3002年03月01日

犬の肺腫瘍

シーズ 雌 13歳半

2年8か月前に右の第3乳腺に13mm×14mm大のしこりがあり右側1〜5乳腺摘出手術
病理組織検査では、乳腺複合癌(低悪性度)、腫瘍の脈管内浸潤無しでした。

2年5カ月前に左乳腺に異常ないものの、左側1〜5乳腺を予防的に乳腺摘出手術


その後、特に異常はないもののワクチンで来院時に心臓に雑音がありレントゲン検査を実施すると以下のように肺にMass病変が偶然に発見されました。特に、呼吸などに異常はないとのことでした。

2年8ヶ月手術で摘出した乳腺部分に乳腺癌の再発はなし。


下:ワクチン時に偶然に発見された肺のMass病変 横の像

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下:ワクチン時に偶然に発見された肺のMass病変 縦の像

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高度医療動物病院で行った肺の細胞診では、上皮性悪性腫瘍が疑われ、乳腺癌の転移の可能性が高いとのことでした。
現在、ある種類の内服薬で治療中。


下:2か月後のレントゲン写真 横の像
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下:2か月後のレントゲン写真 縦の像
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2カ月前のレントゲンと比較して、肺の腫瘍の大きさはあまり変化がなく、小康状態を維持しているようです。

その後、6ヶ月経過しても肺の腫瘍は大きさ変化なく経過良好で推移中です。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猫の多発性嚢胞腎

4歳半 ペルシャ猫

最近、お腹が大きいと来院

レントゲン検査、血液検査、超音波検査の結果 多発性嚢胞腎という病気でした。

下:レントゲンCR写真 VD像(仰向け)
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腹部、レントゲン写真で左右の腎臓がかなり大きくなっていました。

下:レントゲンCR写真 ラテラル像(横向き)
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超音波検査の画像はありませんが、超音波検査では腎臓に多数の嚢胞が描出され個々の嚢胞は独立的に存在し多発性嚢胞腎の特徴がありました。

多発性嚢胞腎は、ペルシャ猫での発生頻度は40%、発生年齢は15週齢という報告もありますが、3歳以上(平均7歳)が多いという報告があります。
原因は不明だそうです。
嚢胞の根本的で適切な治療法はまだありません。
腎臓の機能を緩和する薬の内服で延命治療が今後継続する必要があります。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脾臓摘出術

11歳半 雌(避妊済み)のコーギーが、後肢痛みと食欲はあるが、元気がないと連れて来られました。

身体検査では、後肢の麻痺と血液検査では、貧血と炎症がありました。その他は異常なし。
異常あったものは以下
貧血:RBC437万(正常値 550-850万)、ヘモグロビン10.8(正常値 12.0-18.0)、HCT31.7(正常値 37-55)
炎症:CRP10(正常値0-1)

下:レントゲン検査 VD像(仰向け)
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脾臓だと左側に異常が起きる場合が多いですが、お腹の中央やや右側にMass病変がありました。

下:レントゲン写真 ラテラル像(横向き)
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超音波検査では、Mass病変に液体貯留があり脾臓と隣接していました。
膀胱が確認できなかったので、脾臓腫瘍か? 膀胱腫瘍か? 確定できなかったので、後日、尿を溜めて来院。
再度、超音波検査で膀胱とは若干、距離があり脾臓の腫瘤を疑い試験開腹手術をお勧めしました。

血液検査、胸部レントゲン検査をして麻酔できる状態を確認し後日、手術を実施しました。

下:麻酔後、開腹したらすぐに大きな腫瘤が臍の下の腹腔にありました。
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見た目では、破裂する一歩手前の状態でした。

下:癒着した腸間膜を離断して少しずつ腫瘤を腹腔外に出している写真
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脾臓の一部が大きくなり腸間膜が広く癒着していました。

下:脾臓の一部にある腫瘤の縦方向の大きさが分かる写真
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摘出した脾臓の横からの写真 すぐにでも破裂しそうな状態でした。左側は正常な脾臓。

脾臓にMass病変があった場合、良性なのか? 悪性なのか? 画像診断で判断ができない場合が多いです。予後の判断は、脾臓ごと摘出して病理検査の結果に委ねるしかありません。

麻酔の覚醒も良く翌日から食欲も出てきたので、手術の翌日に退院としました。


病理組織検査では、残念ながら悪性の血管肉腫でした。
その後、体重も増え、現在、何もしないとすぐに再発してしまう悪性腫瘍なので化学療法を継続中です。

posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セキセイインコの卵詰まり

4−5歳のセキセイインコが1週間前から元気がなく うずくまっていると連れて来られました。

お腹に少し、張りがあるようで超音波検査を実施しました。

下:総排泄腔付近の超音波画像
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総排泄腔のやや上部に超音波プローブを当てると丸い液体のマス画像が観察できました。
よってお腹の張りは卵の詰まりだと判断し、鉗子で卵を割り、優しく圧迫して詰まった卵を圧迫しながら摘出しました。


下:摘出した詰まっていた卵の殻
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外来での処置だったので、そのまま帰宅しました。
再び、卵が詰まる可能性もあり温度管理を指示しました。

卵詰まりで経過が長いと卵の殻とインコの粘膜の癒着がひどく剥がす際に出血を伴うケースもあり慎重な操作が必要な場合もあります。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

悪性黒色腫疑いの犬の腫瘤摘出

9歳8か月のラブラドールレトリバー 雌 が前肢に小さなシコリがあると連れて来られました。

最初は小さなシコリで細胞診もできないくらいの大きさだったものが、3か月で約11mm大になったので細胞診を実施しました。

細胞診の検査結果では、悪性黒色腫が第一に考えられるとの検査結果でした。
詳細には細胞質内に黒緑色に染色されたメラニン色素が認められ、核の大小不同やN/C比のばらつきなどの異型性が認められるとの所見でした。

血液検査、胸部レントゲン検査では特に異常はありませんでした。

悪性黒色腫の可能性があるとのことだったので、確定診断のため前肢の腫瘤を検査目的に摘出をお勧めしました。

また悪性黒色腫の可能性を考えてなるべく大きく摘出することとしました。


下:麻酔後、患部の写真 当日は患部は不明瞭でした。
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手術の当日は、腫瘤の境界は不鮮明で場所の確認がしずらかった。大きさは11mmで以前と変わりはありませんでした。


下:手術中の患部の写真
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腫瘤を摘出後の患部の写真 手術では、悪性の可能性を考慮してできるだけ大きく、深く摘出をしました。
尚、摘出後の患部は洗浄液で徹底的に洗浄を行いました。


下:手術中の患部の写真
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摘出後に傷口はそのまま皮膚を寄せて縫合ができなかったので、縫合部の左右をそれぞれ3か所傷口と並行に縦方向に1.5cmの切り込みを入れ、2か所は傷口と垂直に(横方向)に縫合して摘出部分の皮膚の張力の緊張を緩和し残りの1か所は切りっぱなしとしました。


その後の病理組織検査では悪性黒色腫ではなかったようで、予後は、良好とのことでした。


posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブレンダZ! 犬の急性膵炎の新しい薬 

犬の膵炎の新しい治療薬 ブレンダZが2018年10月頃に発売されました。

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炎症性免疫応答による白血球の血管壁への接着並びに細胞遊走に伴う組織浸潤を抑制することで、抗炎症活性を示します。
この本剤有効成分の作用により、犬の膵炎急性期における臨床症状を改善します。

投与方法:1日1回静脈内投与(点滴注入はダメ)

下:ブレンダZ薬
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1箱に5本入り

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1箱分 1箱分を液で希釈して1kg当たり0.4mを静脈内投与 1箱4mg含まれ1箱分で10kgまでの犬に使用可


早速、適応症例があり飼い主の了解のもと本剤を使用しました。(以下)


プードル 雄(去勢済)10歳2カ月
今朝、3時頃から4-5回 吐いた。 食欲、元気なしとの主訴で連れて来られました。

既往症:1年1か月前の健康診断の血液検査では、リパーゼは217(正常値10-160)で今後、膵炎に注意必要でした。

血液検査、レントゲン検査を実施しました。
血液検査では、総コレステロール450以上測定不能(正常値70-303)、中性脂肪500以上測定不能(正常値20-155)、リパーゼ1000以上測定不能(正常値10-160)でした。その他の生化学検査は異常なし。また、血球系検査異常なし。炎症の検査は当初は異常ありませんでした。(CRP0)
リパーゼと中性脂肪のみ10倍希釈して再検査を実施したところ中性脂肪は5000以上で再度測定不能、リパーゼは3174でした。
レントゲンでは特に異常はありませんでした。
よって急性膵炎と仮診断しました。どうも1週間前に今まで処方食から市販食に食事を変更したようでした。

入院治療を勧めましたが、犬の性格上、入院を希望せず 通院を希望だったのでブレンダZを使用しました。
その日は、ブレンダZを静脈内投与のみでその他の治療は何もしませんでした。
翌日は、休診日だったので膵臓の内服とステロイドを朝夕内服を指示しました。その間2日間は食事制限を実施しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロールは419(正常値70-303)、中性脂肪は97(正常値20-155)、リパーゼは400(正常値10-160)で数値はかなり低下していました。
犬は、元気が出てきて吐き気はなかったとの事でした。
その他、血球系は異常ありませんでしたが、膵臓に二次的に炎症があり(CRP20以上測定不能)でしたので、抗生剤投与を開始しました。犬は、特に異常はなく食欲、元気もあり嘔吐もありませんでした。

前回の診察から3日後、食事は少しずつ増量も犬は食欲もあり、嘔吐なし 見た目の状態は普段と変わりないとのこと。
血液検査では、コレステロール、中性脂肪は正常でしたが、リパーゼが再度上昇 リパーゼ再検査で1734(正常値10-160)。 炎症の検査CRPはかなり低下していました。
再度、ブレンダZを投与しました。食事は、膵炎用の処方食に変更しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロール321、中性脂肪293、リパーゼ240で数値はかなり低下しました。炎症の検査CRPは0まで低下していました。
吐き気もなく状態はほぼ健康状態でした。

その後は、経過良好でした。


急性膵炎での重症例では、入院点滴してFOYなどの薬を静脈点滴する必要がありました。それらの薬は、半減期(薬剤が体の中で効果が半減する時間)が1-2分なので長時間の点滴が必要でした。このブレンダZは、1日1回の静脈内投与で効果を発揮するので非常に画期的な動物用の急性膵炎治療薬です。





posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猫の肥満細胞腫

11歳 猫 数年から顔に小さなシコリがあり、時々掻きこわして出血するのと主訴で連れて来られました。

下:患部の写真
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下:麻酔後、手術前の写真
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悪性腫瘍なのでマージン(切り取り)は極力、大きく摘出しました。


下:手術後の写真
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翌日、退院としました。

下:摘出した腫瘤
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その後の病理組織検査では悪性の肥満細胞腫でした。
肥満細胞腫は、ヒスタミンを分泌して痒みを起こすケースがあります。また、肥満細胞腫はヘパリンと言う物質を分泌して出血時の血液凝固を阻害するケースがあります。

手術後に顔面神経麻痺が起きて、手術した側の目が閉じなくなりましたが、抜糸後にすぐに麻痺は改善しました。
悪性なので極力、大きく摘出したので縫合糸の一部が顔面神経を圧迫していたのかも?
目は左右どちらが異常あるのか分からないほど改善しました。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の前立腺ガン

15歳 コーギー 雄(去勢済)

他院で前立腺癌と診断され、セカントオピニオンで来院。

直腸診で前立腺が背側側に大きく固くなっていました。
レントゲンを撮影しました。


下:腹部レントゲン写真 ラテラル像
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矢印は前立腺の石灰沈着、前立腺に切開沈着が生じると前立腺癌の可能性が高いです。
また、腰椎(腰の骨)は数か所で骨の融解が起きており、前立腺癌の転移からくるものだと思われました。

排尿困難はないものの僅かに血尿あり。前立腺に石灰沈着像、腰下リンパ節肥大、腰椎(腰の骨)が融解した像(腰椎に転移)から、やはり前立腺癌だと診断しました。

セカンドオピニオンなので血液検査、超音波検査は実施しませんでした。
残念ながら、完治の治療は困難なので、今後は痛みをいかにコントロールするかにあると思います。




去勢手術をしておくと前立腺肥大は予防できますが、前立腺癌には予防効果はないようです。

犬の前立腺疾患では、良性の過形成、腫瘍、異形成、前立腺内部嚢胞、前立腺周囲嚢胞、前立腺の感染があります。

最近では、尿検査で前立腺癌の早期診断ができるようになりました。

前立腺腫瘍はほとんどが悪性で腺癌と移行上皮癌が一般的ですが、前立腺が他の悪性腫瘍の転移先となる場合もあるそうです。

posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする