3001年06月01日

前肢の前腕の内側(肘の内側)にできた腫瘤

6歳 マルチーズ 前腕肘(ひじ)内側(医学用語:肘窩)に2か所しこりがあると連れて来られました。

触診では非常に柔らかく脂肪のような感じでした。細胞診の検査を実施すると後日、脂肪腫との診断でした。
良性の腫瘍なので高齢犬では手術をしないケースがほとんどです。しかしまだ6歳なので今後、腫瘤が大きくなり腕の曲げに支障が起きる可能性もあり、手術をするかどうかは飼い主の方の判断になりました。

1か月後、腫瘤が若干大きくなっているとの主訴で来院、手術を希望するとの事で後日、手術を実施しました。
麻酔前の血液検査、レントゲン検査では異常ありませんでした。

下:麻酔下、手術前の写真
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手術は血管を避けてデリケートな手術になりました。

下:麻酔下、手術後の写真
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内側のしこりは1個だと思われましたが、手術ではシコリが2個あり摘出手術を実施しました。
外側のしこりの1個も摘出手術を実施しました。

手術後に患部の若干の腫脹はありましたが、歩行は正常でした。

その後の病理組織検査では、細胞診同様に3つのシコリは全て良性の脂肪腫でした。
稀に同じ部位に脂肪腫が多数できるケースがあいます。今回は犬が若いのと皮膚の可動性がある部位なので手術で摘出手術をしました。
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膝蓋骨の外側脱臼の手術

ダックスフント 1歳

以前から後肢の膝蓋骨膝蓋骨が両側にありました。膝蓋骨脱臼は外側に脱臼するタイプでした。特に右足の膝蓋骨が約45度も外側に変位しており正常部分にまったく戻らない状態でした。それでも犬は1回だけ痛みがあったのみで生活に問題はありませんでしたが、膝蓋骨の脱臼のせいなのか足根関節も少し湾曲し特に右側のがに股が大きいようなので右足だけ手術を行いました。

下:麻酔下で手術中の写真 滑車溝形成術
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小型犬では、通常はほとんどが膝蓋骨の内方脱臼です。今回の症例は膝蓋骨の外方脱臼ですが、通常の内方脱臼と同じ3種類の手術法を用いて手術を実施しました。

下:手術後の患部の写真
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手術後に退院時にはほとんど痛みはありませんでした。
抜糸の時も痛みは全くなく、診察室を歩かせると飛び跳ねていました。

小型犬では、膝蓋骨脱臼は多少なりとも多くの小型犬ではあるものです。
膝蓋骨脱臼があるからすぐに手術を行うような傾向が今の獣医療にありますが、多少の脱臼ならば一生涯、まったく問題のないケースも多く見受けられます。継続した痛みがあったり、今回のように脱臼の変位が大きい場合は手術をした方がいいと思いますが、全ての膝蓋骨脱臼 = 手術ではありません。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大型犬の前肢皮膚の重度裂傷

8歳 ラブラドールレトリバーが前肢の重度、裂傷で連れて来られました。皮膚は Uの字に裂けており真ん中の皮膚は壊死を起こしていました。
血液検査では、中程度貧血、炎症の数値が中程度上昇以外はその他に異常はありませんでした。レントゲン検査でも異常はなく、その日のうちに手術を実施しました。

下:患部の写真 真ん中の裂傷皮膚をピンセットで持ち上げたところの画像
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写真で見たとおり皮膚の裂傷はひどく、分泌液が大量に出ており筋肉の血色は非常に悪い状態でした。その日の午前に患部を徹底的に何回も消毒を繰り返しました。

下:手術後の患部の写真 その日の午後に手術を実施しました。
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真ん中の壊死した中央の皮膚は切除、周りの皮膚は360度ラジオ波メスで切除して皮膚を新鮮創にしてから縫合をしました。筋肉、皮下織での炎症が激しいのでチューブ(ペンロースドレナージ)を装着しました。

下:手術後1日目の患部の写真
術後1日目.JPG

犬は歩行に問題はなく ドレナージからの漿液の排出はありましたが、予想よりも少なく傷口の状態は良好でした。ドレインチューブは48時間で除去しました。翌日退院としました。

下:抜糸時の患部の写真
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傷口は綺麗になっていました
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

800g子猫の背中の裂傷

800gの子猫が背中に傷があると連れて来られました。外で他の猫に噛まれたようで時間も経過して背中には大きくカサブタがあり膿が溜まっていました。カサブタを取るのに痛みがあるので全身麻酔下で処置をしました。皮膚の状態によっては手術も必要かと思いました。

下:麻酔下で真ん中のカサブタを取ったあとの画像
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麻酔下で真ん中のカサブタを取ると多量の分泌物がありました。細胞診を行うと多量のブドウ球菌と好中球が観察されました。

下:麻酔下で全てのカサブタを取ったあとの画像
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1)皮膚の化膿がひどいので、手術しても癒合が悪い可能性
2)若い猫なので皮膚の再生力があると考えた
3)中程度の貧血があった

以上の理由で取りあえずカサブタを取るだけの処置で手術はしませんでした。

下:1週間 内科治療を施した後、麻酔(2回目)下の画像
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1週間、消毒と内科的に皮膚の再生を促す治療をしました。最初数日は傷は小さくなりましたが、4日目〜7日目の皮膚の再生がほとんどありませんでした。完全に皮膚再生するにはかなり時間がかかりそうだっのと、周りの皮膚の状態が良く皮膚癒合は問題なしと判断し再び麻酔して(今回は)手術を行いました。

下:手術後の画像
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手術後は患部の状態は良く、手術後2日目に退院としました。

下:2週間後 抜糸した後の写真
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抜糸は2週間後と長くしました。2週間で毛が生えてきていており、皮膚は元どおりになっていました。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の脇の下(腋下部)にできた腫瘤の摘出手術

10半 ダックスの脇の下(腋下部)にしこりがあると連れて来られました。
大きさを測定すると約30mm大の大きさで非常に柔らかく脂肪腫のような感じでした。

後日の細胞診検査結果では、良性の脂肪腫とのことでした。
今後、出来ている部位が非常に皮膚の可動性がある部位なので小さいうちに手術するのも一案であると言及させて頂きました。

1か月後に若干腫瘤が大きくなったようなので手術を希望され各種、血液検査、レントゲン検査を実施し手術を行うことになりました。

下:麻酔中、患部をバリカン、剃毛した後の写真  体位は仰向け、右側が頭側、左側が尾側です。
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腫瘤ができた部位はちょうど脇の下で前肢の動きにより皮膚がかなり動く場所でした。

下:手術にて腫瘤を摘出後の写真
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腫瘤摘出後に患部にはかなりの死腔(皮下にできた空洞)が形成されてしまいました。

下:手術にて皮下を縫合した後の写真
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腫瘤摘出後は、前肢の動きにより皮下がかなり動くのと死腔がかなりあるので皮下は吸収性縫合糸により密に皮膚を寄せるように縫合しました。

下:摘出した腫瘤
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細胞診で脂肪腫との検査結果があったので摘出の際にはぎりぎりのマージンで摘出手術を実施しました。

下:皮膚縫合した後の写真
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皮膚の縫合では、前肢の動きで皮膚はかなり伸び縮みする部位なのでその辺を考え縫合に工夫を施しました。
手術の際に、ついでに歯石除去も同時に行いました。
手術翌日に退院としました。
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ジャック・ラッセルテリアの口腔内にできた多発性腫瘤

ジャックラッセル・テリア 雄
ワクチンの時に口腔内に多数のシコリ(腫瘤)を確認しました。
オーナーには、麻酔下で摘出手術を勧めました。
その後、後歯が腫瘤にあたり出血する可能性を考え摘出する目的で再び来院しました。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認の上、後日手術を実施しました。
手術前の細胞診は、口の中の腫瘤で麻酔しないと困難、見た目ではエプリス様だったのでそのまま細胞診なして摘出を行うことにしました。(検査目的の摘出手術)

下:麻酔下 摘出する前の写真
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歯を覆うように多数の腫瘤が歯肉でできていた。

下:麻酔下 摘出後の写真
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手術では、ラジオ波メスにて切除、切除部位はラジオ波メスの先端チップをヘラ形に代えて焼烙処置をしました。出血が激しいケースも考えてシーリングシステムも用意しておきましたが使用せずにラジオ波メスのみで処置できました。

下:手術で摘出した口腔内の多数の腫瘤  エプリスを疑う外観でした
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摘出後の患部の痛みはほとんどなく当日、退院としました。

後日の病理組織検査では、検査した全ての歯肉腫瘤病変では線維性エプリスでした。
線維性エプリスとは歯周靭帯由来と考えられている3歳以上の犬の歯肉部にできる良性の腫瘤性病変です。大部分では、外科的切除後の予後は良好と考えられています。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

片側の子宮のみ2匹妊娠猫の避妊手術

ノラ猫が妊娠しているかも? と連れて来られました。

FeLV- FIV-(猫白血病、猫免疫不全ウィルス)陰性を麻酔時に血液検査で確認しました。
開腹手術を行うと左の子宮角に2匹の妊娠 右の子宮角正常 を確認して卵巣子宮摘出を行いました。
犬猫では、子宮は双角子宮と言い左右に分かれています。通常は、3匹以上の妊娠が一般的ですが、たまに1匹のみ 片側2匹のみ(今回のような)が稀にあります。

下:麻酔手術中の写真
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このノラ猫は一度、リリースしたら再び捕まえて抜糸に連れてくることは不可能なので傷口はできるだけ小さくする必要がありました。

下:手術後の傷口の写真 傷口は22mm
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妊娠していたので傷口は(通常のノラ猫の避妊の傷口よりも大きくなりましたが)極力小さくして22mmでした。また縫合は抜糸の必要がないように吸収性縫合糸にて埋没縫合を行いました。翌日に退院としました。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする