3002年04月01日

犬の前肢の中手骨骨折

11歳 プードルが、前肢を痛がるとの主訴で来院しました。

レントゲンを撮影すると前肢の中手骨が、第3〜第5までが骨折していました。

経験上、犬で同様の部位の骨折で外固定のみで完治した例が過去に数例あったのと、飼い主は外科治療を希望せず内科治療をすることになりました。

最初、骨折部分のズレはかなりありました。(以下)

下:レントゲン写真 縦方向
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下:レントゲン写真 横方向
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最初は患部の腫脹が激しく、強い痛みもありテープングによる固定と痛み止めの処置をしました。
1週間後、痛みはやや緩和してきたので外固定による患部の固定を施しました。
週1回、来院してもらい外固定を2カ月半継続しました。

その後は、痛みがほとんど無いので固定せずにそのままとした。

3か月後、通常の歩行ができほとんど日常生活で跛行は無いとの事でした。


下:3か月後のレントゲン写真 縦方向
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第4、第5指は直線的に癒合中、第3指もやや湾曲しているももの癒合中 


下:3か月後のレントゲン写真 横方向
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第3〜第5指 骨折部にやや隙間はありますが、骨折間は肉芽組織ができ骨折部分を固定していると思われ、3本の中手骨はグラツキは無く真っすぐ固定されていると思われました。あと数か月すればレントゲン上も骨癒合像が確認できると思われます。

患部に痛みはなく、診察室では走っても全く跛行なし。自宅での日常生活でも全く問題はないとのことでした。


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雄犬の前立腺癌疑いも、去勢手術によりその後に改善傾向中の例

シェルテイー 雄(未去勢)が、血尿(かなり赤い)との主訴で連れて来られました。
レントゲン検査、超音波検査では、結石は無し。
前立腺に石灰沈着像と前立腺の腫大が確認され、直腸診では前立腺が固く腫大しているのも確認されました。

前立腺の疾患は間違いないようで、前立腺に石灰沈着が認められる場合は前立腺癌の疑いが強い趣旨を説明しました。


下:腹部レントゲン写真
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取りあえず膀胱炎の治療行い見た目の血尿はなくなりましたが、依然、前立腺の異常(腫大など)はそのままであり、尿検査では顕微鏡上の血尿(RBC多数)と炎症は存在している状態でした。


下:腹部レントゲン写真(拡大したもの)
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その後、前立腺マッサージによる前立腺液を採取しての細胞診と尿によるBRAF遺伝子変異検査を実施しました。
診断結果は、細胞診では移行上皮細胞過形成の疑い。遺伝子変異検査では異常な所見はありませんでした。
以上の検査結果から、完全に前立腺癌を否定されたわけではありませんが、過形成の疑いもあるようだったので去勢手術をお勧めしましたが、飼い主の方は様子を見るとのことで手術はしませんでした。

暫くして、排尿姿勢するが尿が出ないとの主訴で再度、来院しました。
尿道にカテーテルを挿入して入院治療、その間に去勢手術を実施しました。
手術後は、すぐに排尿は正常に戻りました。

現在は、前立腺の石灰沈着はそのままですが排尿困難の症状も全くなくなり、前立腺はやや小さくなっているようで経過順調とのことです。
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雌犬での避妊手術+片側全乳腺摘出術

10歳1か月 プードル 他の病気での診察時に偶然に腹部に15mm大のシコリがあり、細胞診を実施しました。

検査センターの細胞診検査では、単純乳腺細胞腫瘍で良性悪性の判断は病理組織検査に委ねられるとのコメントでした。
また、観察された乳腺上皮には軽度の細胞異型性があるとの事だったので手術をお勧めしました。

後日、血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認後に片側乳腺を全て摘出しました。


下:麻酔中、手術中の写真
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ついでに卵巣・子宮摘出も同時に行いました。


下:摘出した乳腺
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片側全乳腺を摘出しました。


下:手術後の患部の写真
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手術後、翌日に退院としました。

その後の病理組織検査では、良性乳腺複合腺腫でした。一般に、これらの境界明瞭な腫瘍は再発率が低く、切除により治癒するとのことでした。
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高齢雌犬の子宮疾患

シーズー 15歳9か月 3.9kg 雌が、2日前から食欲が無いと連れて来られました。

血液検査、レントゲン検査を実施するとかなり強い炎症とお腹にMass病変があり子宮疾患を疑いました。

次に超音波検査を実施しました。

下:超音波検査
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超音波検査では、腹部にMass陰影 子宮内に液体貯留があり子宮蓄膿症だと診断しました。
血液検査では、強い炎症はあるものの、腎機能、肝機能は正常値だったのでその日のうちに開腹摘出手術を実施しました。


下:手術中の写真
P1010001.JPG

開腹手術をするとかなり大きな腫大した子宮があり慎重に腹腔外に出し、摘出しました。
麻酔後に覚醒は、高齢だったので時間がかかりました。


下:摘出した卵巣子宮
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摘出した卵巣子宮は総量で505gでした。犬の手術前の体重が3.9kgだったのでかなり大きかったようです。


下:手術後 患部の写真
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手術後は、高齢だったので点滴処置、抗生物質の投与などで食欲が出るまでに5日程度かかりましたが無事に退院しました。


子宮蓄膿症は、時間の経過とともに腎不全、肝不全などが起きるのでなるべく早期の摘出手術が必要でしょう。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

文鳥の卵詰まり


2年飼育の文鳥が1時間前から便が出ないと連れて来られました。
良く文鳥を観察している飼い主の方で毎日、体重も測定しているそうです。
主訴は、体重は変わらないが、1時間前から排便をしない・・

BW22g 診察中に籠の中で産卵し、その後排便もしました。
どうも卵が詰まっていたのが原因でした。

下:産卵した卵に写真
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卵詰まりとは・・・
成鳥の卵が卵管内に詰まって出てこなくなるのを「卵詰まり」といいます。お腹からお尻にかけて膨らみが見られ、食欲不振や元気がない、うずくまってじっとしている、呼吸が荒い、いきむ、水分を多く取るなどの症状が現れます。
総排出口(直腸、排尿口、生殖口などの器官)から出かかった卵が見えている場合もあります。
すぐに治療しないと命を落とす場合もある怖い病気です。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

巨大膀胱腫瘍(手術後2年経過して再発なし)

11歳3か月 6.2kg 避妊メス 偶然に他の疾患で各種検査を実施したら膀胱の前方(頭側)に巨大な腫瘤がありました。血液検査では、貧血、炎症、腎機能に異常はありませんでした。症状としては、数ヶ月前から頻尿がありました。

下:レントゲンCR画像 ラテラル像(横向き)
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腹部に大きな腫瘤があるのが分かります。膀胱の前方にあります。
超音波では、膀胱内部の粘膜層には異常はありませんでした。膀胱に隣接するように腫瘤はありました。

その後、検査センターでCT検査をして頂きました。

下:造影CT検査 緑色の大きいのが腹部にある腫瘤
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検査センターのCT検査では膀胱の頭側側に巨大腫瘤があり腫瘤は結腸、膀胱、小腸、脾臓、腹膜と接しているが境界は比較的明瞭であるとの所見でした。また腫瘤は左右の尿管に隣接しており手術の際には注意が必要との所見でした。

下:腫瘤に癒着した脾臓、腸間膜を剥離して腫瘤と膀胱を腹腔から外に出した写真
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下の左右の矢印は膀胱部分です。その他大きい部分は腫瘤です。当初、腫瘤に膀胱が取り巻くように癒着していると思っていましたが、膀胱の一部が腫瘍化したものでした。よって腫瘤摘出により膀胱には大きな欠損(開口)部分ができてしまいました。

下:膀胱にできた腫瘤を摘出した後の膀胱の写真
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左側の上下の矢印は膀胱に繋がる左右の尿管です。 CT検査では腫瘤は左右尿管を巻き込んでいないのを事前に分かっていましたが、CTでは膀胱腫瘍だとは分かりませんでした。(検査センター所見)
膀胱の写真の右側は手術で膀胱の一部が無くなり開口しています。

下:腫瘤摘出で開口した膀胱を再建しているところの写真
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手術後の経過は良好でした。
翌日、元気食欲はあり、血液検査では異常ありませんでした。

膀胱にできる腫瘍は一般的に悪性度の高い移行上皮癌が多いのですが、今回の症例には血尿などの症状はなく頻尿のみが数か月続いていました。手術後に残存した膀胱の粘膜には肉眼的に異常はなく、粘膜に広がるように異常が生じる移行上皮癌ではなく筋膜固有層に生じる平滑筋肉腫ではないかと予想されました。

下:摘出した膀胱腫瘍 ホルマリン漬けにして翌日に撮影したもの
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病理組織検査に郵送するためホルマリンに1日漬けて半分に切って郵送しました。

病理組織検査では、やはり平滑筋肉腫でした。高分化型平滑筋肉腫との所見でした。
再発予防のため抗がん剤療法をお勧めしましたが、飼い主の方は希望しませんでした。

手術後、しばらくして(膀胱が伸び大きくなったのか)頻尿もなくなり経過良好だそうです。


その後・・・
現在2年経過しても経過良好との事です。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

25歳2カ月 高齢猫ちゃん

最近は、20歳超えの高齢猫が非常に増えています。
犬では、なかなか20年飼育は稀ですが、最近では猫で非常に増えており何十匹もいます。

本日の診察で、25歳2か月になった猫が定期健康診断で来院しました。

体重は、3.8kg 雌(避妊済み)

5年前から糖尿病でインスリンの注射をしていますが、うまく血糖値をコントロールできています。
半年前から慢性腎不全で薬の投薬をしています。1年前に比べてだいぶ体重も減少してしまいました。
腎機能もなんとか悪化せずに状態維持しています。


下:1年前の写真 今回、撮影しなかったので昨年のもを使用
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足腰も問題なく、動きも悪くありません。
頭の回転もないようです。


下:1年前の写真 
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次の目標、26歳!
ちなみに猫の平均寿命は、15歳前後と言われています。
世界記録では、38歳2日だそうです。
posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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