3002年02月01日

高齢ダックス 腹部と首の腫瘤摘出

12歳半 ダックス お腹と首にシコリがあると連れて来られました。
非常に肥満体質で体重が、9.5kgでした。レントゲン検査と血液検査で心臓肥大と高脂血症がありました。
今後、クッシング症候群になる可能性あり(数値が上昇ぎみ)。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
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以前に脂肪腫で手術した傷跡があります。
腫瘍がある乳腺とその前後の乳腺の3乳腺を摘出しました。

下:手術で摘出後の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
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細胞診ではやや悪性の可能性もあり、なるべく大きく切除しました。

下:摘出した3乳腺と腫瘤
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麻酔中に酸素飽和後がやや低く、麻酔覚醒後に呼吸促拍があり2時間程度、ICUに入れ酸素管理をしました。
手術後の心電図検査で心臓の機能低下がみられたため、心臓の内服を開始しました。

下:手術後の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
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下:次に、首下にあった良性の腫瘤だと思われた腫瘤の塊を摘出 写真左が頭側、右が尾側
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翌日には呼吸も落ち着き、血液検査でも特に異常はなく、その日の午前に退院としました。
心臓の薬は抜糸まで継続して頂きました。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

左右同時に摘出した乳腺腫瘍

10歳半のプードルがお腹に1個しこりがあると連れて来られました。
細胞診では良性腫瘍との事でした。
それから半年すると反対側にも1mm程度のしこりができてしまい左右同時に手術するのをお勧めしました。

手術前にレントゲン検査、血液検査で異常なしを確認しております。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 左が頭部、右が尾側です。
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左の第4乳腺やや中央寄りに15mm大のしこりが半年前からありました。細胞診の検査では良性乳腺腫瘍の可能性大。
当初は、左の第1〜第5乳腺まで片側乳腺全摘出を考えていましたが、しばらくすると右側の第4乳腺に1mm大のしこりがあるのが分かりました。よって予定を変更して、左側第3〜第5乳腺と、右側第4、第5乳腺を同時摘出をすることにしました。


下:手術で摘出後の患部のsteam写真
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左側第3〜第5乳腺と、右側第4、第5乳腺を同時摘出しました。
細胞診では良性だったので、左側は一番大きい腫瘍部の乳腺とその前後の乳腺の手術に留めました。


下:摘出下左右の5つの乳腺と腫瘤2個
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手術の翌日に退院としました。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

100個以上あった膀胱結石の犬の症例


ダックスフント 雌(避妊済) 11歳2カ月が1週間前から頻尿、血尿があると連れて来られました。レントゲン検査で膀胱結石が多数あるのが分かり手術を勧めました。

下:レントゲン写真  矢印が膀胱内の多数の結石
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膀胱内に多数の結石があるのが分かります。20-30個はあるのではと説明しました。

飼い主の方の都合もあり抗生物質で内科治療を継続し2週間後に開腹手術、膀胱切開術で膀胱結石を摘出しました。

下:手術中の写真
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切開した膀胱の開口部分から大きな結石を取りだしている写真

大きい結石は簡単にピンセットで除去できましたが、細かい結石は時間をかけてピンセットで除去しましたが、なかなか完全に除去できないので膀胱内にサクション(吸引器)を入れ何回も洗浄、吸引を繰り返しました。
当初、レントゲン写真では20-30個ぐらいかと思われましたが、膀胱切開すると細かいのも合わせると100個以上は結石がありました。

下:手術後すぐのレントゲン写真
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手術後のレントゲン写真では矢印の膀胱がある部位には多少の残存した空気(黒いもの)があるだけで、結石は1個もなく全て除去できました。


下:手術で摘出した多数の膀胱結石
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ピンセットで時間をかけ取れた結石

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膀胱洗浄しながら開口部分に出てきた結石を取ったもの

細かいのも全て合わせると100個以上はありました。
手術後は、血尿もなく翌日退院となりました。


posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

眼球摘出術を行った症例

プードル 12歳7か月

7歳3か月の頃から僧帽弁併催不全症にて心臓の薬を内服しています。
現在は、血管拡張剤、強心剤、利尿剤を併用し心臓病はコントロールできています。
心臓雑音は、LEVINE分類で6段階中6段階目の強い雑音ではあるが、レントゲン、心電図、血圧は安定しており症状もほとんどない状態でした。

来院の約1か月前にブドウ膜炎を起こし、他院にて治療にて良化したものの虹彩部に異常があり、そちらの紹介で行った目の専門病院にてメラノーマの疑いが強く眼球摘出を勧められ、紹介にて当院に来院しました。

視診では、眼球の大きさは左右同じで、威嚇反射あり(視力あり)、眼球に痛みもなく 眼圧測定でも左右とも眼圧は正常でした。目の超音波検査では眼底部などに異常はなし。

下:手術前の右目の写真 結膜の充血があるのみ
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目の専門病院での検査所見などが全く不明なため、メラノーマではない可能性もある趣旨を十分に説明・・。摘出手術を希望され手術を実施しました。

眼球摘出手術では、悪性腫瘍の可能性も踏まえて眼球をそのまま摘出する経結膜法ではなく上下の眼瞼を最初に閉鎖してそのまま大きく眼球を摘出する経眼瞼法にて摘出手術を実施しました。

下:手術後当日の写真
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手術中もほとんど出血もなく1時間程度で摘出手術は終了しました。
手術後も痛み止めの治療を併用しほとんど患部痛みはありませんでした。


その後の病理組織検査では、眼球内の異常は虹彩毛様体腺腫でした。
これは眼球の虹彩毛様体の色素/無色素上皮より発生する良性腫瘍との事。この腫瘍は転移することはありませんが、大きくなると緑内障を併発することがあります。眼球摘出後の予後は一般的に良好だそうです。

現在の獣医療では犬の眼球内の腫瘍は一般的に黒色腫が一番多いです。一般的に眼球の場合は手術前の細胞診をすると眼内で緑内障、眼内出血などの合併症から検査は行われず、腫瘍が疑われる場合は眼球摘出を行いその後の病理組織検査に委ねるのが一般的です。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

骨軟骨異形成症

4歳のスコテッシュ・フォールドが歩き方がおかしいと連れて来られました。
触診で痛みはあまりないようでしたが、後肢が開脚歩行で後肢の先端の骨が大きいようでした。

下:レントゲンCR写真 前肢の写真
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レントゲンでは、腰椎、股関節、肘関節、膝関節には異常はありませんでしたが、前肢後肢の手根骨、足根骨の関節に明らかに異常がありました。


下:レントゲンCR写真 後肢(右)の写真
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後肢は著しい外骨性の骨増生が認められる。

骨軟骨異形成症は、折れ耳のスコテッシュ・フォールドで多発している疾患で、遺伝の関与が指摘されています。
スコチッシュ・フォールドは、突然変異である折れ耳の猫を繁殖させて確立した品種であり、その特徴である折れ耳は軟骨から骨への形成に関わる遺伝子の異常で生じたものだそうです。本疾患は常染色体の郵政遺伝によって発生したことが明らかになっています。

スコテッシュ・フォールドの交配で本疾患が高率に発生するので母国イギリスでは品種として公認されていないと言う経緯があります。
その後は、ブリティッシュ・ショート・ヘアーやアメリカン・ショートヘアーとの異種交配で発生率が少なくなるようになり現在に至っているが本疾患の発生を制御できていないのが現状です。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

生理出血が長期間続いた生後10か月の雌犬

生後9か月のヨークシャーテリアが2カ月前から外陰部から生理出血が続くと連れて来られました。
血液検査では貧血や炎症の数値には特に異常はありませんでした。超音波などでは子宮に水腫や蓄膿はないようでした。

子宮の異常出血を抑える薬を継続内服しました。
2週間後、出血はかなり減っているがまだ少しあるようでした。
3週間後、出血はなくなったが動いたときに透明な液が出るとの事でした。
再び超音波検査を行いましたが子宮に異常はないようでした。

4週間後に卵巣子宮摘出手術を実施しました。

下:摘出した卵巣と子宮
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摘出した子宮は体の割りにやや大きかったようですが、子宮内に液体や膿の貯留はありませんでした。
卵巣は外見上は異常はありませんでした。

下:手術後の患部の写真
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翌日、退院としました。

その後の病理組織検査では、子宮内膜過形成でした。この疾患により活発な性ホルモン産生により子宮内膜が過形成したようでした。
何もしないとその後に内膜腺はしばしば嚢胞性に過形成し分泌亢進によって子宮水腫を起こしたり、細菌感染を起こしやすくなったりすることで子宮蓄膿症につながることもあるようですが今回の手術でそれらが起きる可能性はなくなりました。




posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高齢雌犬の子宮蓄膿症

13歳半 チワワが3-4日前から食欲が無いと連れて来られました。
血液検査では、腎臓の数値がやや高く、炎症の数値が測定不能なくらい上昇していました。

この病気は子宮が大きい場合は早期に手術をする時間が早ければ早いほど完治する確率が高くなります。

下:レントゲンCR写真
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上写真:腹部横(ラテラル像) 大きな子宮が分かります。
下写真:腹部仰向け(VD像) 左右の大きな子宮が分かります。

点滴で脱水を補正した後、その日のうちに開腹手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 仰向け
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下:麻酔後、手術前の患部の写真 横方向
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麻酔して体の力が抜けるとお腹の大きさが顕著に分かります。

下:手術中の写真
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手術翌日の血液検査では前日の腎機能と高K血症は改善されていました。

2日目午後からやや食欲が出てきて、3日目に退院としました。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高齢雌犬の乳腺腫瘤摘出

13歳半の雌の柴犬の腹部に固いシコリがあると連れて来られました。

細胞診の検査では異常なしとの結果でしたが、少しづつ大きくなっているようなので摘出手術を行いました。


血液検査、胸部レントゲン検査で異常なしを確認後に手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 左が頭側、右が尾側です
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左第5乳腺に固いシコリがあり、ついでに左第4〜第5乳腺間にあるシコリと右第3にあるシコリもついでに摘出しました。

下:手術後の患部の写真
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細胞診で悪性所見が無かったのと高齢なのを考慮して患部のみの手術にし、かつシーリングシステムを用いて手術時間を極力短縮しました。

麻酔の覚醒も良く、翌日の生化学検査も異常なしを確認後に退院としました。
posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする