問診では、特に目立った症状も無い状態でした。
まず行った血液検査では、血糖値、腎臓、肝臓、膵臓、電解質、血球検査など特には異常ありませんでしたが、炎症の検査であるCRP検査のみ20以上で測定不能(正常値は0〜1)でした、どこかに強い炎症があるのが示唆されました。
もともと噛み癖があり口の中の詳細な観察はできませんが、若干口内に痛みがあるようでした。特に、口から出血、涎れの症状はありませんが、歯が原因の可能性があると思われました。
歯以外に炎症を起こしている可能性を排除するために、胸部、腹部のレントゲン検査を行いましたが、特に異常はなかったので、その日のうちに麻酔して口内をチェックすることにしました。
麻酔して、口内を調べると左の一番奥の歯が少しグラツキがあり、抜歯をしました。抜歯した歯根部分には多少の膿が観察されました。
下:抜糸した歯の写真
その日のうちに退院としました。犬は、その日帰ってからすぐに食欲は戻ったとの事でした。
痛みや痒みは、それぞれの動物でかなり個体差があります。この子は痛みに非常にデリケートなタイプだったようです。歯の根本が化膿して歯根部の神経刺激が原因で食事ができなくなってしまったようでした。