます。

上写真のようにダニは動物に感染すると吸血して幼ダニ➡若ダニ➡成ダニとだんだんと大きくなり、一番大きくなると動物から落下して幼ダニを多数、自然界に放ちます。幼ダニは、散歩している犬の二酸化炭素に反応してジャンプして感染します。よって感染は頭部周囲が一番多い感染部位です。

最近では、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)という病原体が、ダニから人へに感染が問題になっています。
人での症状;ダニに刺されてから6日〜2週間程度で、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)など様々な症状を引き起こします。

2013年1月、国内初の人への確認されたマダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスは、人への感染が報告されていない京都府や東北、関東のマダニからもウイルスが確認されていることが、国立感染症研究所の調査で新たに分かりました。SFTSは、2013年1月に国内初の人への感染が確認されてから、これまでに西日本で52人の感染例が報告され、このうち21人が死亡したことがわかっています。国立感染症研究所のこれまでの調査では、人への感染が報告された県のほかに、報告されていない4県(和歌山・福井・山梨・静岡)のマダニからもウイルスが確認されているが、新たに京都府や東北、関東のマダニからも確認されたことがわかったそうです。
個人的には、ここ20年の国内でのダニの拡散傾向を考えると、人でのこの病気は散発的な発症例は今後も増えるのではないかと危惧されます。

犬へのダニ感染の予防は、フロントラインなど各種、ノミダニの外用薬で予防ができます。
犬についたダニを手で取ろうとして人へ感染した例もあります。
犬についたダニはフロントラインを外用すると48時間で駆除できるので素手でのダニへの接触はしない方が良いでしょう。
感染するリスクのある場合は、感染して使用よりも感染をさせない予防が重要です。


(2)耳の疥癬
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耳道にヒゼンダニ科のダニが寄生する事によって耳に痒みを起こす疾病です。
原因となるのはミミヒゼンダニで耳以外には生育できないとされ、一世代約3週間で増殖を繰り返します。
定期的な駆虫薬の投与が必要になります。
診断は、耳の汚れを顕微鏡で観察してダニの有無を見つける方法ですが、この方法では重度感染では発見できますが、軽度感染ではかなりのパーセントで感染を見落とします。できれば直接、耳の中を拡大したCCDの検耳鏡カメラで直接覗いて、ダニの有無を飼い主の方と一緒に見る法が唯一確実な検査診断法と言えます。

感染は、感染した動物との接触ですが、トリミングなどで感染するケースもあり使用した耳用の器具は毎回、熱湯消毒する必要があります。


(3)皮膚の疥癬
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体表の皮膚に寄生するヒゼンダニ科のダニによって極めて強い痒みを起こす疾病です。
原因となるのはセンコウヒゼンダニで感染した犬との接触で感染します。
このダニは耳疥癬、アカラスと違い人にも一時的に感染し発疹が生じて痒みを起こしますが、このダニはかなり高い宿主特異性をもつため人ではしばらくするとダニは免疫により死滅する。
(人:皮膚科ではダニが死滅する短期間、痒み止め、消炎剤などの痒み止めを使用するようです)

動物では、一度感染すると急速に増殖し強い痒みを起こすケースがほとんどですが、稀に経度の痒み、皮膚病変で抗生物質、痒み止めで一時的に改善し悪化と改善を繰り返し診断が遅れるケースも稀にあります。
外での飼育犬で、おとなしい野良猫との接触で感染、治癒、感染、治癒を繰り返した例もありました。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。


(4)アカラス(別名:毛包虫 別名:デモデックス)
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アカラスは、健康な幼犬でも偶然に発見される場合があります。これは1歳以内の幼犬では免疫システムが確立されてなく見つかるケースがありますが、特に痒みや皮膚病変がない場合は無治療の場合もあります。しかし感染犬が何かの原因で免疫不全状態になると脱毛、フケが多くなり二次的に細菌感染を受けて化膿炎症を伴う皮膚病となり重症化するとされています。
以前は別の皮膚病の合併症でアカラスが見つかるケースがありましたが、最近では稀にアカラス単独で四肢の慢性皮膚病、体幹部での慢性皮膚炎などもあります。治療には、ある種の内服薬をしばらく投与する必要があります。治療に数か月かかるケースがほとんどですが改善します。

甲状腺機能低下症など免疫低下で二次的にアカラス症になるケースもありホルモン検査も必要でしょう。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする