3002年03月01日

セキセイインコの卵詰まり

4−5歳のセキセイインコが1週間前から元気がなく うずくまっていると連れて来られました。

お腹に少し、張りがあるようで超音波検査を実施しました。

下:総排泄腔付近の超音波画像
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総排泄腔のやや上部に超音波プローブを当てると丸い液体のマス画像が観察できました。
よってお腹の張りは卵の詰まりだと判断し、鉗子で卵を割り、優しく圧迫して詰まった卵を圧迫しながら摘出しました。


下:摘出した詰まっていた卵の殻
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外来での処置だったので、そのまま帰宅しました。
再び、卵が詰まる可能性もあり温度管理を指示しました。

卵詰まりで経過が長いと卵の殻とインコの粘膜の癒着がひどく剥がす際に出血を伴うケースもあり慎重な操作が必要な場合もあります。
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悪性黒色腫疑いの犬の腫瘤摘出

9歳8か月のラブラドールレトリバー 雌 が前肢に小さなシコリがあると連れて来られました。

最初は小さなシコリで細胞診もできないくらいの大きさだったものが、3か月で約11mm大になったので細胞診を実施しました。

細胞診の検査結果では、悪性黒色腫が第一に考えられるとの検査結果でした。
詳細には細胞質内に黒緑色に染色されたメラニン色素が認められ、核の大小不同やN/C比のばらつきなどの異型性が認められるとの所見でした。

血液検査、胸部レントゲン検査では特に異常はありませんでした。

悪性黒色腫の可能性があるとのことだったので、確定診断のため前肢の腫瘤を検査目的に摘出をお勧めしました。

また悪性黒色腫の可能性を考えてなるべく大きく摘出することとしました。


下:麻酔後、患部の写真 当日は患部は不明瞭でした。
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手術の当日は、腫瘤の境界は不鮮明で場所の確認がしずらかった。大きさは11mmで以前と変わりはありませんでした。


下:手術中の患部の写真
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腫瘤を摘出後の患部の写真 手術では、悪性の可能性を考慮してできるだけ大きく、深く摘出をしました。
尚、摘出後の患部は洗浄液で徹底的に洗浄を行いました。


下:手術中の患部の写真
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摘出後に傷口はそのまま皮膚を寄せて縫合ができなかったので、縫合部の左右をそれぞれ3か所傷口と並行に縦方向に1.5cmの切り込みを入れ、2か所は傷口と垂直に(横方向)に縫合して摘出部分の皮膚の張力の緊張を緩和し残りの1か所は切りっぱなしとしました。


その後の病理組織検査では悪性黒色腫ではなかったようで、予後は、良好とのことでした。


posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブレンダZ! 犬の急性膵炎の新しい薬 

犬の膵炎の新しい治療薬 ブレンダZが2018年10月頃に発売されました。

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炎症性免疫応答による白血球の血管壁への接着並びに細胞遊走に伴う組織浸潤を抑制することで、抗炎症活性を示します。
この本剤有効成分の作用により、犬の膵炎急性期における臨床症状を改善します。

投与方法:1日1回静脈内投与(点滴注入はダメ)

下:ブレンダZ薬
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1箱に5本入り

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1箱分 1箱分を液で希釈して1kg当たり0.4mを静脈内投与 1箱4mg含まれ1箱分で10kgまでの犬に使用可


早速、適応症例があり飼い主の了解のもと本剤を使用しました。(以下)


プードル 雄(去勢済)10歳2カ月
今朝、3時頃から4-5回 吐いた。 食欲、元気なしとの主訴で連れて来られました。

既往症:1年1か月前の健康診断の血液検査では、リパーゼは217(正常値10-160)で今後、膵炎に注意必要でした。

血液検査、レントゲン検査を実施しました。
血液検査では、総コレステロール450以上測定不能(正常値70-303)、中性脂肪500以上測定不能(正常値20-155)、リパーゼ1000以上測定不能(正常値10-160)でした。その他の生化学検査は異常なし。また、血球系検査異常なし。炎症の検査は当初は異常ありませんでした。(CRP0)
リパーゼと中性脂肪のみ10倍希釈して再検査を実施したところ中性脂肪は5000以上で再度測定不能、リパーゼは3174でした。
レントゲンでは特に異常はありませんでした。
よって急性膵炎と仮診断しました。どうも1週間前に今まで処方食から市販食に食事を変更したようでした。

入院治療を勧めましたが、犬の性格上、入院を希望せず 通院を希望だったのでブレンダZを使用しました。
その日は、ブレンダZを静脈内投与のみでその他の治療は何もしませんでした。
翌日は、休診日だったので膵臓の内服とステロイドを朝夕内服を指示しました。その間2日間は食事制限を実施しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロールは419(正常値70-303)、中性脂肪は97(正常値20-155)、リパーゼは400(正常値10-160)で数値はかなり低下していました。
犬は、元気が出てきて吐き気はなかったとの事でした。
その他、血球系は異常ありませんでしたが、膵臓に二次的に炎症があり(CRP20以上測定不能)でしたので、抗生剤投与を開始しました。犬は、特に異常はなく食欲、元気もあり嘔吐もありませんでした。

前回の診察から3日後、食事は少しずつ増量も犬は食欲もあり、嘔吐なし 見た目の状態は普段と変わりないとのこと。
血液検査では、コレステロール、中性脂肪は正常でしたが、リパーゼが再度上昇 リパーゼ再検査で1734(正常値10-160)。 炎症の検査CRPはかなり低下していました。
再度、ブレンダZを投与しました。食事は、膵炎用の処方食に変更しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロール321、中性脂肪293、リパーゼ240で数値はかなり低下しました。炎症の検査CRPは0まで低下していました。
吐き気もなく状態はほぼ健康状態でした。

その後は、経過良好でした。


急性膵炎での重症例では、入院点滴してFOYなどの薬を静脈点滴する必要がありました。それらの薬は、半減期(薬剤が体の中で効果が半減する時間)が1-2分なので長時間の点滴が必要でした。このブレンダZは、1日1回の静脈内投与で効果を発揮するので非常に画期的な動物用の急性膵炎治療薬です。





posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猫の肥満細胞腫

11歳 猫 数年から顔に小さなシコリがあり、時々掻きこわして出血するのと主訴で連れて来られました。

下:患部の写真
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下:麻酔後、手術前の写真
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悪性腫瘍なのでマージン(切り取り)は極力、大きく摘出しました。


下:手術後の写真
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翌日、退院としました。

下:摘出した腫瘤
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その後の病理組織検査では悪性の肥満細胞腫でした。
肥満細胞腫は、ヒスタミンを分泌して痒みを起こすケースがあります。また、肥満細胞腫はヘパリンと言う物質を分泌して出血時の血液凝固を阻害するケースがあります。
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犬の前立腺ガン

15歳 コーギー 雄(去勢済)

他院で前立腺癌と診断され、セカントオピニオンで来院。

直腸診で前立腺が背側側に大きく固くなっていました。
レントゲンを撮影しました。


下:腹部レントゲン写真 ラテラル像
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矢印は前立腺の石灰沈着、前立腺に切開沈着が生じると前立腺癌の可能性が高いです。
また、腰椎(腰の骨)は数か所で骨の融解が起きており、前立腺癌の転移からくるものだと思われました。

排尿困難はないものの僅かに血尿あり。前立腺に石灰沈着像、腰下リンパ節肥大、腰椎(腰の骨)が融解した像(腰椎に転移)から、やはり前立腺癌だと診断しました。

セカンドオピニオンなので血液検査、超音波検査は実施しませんでした。
残念ながら、完治の治療は困難なので、今後は痛みをいかにコントロールするかにあると思います。




去勢手術をしておくと前立腺肥大は予防できますが、前立腺癌には予防効果はないようです。

犬の前立腺疾患では、良性の過形成、腫瘍、異形成、前立腺内部嚢胞、前立腺周囲嚢胞、前立腺の感染があります。

最近では、尿検査で前立腺癌の早期診断ができるようになりました。

前立腺腫瘍はほとんどが悪性で腺癌と移行上皮癌が一般的ですが、前立腺が他の悪性腫瘍の転移先となる場合もあるそうです。

posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする