3001年01月01日

腸を8か所切開して摘出した紐状異物の症例

10歳半の猫が嘔吐が3日前から続き、その間に食欲が全くないと連れて来られました。
血液検査では、中程度の高血糖、若干の炎症、、中程度の脱水がありました。レントゲンでは、消化管異物が疑われましたが、脱水があるのと高齢なのを考慮して自然に出るのを期待して入院させて静脈点滴をしてその日は経過観察しました。その後、改善傾向がないので消化管造影検査を実施しました。

下:単純レントゲン写真
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単純レントゲンでは、紐状異物の可能性あるが、はっきりとは分からない(紐はレントゲンでは写らない)
触診では、特に痛みはなし

下:翌日の造影剤投与後 5時間のレントゲン写真
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造影剤(ガストログラフィン)投与後5時間でも胃からまったく造影剤の通過がなく通過障害ありと判断。十分に点滴をして脱水を補正できたので、その日のうちに試験開腹を行いました。

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十二指腸の部分に大量の紐が閉塞していました。一部の紐は小腸から大腸まで移動しており全部で8か所の腸切開をして紐状異物を摘出しました。

下:状態が改善して食欲が徐々に改善した時の写真
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高齢だったので状態の改善に時間がかかりましたが、手術後4日後に退院しました。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

17歳11か月の高齢犬の腫瘍摘出

17歳11か月の雄のシーズのお尻に腫瘤ができ、出血して困るとの趣旨で連れて来られました。1年前から心臓に雑音があり現在、心臓の薬を内服中。心臓が悪い以外は、血液検査、レントゲン検査で若干の心臓肥大以外の異常はありませんでした。血圧測定では、軽度の低血圧があり心臓機能の若干の低下が推測されますが、麻酔には十分の耐えうると判断し後日手術を実施しました。

下:麻酔後の患部を消毒した後の画像
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矢印が腫瘍です。白いのは肛門に詰めた綿花です。 

下:手術前の患部の画像  
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手術は、ラジオ波メスで皮膚全周を切開をして、シーリングシステムで凝固して切除、出血はまったくありませんでした。ついでに腫瘍の再発予防として去勢手術を実施しました。肛門部は抜糸必要のない方法を選択しました。全麻酔時間は35分でした。

下:摘出した腫瘤
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手術後の麻酔の覚醒は非常に良かっです。犬の性格と心臓病を考えて当日の退院としました。

その後の病理組織検査では、肛門周囲腺腫(良性)でした。

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猫の皮膚血管肉腫

7歳の雄猫に臀部に1cm大の盛り上がった固いシコリがあると連れて来られました。
針での細胞診の検査(検査センター)では悪性所見があいませんでしたが、その後数日で大きさくなってきたのと、猫が自分で腫瘤を気にして出血を起こしたので急遽、手術を実施することになりました。

下:腫瘤の表面は猫が気にして一部が無くなっている状態 
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ラジオ波メス、シーリングシステムで筋層まで大きく摘出しました。

下:摘出した後の患部の写真
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手術の際に出血はほとんどありませんでした。悪性を考慮しておおきく切除。

下:摘出した腫瘤
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下:手術後の患部の写真
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その後の病理組織検査では、皮膚血管肉腫でした。

血管肉腫とは・・・
血管肉腫は、犬猫にできる悪性腫瘍です。犬でも猫でも外科的に摘出するのが第一選択になります。転移性のある腫瘍なので積極的な治療を望まれる場合は、ほとんどの場合、手術後に化学療法(抗がん剤)を行います。皮膚以外にできる血管肉腫の予後は良くありません。皮膚血管肉腫では、内臓にできるものに比べて生存期間は長いと言われていますが具体的にどれくらい長いかは、データーがありません。。

猫での血管肉腫・・・
犬に比べて猫の血管肉腫は非常は少なく、また皮膚にできる皮膚血管肉腫は稀だそうです。猫の皮膚における血管肉腫の発生はさらに少なくまとまったデータはないそうです。いずれの場所に発生しても血管肉腫は侵襲性の強い腫瘍で高い転移率です。内臓に発生したものは非常に悪いものがほとんどですが、皮膚の場合には完全切除で予後良好な場合もあるそうですが、今後は注意が必要です。皮膚以外に血管肉腫の発生がない場合は、皮膚が原発部位だと考えられます。その場合、内臓型よりも予後は良いですが、手術後に化学療法は有効なので抗がん剤療法を行った方が良いと思われます。

その後、抗がん剤療法は行いませんでしたが、再発なく経過良好とのことです。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高齢雄犬の睾丸腫瘍と肛門腫瘍の2か所同時手術

16歳半のマルチーズが以前から肛門に腫瘍がありだんだんと大きくなってきたと連れて来られました。診察を行うと、肛門右に4cm大の腫瘤がありました。また。全身の身体検査で片側睾丸に腫瘍の疑いがありました。右睾丸が25×34mm大(正常だと思われた左睾丸は12×27mm大)でした。その他、心臓に6段階評価で2−3番目の心臓雑音がありました。
血液検査では異常ありませんでした。
レントゲン検査では、現時点では心臓肥大はありませんでした。

後日、全身麻酔下で、肛門右の腫瘤摘出、左右睾丸摘出の手術を同時に実施致しました。

下:麻酔後、手術前の睾丸部分の写真 (仰向けでの保定)矢印は大きく腫瘍化した睾丸
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上:手術で摘出した左右の睾丸
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左右の睾丸の大きさにかなり違いがあります。大きいのは右睾丸。

睾丸腫瘍摘出手術後に、続いて肛門部の腫瘤摘出術を行いました。

下:麻酔、消毒後の肛門部分の写真 (尾を前方に反らせた、うつ伏せでの保定)
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綿花(白いもの)が入っている部分は肛門です。
犬の肛門部左側に腫瘤があるのが分かります。肛門と腫瘤は2−3mmしか間はありませんでした。

下:手術後の肛門付近の写真 (うつ伏せでの保定)
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摘出した手術部位は、肛門に近いのを考慮して抜糸が必要のない方法を選択しました。

その後の病理組織検査では、大きかった右睾丸(精巣)はライデイヒ細胞腫でした。これは良性腫瘍で予後は良好です。また、肛門部にあった腫瘤は肛門周囲腺上皮腫でした。こちらも予後は良好です。

予想外だったのが・・・
ついでに去勢手術をした小さい方(正常な大きさ)の左睾丸(精巣)の病理組織検査結果で、睾丸の一部に初期のセルトリ細胞腫が見つかりました。これは悪性腫瘍です。但し、早期に切除されたため再発の可能性はあるものの良好に推移することが期待できるとの検査結果でした。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高齢猫の背中にできた皮膚腫瘤摘出手術

約10歳の雌猫(避妊済)が半年前から背中にしこりができ、ここ1か月の間に急激に大きくなってきたと連れてこられました。しこりはすでに4cm大の大きさにあっており、皮膚表面が一部自潰を起こしておりました。
血液検査、レントゲン検査で麻酔がかけれる状態を確認し後日、手術を実施しました。

下:麻酔後に毛を刈った後の画像
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手術では、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用してほとんど出血なしの短時間で終了しました。

下:摘出した腫瘤 
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猫の性格(入院治療が困難)を考慮してその日のうちに退院としました。
後日の病理組織検査では、充実性嚢胞性アポクリン導管腺腫という腫瘍でした。
これはアポクリン(汗)腺の導管由来の良性腫瘍です。以前は基底細胞腫として分類されていましたが、現在はアポクリン導管由来の腫瘍と考えられています。これは猫では一般的によく見られる腫瘍で外科手術による切除で治癒します。
posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野良猫の避妊(雌猫)手術の傷口に関して

野良猫の雌の避妊手術を行いました。
野良猫(雌)の避妊手術では、通常の避妊手術に比べてかなり小さい傷口で手術をおこなう必要があります。小さくする理由としたは次のような利点があります。
@傷口が小さければ傷のつきが良い。
A夏では、傷口が小さければ化膿の可能性が少ない。
B傷口が小さければ猫が傷口を気にするのが少なくなる。

また、飼育された猫と違い、抜糸に連れてくるのが出来ないので皮膚は吸収性の縫合糸を使用して抜糸の必要のない方法を選択します。

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上:野良猫の避妊手術の際の傷口 なるべく小さい傷口(約1cm〜1.5cm)で卵巣子宮全摘出術を行います。

左の耳にV字カットをして、猫は退院しました。
退院後に抗生物質の投薬もできないので、2週間持続して効果を発揮する抗生物質の注射をしました。
  
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

野良猫の去勢(雄猫)手術後の右耳のV字カット

野良猫の雄の去勢手術を行いました。
野良猫の雄の去勢手術では、一度去勢手術したのに別の方が手術していないと思い、動物病院に連れてくるケースが稀にあります。なかなか触るのが困難な猫もいて、捕獲檻や捕獲ネットで捕まえて動物病院に連れてきて初めて去勢済みだと分かる事もあります。
不必要に捕獲されて猫に余分なストレスを与えないために、耳にカットを入れれば、この猫は既に去勢済みだと外見で分かります。

野良猫の雌猫の避妊手術では、不必要な全身麻酔、開腹手術をしないように雌の野良ネコのでは、左の耳先端にV字カットを入れる決まりがあります。


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上:去勢手術後についでに右耳のV字カットして止血処理を施した後の患部のアップ写真

雄の野良ネコの去勢手術では、右の耳先端にV字カットを入れる決まりがあります。


野良猫で左右の耳の先端のどちらかがV字にカットしてあったら、去勢、避妊手術をされているんだと思ってください。また、右の耳だったら雄、左の耳だったら雌だと思ってください。


posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

出産予定の2週間前に行った猫の避妊手術

約2歳の雌猫、1か月ちょっと前に1日だけ外に出てしまい、最近お腹が大きいと来院。
レントゲン検査で、4匹の妊娠を確認しました。飼い主の方は、どうしてもこれ以上、猫を飼えないとの事だったので避妊手術を後日行う事にしました。

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上:入院して静脈点滴をしている猫。
前肢を持ち上げるとお腹が大きくなっているのが分かります。
各種血液検査 異常なし
各種ウィルス検査 異常なし
血液凝固検査 異常なし

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上:麻酔後、手術前の皮膚を消毒した後の写真。 
お腹が大きいのが分かります。

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上:妊娠子宮を腹腔から外に出した時の写真
なるべく傷口を小さくして子宮卵巣を摘出しました。

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上:翌日の午前 退院前の写真
手術は、特に問題なく終了しました。
posted by サム at 01:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする