雄の猫が、尿が出にくいと連れて来られました。
レントゲン検査では、尿路に結石が詰まり排尿困難 ➡ カテーテルにて結石を膀胱に戻す ➡ レントゲン検査で膀胱内の結石を確認(いつも4個の結石) を全てで6回繰り返しました。
結石が、見つかってから結石用の処方食のみを与えていますが、結石の大きさは変わらないようでした。
尿検査では、溶解しないシュウ酸カルシウム結石の疑いが強いので診察ごとに、手術をお勧めしていましたが、処置後の経過が良いので手術を希望しませんでした。
下:尿路閉塞(4回目再発)で来院時のレントゲン写真

右矢印は、尿道に閉塞した結石1個 もう1個はあそらく骨盤に隠れて画像上では確認できていないと思われる
左矢印は、膀胱内の結石2個
下:尿路閉塞(5回目再発)で来院時のレントゲン写真

右矢印は、会陰部尿道に閉塞した結石1個
真ん中矢印は、尿道の膀胱近くで閉塞した結石1個
左矢印は、膀胱内の結石2個
下:カテーテルにて尿路に閉塞した結石は、膀胱内に押し戻しました。

矢印は、カテーテル処置後に膀胱内に押し戻した結石と膀胱内にあった結石
下:上のレントゲン写真の拡大したもの

押し戻した結石は、毎回4個でした。
5回目の再発でやっと手術に同意して後日、手術を行うことになりました。
手術の当日に1個結石が尿道に閉塞していました。(6回目の再発)
手術前に結石を膀胱へ押し戻し膀胱切開にて膀胱内の結石を全て摘出しました。
下:手術で摘出した結石4個

結石は、1−2mm程度の大きさでした。
手術後、翌日に退院しました。
雄の猫では結石が尿道に閉塞した場合は、カテーテル処置で詰まった結石を解除できればいいのですが、できない場合は、会陰尿道設置術になる場合もあります。一度この手術を行うと万が一、膀胱結石が再発してそれが尿道に閉塞するとペニスがないのでカテーテル操作ができなくなるなど、あまりしない方が良い手術です。そのような理由で膀胱結石がある場合は、尿道に結石が行かないようになるべく膀胱切開術で結石除去を行うのが良いと思われます。
その後の結石の分析結果は、溶解しないシュウ酸カルシウムの結石でした。
posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔|
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