3003年03月01日

注意:日時の表記に関して・・・



注意:日時の表記に関して ブログ上、どうしても日時解除できないので3000年1月1日から順次掲載しているだけです。順番だと理解してください。

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3003年01月01日

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外部寄生虫、糖尿病、血圧をまとめました。その下に病院内の症例を記載しています。
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10月の富士山

10月の富士山です。
夏だとほとんど雲で見えない日が多いようですが、10月頃からは日によって見える日が多くなるようです。

CIMG1699-thumbnail2.jpg

珍しく、雲一つなく快晴でした。

CIMG1706-thumbnail2.jpg

山梨側からの写真です。
posted by サム at 02:28| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

7月の浅間山

7月の浅間山です。
南軽井沢側からの写真、部屋の中からの撮影したものです。近くに川もあり川の音が響いて癒されます。

IMG_3863.jpg


画像を拡大したものです。

IMG_3862.jpg

活火山なので煙を出しています。
posted by サム at 02:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

とても大きな野鳥

とても大きな鳥が、我が物顔に.何時間もずーと居座っている。
近づいてもいっこうに動かない。
立った状態で1m以上。
場所は茨城の取手。

IMG_3949.jpg

IMG_3949.jpg

なんという名前の鳥でしょうか?











コウノトリでした。

近くの千葉県野田市にコウノトリ飼育施設があるそうです。
発信機を身に着けており位置情報は管理されているようです。
posted by サム at 02:24| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

注意:日時の表記に関して・・・(再度)



注意:日時の表記に関して ブログ上、どうしても日時解除できないので3000年1月1日から順次掲載しているだけです。順番だと理解してください。(2014年1月〜)



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△△△△△△△サム動物病院 内科、外科の治療例に関して△△△△△△△

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以下、内科と外科の治療例を簡単にまとめてみました。

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3002年08月01日

壊死を伴う猫の重度肛門腺破裂による皮膚裂傷による形成外科+肛門腺摘出術


13歳10か月 の猫がお尻付近が数日前からおかしいと連れて来られました。
すでに皮膚は壊死を起こしておりかなりの痛みを伴いました。
内科治療ではかなりの時間がかかるので手術をお勧めしました。

高齢なので血液検査、レントゲン検査で麻酔できるのを確認しました。


皮膚を剃毛した後の写真
Dscn0459.jpg


手術中の写真 肛門腺を摘出しているところの写真
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360度壊死した皮膚を切り取り、肛門腺を剥離分離して摘出しました。
術後は、痛み緩和のために長時間作用型の局所麻酔を施しました。


手術終了後の写真 
13912595349963.jpg

綺麗な状態の手術ではないので、漿液排出確認のためにドレインチューブを装着して手術終了としました。

手術翌日の午前に傷口から漿液排出は少量だったのでドレインチューブを除去しました。
その日の午後には退院としました。


抜糸後の写真
IMG_4344.jpg



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ウサギの卵巣子宮(死亡した胎児を含む)摘出


1歳4か月 雌のウサギが、昨日から食欲がないと連れて来られました。
BW2.65kg T40.1
発熱、元気消失でした。外陰部から尿なのか・・褐色のサラッとした液の排出がありました。

妊娠の可能性を聞くと雄は居るが一緒にさせてなく妊娠の可能性はないとの事でした。

念のために血液検査と腹部レントゲン検査を実施しました。

血液検査)GLU159 BUN36.2 CRE1.06 GOT91 GPT79 GGT1
WBC5200 RBC351 HGB7.7 HCT23.2

重度の貧血がありました。


レントゲン検査(下)
IM-0001-0001.jpg

レントゲン写真(下)右矢印拡大修正
IM-0001-0001.jpg

2つの矢印のところに胎児がいます。
右側の胎児の骨は一定に位置しておらず死亡の可能性。

レントゲン検査では、2匹の妊娠が確認しました。

問診では、そういえば一瞬だけ一緒になってしまったことがあったようです。

その後、超音波検査で子宮内の胎児は心臓が動いていないのを確認しました。

帝王切開ではなく卵巣・子宮摘出術を実施しました。


手術中の写真(下)
Dscn0431.jpg

卵巣子宮(死亡した胎児を含む)を摘出しました。


摘出した卵巣子宮体(下)
Dscn0445.jpg


その日のうちに退院としました。

翌日に通院して頂き、傷口と状態を確認しました。食欲も出てきて状態は良好でした。

1週間後経過観察、傷口は綺麗で状態は良好でした。

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上の門歯が上顎を貫通してしまったハムスターの不正工合


1歳10 か月 雄のハムスターの歯がおかしいと連れて来られました。
見ると上顎から歯が飛び出していました。

BW41g 3-4か月前から食事が食べずらそうで固いものは食べれないとの事でした。


処置する前の写真(下)
IMG_4310.jpg

非常に興奮しやすく高齢でちょっと触ると呼吸促拍でした。
顔の左から歯が飛び出していました。

口腔内の上顎の門歯を左右切りとりました。


摘出した上顎の2本の門歯(下)
IMG_4313.jpg

写真(上)の左の写真はハムスターの右側の門歯
こちらも貫通していませんが、上顎に突き刺さっていました。

写真(上)の右の写真はハムスターの左側の門歯
根元から約360度伸びて顔面を貫通して外に飛び出していました。

処置の際の出血も最小にすみ、抗生物質を処方しました。

その後は定期的に歯を切りに来院するよう説明をしました。
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182個以上あった犬の膀胱結石の症例


10歳齢 3.9kgのプードルが、外耳炎の治療で連れて来られました。
1週間前に血尿があったことをオーナーから言われたので腹部膀胱部分を触診をしたらかなりの数の結石があるのが分かりました。

その後、胸部腹部のレントゲン検査、血液検査、心電図検査、血圧測定を実施し、後日に膀胱結石除去の手術を実施しました。


レントゲン写真(下)腹部レントゲン写真
ABDOMEN LAT DOG T8.jpg

レントゲン写真(下)拡大像
ABDOMEN LAT DOG T8.jpg

膀胱内は結石だらけでした。何年にもかけて結石が形成されたんではないかと思われます。
それまでほとんど肉眼で分かるような血尿がなかったとの事でした。


手術中の写真(下)
Dscn0424.jpg

手術中の写真です。


摘出した膀胱結石(下)
Dscn0429.jpg

細かすぎる結石はカウントしなくて合計で182個の膀胱結石でした。
4kgぐらいの犬のサイズで、この結石の数はあまりないケースです。


手術後のレントゲン写真(下)
ABDOMEN LAT DOG W411.jpg

黒い矢印のあたりが膀胱の部分ですが、結石は無くなってるのが分かります。


後日の結石分析検査では、リン酸マグネシウム結石でした。
食事を変更して結石予防をしないとすぐに再び結石ができるので食事療法が必要です。
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2回のドレナージで良くなった猫の膿瘍

雑種猫雄(未去勢)が元気、食欲が無いと連れて来られました。

身体検査では、41.4度の発熱と尻尾と臀部が腫れあがっていました。
外に出て他の猫とよく喧嘩をするそうで喧嘩により皮膚内が化膿したものと判断しました。

血液検査では、生化学は異常なし ウィルス検査 猫白血病(ー)、FIVウィルス(疑陽性)でした。
膿を採取して細菌感受性検査に出しました。

その日入院させ、鎮静して(1)太いドレナージを壊死した皮膚の前後に装着して皮膚内の膿を排出、24時間で4回皮膚内の洗浄を繰り返しました。
次の日には、発熱もなくなり 元気も出てきたので、また、壊死した皮膚が延長するのを防ぐためすぐに全身麻酔で手術を実施しました。


入院して24時間後の麻酔下での写真
Dscn0411.jpg

麻酔後に前日装着したドレナージを取ったところの写真。前日に入院した時から尻尾下の皮膚は完全に黒く、皮膚が壊死を起こしているので早期に切除する必要があります。

上の拡大写真
Dscn0411.jpg


麻酔後に壊死した皮膚を切除しました。 *ノイズ90%加えて、セピア色にして画像を修整してあります。
Dscn0413.jpg

壊死した皮膚を切除して再び、消毒してから手術を実施しました。
肛門に近く、尾の根元を巻き込んでいました。


手術中の写真
DSCN0415.JPG

壊死した皮膚は切り取り360度正常な皮膚創に切り取りました。
筋肉も一部壊死しておりかなり深く膿は侵入していましたので500ml傷口内を再度洗浄して縫合しました。


手術後の写真
DSCN0417.JPG

縫合の際に、今度は(2)細いドレナージを傷口の前後に装着しました。

手術後、ドレナージから分泌物が出ていましたが約48時間後に分泌物(漿液)が出なくなったので2回目のドレナージを除去しました。
その日の午後に退院としました。
入院日数 3泊4日でした。


抜糸した後の写真
IMG_4273.jpg

綺麗に完治しました。
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肝不全、黄疸を併発した猫の糖尿病性ケトアシドーシスA


肝不全、黄疸を併発した猫の膵炎を併発した糖尿病性ケトアシドーシス

10歳1か月の雄猫が、嘔吐下痢と虚脱と数日食欲全くなしで連れて来られました。

来院時は、ぐったりしていて重篤な状態でした。体温も36.5度(正常が38−39度)と低体温でかるいショック状態でした。
すぐに圧迫排尿での尿検査をしたら、尿糖+++、ケトン+++でした。

次に血液検査を行いました。血液検査では、高血糖と肝不全と黄疸がありました。
当日院内血液検査:GLU442(正常値56-136) /GOT291 (正常値8-33)/GPT323(正常値11-50)/総ビリルビン 3.7(正常値0.1-0.5)
後日の検査センター依頼の検査結果:猫特異的膵リパーゼ検査は正常値で膵炎の併発はありませんでした。


すぐに血管確保して静脈点滴をしてまずは脱水の改善の治療を施しました。
数時間後に体温が正常値に戻り、多少動きが改善されてきたので、糖尿病ケトアシドーシス用のブドウ糖やカリウム、リンを含んだ点滴をインスリンとともに点滴開始しました。


食欲が無い状態での糖尿病ケトアシドーシスの状態
1)体の中でインスリンが少ない状態が続くと中性脂肪がケトン体という増悪物質に変わっていしまいケトアシドーシス(体が酸性に陥る状態)になってしまう。
2)ケトアシドーシス状態になると、食欲が無くなり食べれないと(食べて血糖値が上がる、インスリンで血糖値が下がるの体の調整ができなくなり)インスリンで血糖値のコントロールがより難しくなる。
3)ケトン体が体で増えてしまうと血液中の電解質バランス(ナトリウム、カリウム、リン、クロール)が減少してしまう。
4)カリウムやリンが減少すると体の中で血液が溶血してしまい貧血が起きてしまう。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療
1)最初は、脱水の改善にために十分に静脈点滴を行う。
2)点滴液の調整:頻回の血液検査をしながらインスリンや電解質液の微調整が1日2回は必要になる
3)膀胱炎が必ず起きるので抗生物質の投与は必要になる。
4)毎日、最低でも1日2回の血液検査は必要になる。
5)食欲が出てくるのには時間がかかる場合がある。

1週間の集中治療でなんとか改善して退院しました。
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3002年07月01日

猫のウィルス性白血病

2歳1か月の雑種猫が、1か月前から食欲、元気がないと連れて来られました。
他院での検査で、猫白血病ウィルス陽性猫だそうです。

身体検査では、体重 2.75kgでかなり痩せており、発熱(39.7度)がありました。

飼い主はあまり検査を望まず、最低限の検査しかできませんでした。
血液検査は血球検査とウィルス検査のみ、白血球は3000しかありませんでした。(正常 5500〜19500)
ウィルス検査では、猫白血病検査:陽性、猫免疫不全ウィルス:陰性でした。

レントゲン検査では、胸部にMASS病変がありました。

レントゲン写真(下)ラテラル像(横)
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レントゲン写真(下)DV像(縦)
IM-0001-0003 - コピー.jpg

肺は白く、肺野に腫瘍を思わせるMASS病変が散在し、若干の胸水もありました。
呼吸も悪く、入院をお勧めしましたが入院せずの治療を選択しました。

現状の猫の体力的なものも考慮して、抗生剤、免疫力を高め、白血球数を増やする薬、抗がん剤(週1回のみ)の投与を開始しました。

2週間後に来院、食欲は増加とのことでしたが、体重はあまり変化がありませんでした。
その後は、薬のみで来院(猫は連れて来ない)



初診から約2か月後、体重は2.75kgから3.4kgに増加し呼吸は改善していました。
その時ののレントゲン写真

レントゲン写真(下)ラテラル像(横)
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レントゲン写真(下)DV像(縦)
IM-0001-00015 - コピー.jpg



その後2か月後の診察では、さらに体重は増え3.7kgになっていました。
白血球も増えて、免疫も落ち着いているようです。

治療とともに猫が若く体力があったので治療効果があったのではないかと思われます。

現在、白血球は相変わらず少ない状態ですが、食欲、元気もあり白血球を増やす薬と週1回の化学療法剤(抗がん剤)は継続しています。
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犬の慢性リンパ性白血病

16歳8か月 プードルが、2日にわたり軽い痙攣があったと連れて来られました。

血液検査では、生化学検査では異常はありまんでした。血球検査で赤血球系は異常なしも白血球が82700(正常値:6000-17000)で白血球百分比では、リンパ球が全体の72%(正常値:15-40%)でした。また、リンパ芽球という通常では出現しないリンパ球が多数観察されました。
体表のリンパ節の大きさは正常でした。


血液塗抹標本の顕微鏡写真
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血液塗抹検査では、白血球は明らかに多く、通常は好中球よりもリンパ球の方が圧倒的におおく存在してました。
また、リンパ芽球ではないもののリンパ球は形態が通常よりもおかしいので検査センターに細胞診を依頼しました。


検査センターの血液塗抹の細胞診検査結果は慢性リンパ性白血病でした。
全身のレントゲン検査、超音波検査では特に異常なし。
脳のリンパ腫の可能性もありCT検査を勧めましたが、高齢なのでやらないことになりました。

白血球数があまりに多く、若干の貧血もあり化学療法剤を3週間おきに投与を開始しました。

化学療法投与後、若干あった貧血も正常値に戻りました。

現在、3週間おきの化学療法は2月現在で12回目を数え、現在経過良好、当初あった痙攣もなくなりました。
最近では、白血球数も当初は82700あったものが、15000前後。白血球百分比もほぼ正常で当初リンパ球が72%あったものが15パーセント前後でうまくコントロール(寛解)で来ていると思います。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の急性リンパ腫


11歳7か月 パピオンが他院で悪性リンパ腫だと診断されたと連れて来られました。
身体検査では左右の下顎リンパが大きく腫大していました。
そちらでは化学療法はしないようだったので来院したとの事でした。
細胞診検査を実施し検査センターに検査を依頼すると悪性リンパ腫でした。
その他、心臓に僧帽弁閉鎖不全症がありました。(5-6/6)

心臓病の治療とともに抗がん剤療法を開始しました。
多剤併用療法だと通院が大変なので3週間に一度の抗がん剤を最初5回はA剤を使用 6回目からはB剤の使用を予定しました。

人の化学療法とは違い動物では、高濃度の抗がん剤はリスクが高く低用量しか安全な治療法は確立されてなく完治すると言うよりは寛解になるようにする趣旨を説明しました。

*寛解とは治療を続けながら病気の症状がほぼ消失した状態。治療をやめると再発する可能性が高いもの。

それから3週間に一度、半日入院で化学療法を開始、1回目で下顎のリンパの腫大はなくなりました。

現在、3週間おきの化学療法は2月現在で約3年5か月経過抗がん剤療法も62回目を数え、現在経過良好、心臓病もうまくコントロールできています。


最近の胸部レントゲン写真
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ラテラル像(横)

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DV像(縦)

心臓肥大はあるものの、肺への転移もなくうまくコントロールできています。
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全身にできた12個の腫瘤摘出


5歳のヨーキが数カ月前から体のあちこちにシコリがあると連れて来られました。
痒みはなし、一部は破裂したこともあったそうです。
大きさは、25mm大、20mm大、15mm大、12mm大、その他は10mm前後でした。
オーナーの希望により手術で切除することになりました。
院内の細胞診と視診、触診では表皮嚢胞だと思われました。
体中には12個の腫瘤があり、9個は頸部背側から尾部背側にできて、3個は前肢の内側(脇の内側)にできていました。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認し後日、手術を実施しました。
手術後に内部の分泌物を細菌感受性検査をしましたが、陰性で内部に細菌はいないとの結果でした。

下:抜糸時の写真 黒い矢印が腫瘤のあった部位(手術前の写真は撮り忘れました)
IMG_4237.jpg

その後の病理組織検査では、漏斗部角化棘細胞腫と毛包峡部嚢胞でした。

漏斗部角化棘細胞腫(病理組織検査所見)
漏斗部角化棘細胞腫はよくみられる良性腫瘍で、毛包漏斗部が峡部に接合する部位から生じます。犬種によっては多発する場合があります。完全に切除することで治癒する病変です。

毛包峡部嚢胞(病理組織検査所見)
毛包峡部嚢胞は、毛包中間部(峡部)から発生する非腫瘍性病変です。これらの嚢胞は通常単房性ですが多房性のこともあります。病変破裂により続発性の炎症が生じ臨床的に突然腫大することがあります。完全切除が有効的です。稀にこのような嚢胞の多発が認められることがあります。

一般に・・
毛包嚢胞は皮下に嚢胞という袋状のものができ、そこに角質や皮脂がたまるものです。一部が破れていると、しこりを強くつまむと、中から灰色の老廃物が出てくる場合もあります。表皮嚢胞ができる犬は皮膚が厚い犬(シーズ、太ったテリア種、パグなど)に多発する傾向があり、同時に何個も見つかることがよくあります。当初は小さくて長い期間で徐々に大きくなりそれ自体で痛みが出ることもありません。しかし、より大きくなると違和感を覚えることがあります。また、大きくなりすぎて破裂すると周囲に激しい炎症が起こり、痛みが出ます。
基本的に嚢胞は手術で治癒(病理組織検査所見では治癒とありますが・・)しますが、体質的なもので発生するので再び嚢胞が形成される事が多いです。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猫ヘルペスウイルス(FHV-1)とマイコプラズマ・フェリス混合感染 (PCR検査)


3歳ぐらいの野良ネコが、食欲なし、元気なし、両目が空かないと連れて来られました。
入院希望だったので入院させて食欲が改善するまで預かることになりました。

涙目のわりにくしゃみが少なかったので、猫ヘルペスウイルスの単独感染だけではない可能性が考えられ、PCR検査を実施しました。

IMG_4199.jpg
PCR検査結果は、猫ヘルペスウイルス(FHV-1)とマイコプラズマ・フェリスが両方陽性でした。

一般的なペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がありません。

3日目より食欲も出てきました。





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猫のマイコプラズマ肺炎(PCR検査)1


生後2カ月齢のマルチカンス種の猫が鼻汁、くしゃみを主訴に連れて来られました。
約2週間前から飼育しているそうで、同居猫(9-10歳齢)の猫も数日前から同様の症状だったのでPCR検査を実施しました。

IMG_4229.jpg
PCR検査結果は、マイコプラズマ・フェリスが陽性でした。

猫のウィルス性鼻器管炎を予想して2日分の抗生剤処方したのですぐに中止してもらい抗生剤をマイコプラズマに効果がある薬に変更しました。

一般的なペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がありません。



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猫のマイコプラズマ肺炎(PCR検査)2


8歳齢のスフィンクス種の猫が咳を主訴に連れて来られました。
咳は、約1年前からあり寒くなると悪化したそうです。一度、咳をするとなかなか止まらないとの事だったのでPCR検査を実施しました。

IMG_4196 - コピー.jpg
PCR検査結果は、マイコプラズマ・フェリスが陽性でした。


猫のマイコプラズマの感染は、飛沫感染や接触感染により感染する場合があります。
飛沫感染とは、猫の咳やクシャミなどが飛び散り、病原体が口や鼻等の粘膜に直接触れて感染する事を言います。1〜2メートル以内の至近距離で感染してしまうそうです。

猫のマイコプラズマは人間には感染しないようです。マイコプラズマにはいろんな種類がありますので、人に感染するマイコプラズマの種類も存在します。ただし、猫に噛まれたことが原因で、マイコプラズマに感染してしまう場合もありますので注意してください。

一般的なペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がありません。

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3002年06月01日

猫のクラミドフィラ・フェリス感染症 (PCR検査)


5歳11か月の雑種猫が涙目で連れて来られました。
身体検査では、右目の瞬膜がやや充血のみで上下眼瞼には異常はありませんでした。
1か月前後その状態が継続していたのでPCR検査を実施しました。


PCR検査結果は、クラミドフィラ・フェリス感染症が陽性でした。
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クラミドフィラ・フェリス感染症とは・・
クラミドフィラ・フェリス感染症(猫クラミジア)はおもに子猫が最も感染しやすいです。感染は猫どうしで他の動物、人間には感染しません。
最も感染源となるのは目の分泌液です。通常、この病原体が排泄されるのは、感染後約60日間ですが、持続感染する可能性もあります。
潜伏期は2-3日で症状は片目から始まり両目に進行します。
一過性の発熱はあるものの短期間であり多くの猫の健康状態は良好であり食欲を維持し続けます。
一般的なペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果がありません。

治療は約4週間は必要です。
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猫のカリシウィルス感染症 (PCR検査)


約9歳の雑種猫が涙目、血尿、頻尿で連れて来られました。
身体検査では、左右の目が涙目で下眼瞼には異常はありませんでした。
その猫は、多頭飼育されていた場所から3か月前に来たそうで、以前から涙目はあるとのことでした。
膀胱炎の治療とともに、その状態が継続していたのでPCR検査を実施しました。

PCR検査結果は、カリシウィルス感染症が陽性でした。
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カリシウィルス感染症陽性以外にもクラミドフィラ・フェリスとマイコプラズマ・フェリスが陽性でした。

3つの感染症に効果がある薬の投薬と目薬を開始しました。


それから1週間後に15歳2カ月の同居猫が同じような症状になり連れて来られました。
こちらの猫もPCR検査を実施しました。

こちらの猫もPCR検査結果は、カリシウィルス感染症が陽性でした。
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カリシウィルス感染症陽性以外にもマイコプラズマ・フェリスが陽性でした。
こちらの猫も2つの感染症に効果がある薬の投薬と目薬を開始しました。

2匹とも経過良好だそうです。

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犬の下顎骨折

12歳9か月 プードル 雄

口の中から血が止まらないと連れて来られました。
非常に狂暴な犬で、口の中は観察させてくれませんでした。
止血剤投与しても一旦は止血するが、再び大量に出血が続くので、簡単な血液検査後にすぐに全身麻酔しました。
全身麻酔下でも圧迫止血しても局所に止血剤を塗布しても出血が止まらないので、出血部位をシーリングにてシールしてまずは出血を止めました。
その際に下顎を触診すると下顎が少しグラグラしていたので、麻酔下にてレントゲンを撮影すると下顎が骨折していました。

麻酔下でのレントゲン写真
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骨折部位に歯がありぐらつきもあったので、その歯を抜歯しました。
片側の下顎骨は異常なかったので保存療法を行いました。骨を強化する内服を毎日内服して貰いました。


その後1か月後のレントゲン写真 以下
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1か月後、痛みはあるものの食欲、元気はあるとのことでした。


その後、前回から2カ月(受傷後3か月後)のレントゲン写真
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体重も増え、食欲、元気もあり痛みもほとんどないとの事でした。
レントゲン上では、骨折部位は癒合しているようでした。
下顎の触診は犬の性格上できませんでしたが、ほとんど生活上は問題とのことでした。

今回の下顎骨折も年齢とともに骨密度が低下していたのも考えられ、また腰の変形性脊椎症もあるので骨を強化する薬はそのまま継続することになりました。
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犬の異物性膵炎(異物が膵臓の近くの小腸を通過する時に膵炎を誘発したと思われる例)

ジャックラッセルテリアが、3日前から嘔吐があり、昨日から嘔吐が頻回あると連れて来られました。


レントゲン検査 ラテラル像(横)
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レントゲン検査 DV像(縦)
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石らしきものが、腸に詰まっているのが分かりました。

血液検査では、炎症の検査 CRPが、20以上で測定不能のでした。(正常値は0−1)
また、膵臓の数値のリパーゼが、1000以上で測定不能でした。10倍希釈しての再検査では、1445でした。
また、脱水がかなりありました。

すぐに血管確保して1時間急速点滴⇒通常の速度 約2時間半点滴して手術を実施しました。


麻酔中、手術中の写真
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小腸に異物が詰まり動けないほど腸を圧迫していました。

麻酔中、手術中の写真
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詰まっていたものは石でした。
麻酔、手術は、30分程度ですぐに終了。麻酔中は、犬の状態は悪いらしく麻酔維持の麻酔濃度が、通常の半分以下のガスの濃度での維持麻酔でした。手術後の覚醒(麻酔から覚めること)は、維持麻酔を低濃度にしたのですぐに麻酔から覚醒しました。

手術後の経過は良好で、5日目には、CRPは0.95まで下がりました。リパーゼは、764とまだ高いものの食欲は旺盛でした。
膵臓の消化液の分泌が多いため食事制限と膵臓の薬を処方して退院となりました。

異物が膵臓の近くの小腸を通過するときに膵臓を痛めて膵炎が起きたのが予想されますが、そのような場合は膵臓の治療薬を投与してもなかなか下がりが悪い場合があります。今回のも膵臓の検査のリパーゼがなかなか下がらなかった以外は、順調な経過で退院となりました。

抜糸の時に来院した際に血液検査をしたら膵炎で上昇するリパーゼは正常値でした。
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犬の肥満細胞腫

ゴールデンレトリバーが、前肢のしこりがあると連れて来られました。
1年9か月前に同じ場所で肥満細胞腫の摘出手術をした既往歴があり小さいうちに来院しました。
最初の細胞診(1回目)では、異常所見なし(院内)
1週間後の細胞診(2回目)では、あきらかに肥満細胞と思われる異常細胞が細胞診でありました(院内)。
2回目の標本を検査センターに郵送してもやはり肥満細胞腫だったので小さいうちに摘出手術を実施しました。


麻酔後の患部の写真(下)
P1010004.jpg

手術後の患部の写真(下)
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前回の手術から1年9か月経過しているので再発なのか? 偶然に同じ部位にできたのかは不明。

病理組織検査では、腫瘤内の肥満細胞はほんのごく僅かでやっと病理で見つけられる程度の大きさだったそうです。
ほんの初期の肥満細胞腫だったそうです。


細胞診(院内)の顕微鏡写真
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細胞診(院内)の顕微鏡写真 拡大したもの
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肥満細胞腫の治療 法や予後 は、グレードによって異なります。一般的には、なるべく腫瘍が小さい時に手術で摘出すれば予後は良好な場合が多いようです。



肥満細胞腫とは・・

肥満細胞腫は悪性なので、基本は放置してよい腫瘍ではありません。早期切除 すれば完治るものが 多いですが、中には全身転移して命を脅かす悪性度 の高いもあり、一口に肥満細胞腫とってそ悪性度はいろいろです 。腫瘍の悪性度合いことを“グレード”といいますが、 肥満細胞腫はその悪性度により 3つの“グレード”に分類されます 。

❶グレード グレード グレード 1:最も悪性度が低い肥満細胞腫です。最も悪性度が低い肥満細胞腫です。大抵は皮膚の表面にき た 1p以下のしこりで、 周囲へ浸潤もあまないため簡単な手術で切除 すれば治ります。

❷グレード グレード グレード 2:中間くらいの悪性度肥満細胞腫です。中間くらいの悪性度肥満細胞腫です。大抵は体他部位 に転移することはなく、腫瘍のかたまりを完全取切れば治でが時々 に転移することはなく、腫瘍のかたまりを完全取切れば治でが時々 に転移することはなく、腫瘍のかたまりを完全取切れば治でが時々 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 付近のリンパ節や、おなか中臓器(脾・肝ど)全身皮膚に転 移することがありま。た、周囲の正常組織に浸潤め完全取切るためには、肉眼的なかまりだけでく周囲組織を広つて切除す必要があります 。

❸グレード グレード 3:最も悪性度の高い腫瘍です。 最も悪性度の高い腫瘍です。 成長早く、急速に進行します。最も悪性度の高い腫瘍です。 成長早く、急速に進行しま:最も悪性度の高い腫瘍です。 成長早く、急速に進行しま:最も悪性度の高い腫瘍です。 成長早く、急速に進行しま通常は診断時に、リンパ節やその他臓器転移していることが多く腫瘍を手術で切除しただけは根治に至りません。最もすのが難い肥満細胞腫です。


要するに早期発見、早期手術が基本です。
今回の症例は、以前に一度、肥満細胞腫の手術をしているので早期発見だったと思われます。



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猫の肥満細胞腫

11歳 猫 数年から顔に小さなシコリがあり、時々掻きこわして出血するのと主訴で連れて来られました。

下:患部の写真
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下:麻酔後、手術前の写真
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悪性腫瘍なのでマージン(切り取り)は極力、大きく摘出しました。


下:手術後の写真
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翌日、退院としました。

下:摘出した腫瘤
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その後の病理組織検査では悪性の肥満細胞腫でした。
肥満細胞腫は、ヒスタミンを分泌して痒みを起こすケースがあります。また、肥満細胞腫はヘパリンと言う物質を分泌して出血時の血液凝固を阻害するケースがあります。

手術後に顔面神経麻痺が起きて、手術した側の目が閉じなくなりましたが、抜糸後にすぐに麻痺は改善しました。
悪性なので極力、大きく摘出したので縫合糸の一部が顔面神経を圧迫していたのかも?
目は左右どちらが異常あるのか分からないほど改善しました。



猫の肥満細胞腫とは・・

猫の肥満細胞腫は、肥満細胞と呼ばれる細胞由来の悪性腫瘍です。
猫の場合、皮膚に発症する腫瘍として、2番目に多いです。
内臓に発生することも多く、脾臓と消化管に生じることが一般的です。

内臓の肥満細胞腫が原発で、皮膚にできているものが転移するケースもあります。
皮膚にできる肥満細胞腫を皮膚型肥満細胞腫、内臓にできる肥満細胞腫を内臓型肥満細胞腫といいます。

肥満細胞腫は、皮膚型肥満細胞腫は経過が良いものが多く、内臓型肥満細胞腫は経過が悪いものが多いです。リンパ節への転移の有無や遠隔転移の有無などにより、病期がステージ1〜4に分類されます。

肥満細胞腫は、その見た目もさまざまで、小さいものもあれば大きいものもあり、柔らかいものもあれば硬いものもあります。
また、急激に大きくなるものや、ほとんど大きさが変わらないものもあります。肥満細胞からは、ヒスタミンやヘパリンなど、血管に作用する物質が分泌される影響で、血管が拡張して血圧が下がったり、出血や浮腫などが起きたり、腸に潰瘍(かいよう)ができたりすることがあります。 また、皮膚だけにできた肥満細胞腫の場合、犬とは違い猫では良性の挙動をとるケースもあります。
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胃チューブで緊急処置をしたダックスフントの胃拡張の2例

胃拡張・胃捻転症候群とは・・

胃拡張・胃捻転症候群は突発性で命にかかわる緊急疾患であり、早期の診断と治療が重要である。
原因は、不明ですが大型犬とくに深胸犬に多発する傾向があります。
症状は、急性の腹囲が膨れる、吐物のない吐き気、流延、呼吸困難が多くで発症する。


今回、高齢のダックスフントで連続で連続で発症があったので記載しました。


症例1)ダックスフント 17歳1か月 雌 4.7kg

既往歴)
2カ月前に、左の第1、第2乳腺にシコリができ細胞診では腫瘍だと診断されなかったが、表面が赤く急に大きくなってきたので手術をおこなった。病理検査では、乳腺単純癌だった。その後の経過は良好。

急にお腹が膨れてきて嘔吐物がない嘔気を何回もして苦しそうだと時間外に来院。

その時のレントゲン検査:以下2枚
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無麻酔にて胃カテーテルを挿入して内容物を出し、胃内のガスを押し出した。24時間絶食、絶水。
その日は、内科的に点滴(補液)と嘔気が連続して空気を飲み込んでいるものと判断して制吐剤投与。
入院させるとストレスで改善しないと判断して帰宅、翌日診察を指示。


次の日のレントゲン写真:以下2枚
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胃腸内のガスと食物はほとんどなくなっていた。

一度、胃拡張を起こした犬は再び再発する場合が多いので、再発の可能性と食事再開は少量からと指示、消化器蠕動運動促進薬を処方。



症例2)ダックスフント 15歳6か月 雌 4.9kg 雄

急にお腹が膨れてきて嘔吐物がない嘔気を何回もして苦しそうだと来院。

その時のレントゲン写真:以下2枚
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1)同様に無麻酔で、胃チューブを挿入してガスと食物残渣を排出させた。

その後、数回の再発を繰り返し同様処置にて改善。毎回、胃捻転は起こさず胃拡張だけだった。


1)2)のようなケースは、緊急疾患なのでまずは内科的に胃からチューブを入れて内容物を排出させる必要があります。胃が捻転してチューブが入らない場合は、開腹手術を行う必要があるが、大型犬と違い、胃が捻転する可能性は少ないのでほとんどは内科治療で改善するケースが多いように思われる。
無麻酔で胃にチューブを入れる場合は、ある程度の経験とコツが必要。暴れる場合は、鎮静剤投与も必要だと思われるが、今までそのようなケースはありません。
また、外から針を刺してガスを抜く場合もあるが、症例2)では可能だが、症例1)では胃内容物の粘張り気が高く不可能だと思われます。また、2)のようなガスだけの場合でも皮膚から胃まで針を刺しても胃のガスが抜けると胃は位置を変えてしまい皮膚と胃を貫通した針位置が変わってしまい、抜かなくてはならず何回も穿刺する場合が多いです。それにチューブに比べて針の太さはあまりなく抜ける量にはかなりの違いがあります。


症例3)ダックス以外の犬種の例
  パグ 7歳4か月 14.3kg 去勢雄
  2時間前から泡を吐いていると連れて来られました。
  どう見ても太りすぎの犬。

  レントゲン検査 ラテラル像(横)
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  レントゲン検査 VD像(仰向け)
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  1)2)とは違い、VD像で左右の胃内にガスは溜まっていなかったので、また連れて来られた時点では、あまり症状が無かったのでガスを取る内服と胃腸を動かす注射を行い入院せずに自宅で管理、翌朝まで絶食絶水を指示しました。胃にチューブを入れる処置はしませんでした。
翌日、朝には症状は緩和されたそうでした。一気食いをするそうなので、食事の改善を指示しました。
その後は、再発はありませんでした。


 胃拡張を起こした症例でチューブを胃に挿入するケースは、高齢のダックスフントが多いように感じます。
 症例1)と症例2)はそうでした。症例2)は何回か繰り返しました。
 これは、ダックスの胸が深く年齢とともに胃内の内容物が十二指腸に流れにくいのがあるのかと思います。
 症例3)は、ダックスではないものの明らかに太りすぎなので内蔵脂肪が胃の動きを抑制していた可能性が大です。

 食後に、お腹が膨れるようなことが一度でもあったら早期の診断と早期の何かしらの対応が必要でしょう。

   
  
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3002年05月01日

肝不全、黄疸、膵炎を併発した猫の糖尿病性ケトアシドーシス


肝不全、黄疸、膵炎を併発した猫の膵炎を併発した糖尿病性ケトアシドーシス

初診、5歳の雄猫が、嘔吐と虚脱と数日食欲全くなしで連れて来られました。
前日に、他院で糖尿病と何か異物が腸に詰まっている可能性を指摘されたそうです。

来院時は、かなりぐったりして歩けなくかなり重篤な状態でした。
すぐに圧迫排尿での尿検査をしたら、尿糖+++、ケトン+++でした。

次に血液検査を行いました。血液検査では、高血糖と肝不全と黄疸がありました。
当日院内血液検査:GLU377(正常値56-136) /GOT271 (正常値8-33)/GPT564(正常値11-50)/総ビリルビン 3.8(正常値0.1-0.5)
後日の検査センター依頼の検査結果:猫特異的膵リパーゼ検査で7.2(正常値<3.6)で膵炎が併発しているのが分かりました。

単純レントゲンでは、特に異常ありませんでした。
通常横.jpg

まずは、肝臓の治療とインスリンを投与し、点滴はまずはアシドーシス(体液が酸性になっていること)のを改善するため塩基性輸液+グルコース(インスリンによる低血糖予防として)+カリウム剤の輸液を24時間点滴2日間行いました。

その後は、インスリン投与を継続するとともに電解質異常が続いていたので、その改善のためカリウムを正確に補正した生理食塩水+グルコースの24時間点滴に変更しました。

3日目の尿検査では、尿糖+++、ケトン++でした。
猫の状態はやや改善も食欲は全くなし。

ケトアシドーシスとは・・・
猫はインスリン不足からケトアシドーシスに陥りやすいようです。高血糖による浸透圧利尿で水分と電解質が失われてしまいます。さらに悪化すると脂肪が酸化することによってアセト酢酸、アセトンなどのケトン体が生じてしまいます。過剰なケトン体は、代謝性アシドーシス(体が酸性に傾いてしまう重篤な状態)、消化器症状、神経症状の原因となり糖尿病をさらに悪化させ悪循環を引き起こすものです。


4日目、肝機能が下がっており、尿中のケトンも低下しているにもかかわらず、また食欲もないのに嘔吐があるので造影検査を行いました。

レントゲン造影剤通過(1時間後)
1時間後横.jpg

レントゲン造影剤投与(2時間半)
2時間後横.jpg

造影剤投与1時間後と2時間半後であまり変化がありませんでした。造影剤が大腸に到達するのにかなりの時間がかかりました。

造影剤での胃腸の通過試験で造影剤の流れが悪く小腸がアコーディオンのように写り紐状異物の可能性と触診で一部に圧痛、急性膵炎にしては膵臓の数値が低く、ダンボールをよく食べていたなどの異物歴もあるようなので短時間、浅麻酔での試験開腹を行いました。


⇒結果:試験開腹では、異常は見つかりませんでした。
異物による腸閉塞などの可能性がないのが、はっきりしたので糖尿性ケトアシドーシスとそれに付随した膵炎と診断しました。
また、肝臓と膵臓は外見上は腫瘍などの異常はありませんでした。


5日PMから状態が改善し点滴を24時間点滴をやめ、日中の8時間点滴に変更しました。
6日目に食欲が少し出てきました。
6日目の尿検査では、尿糖+++、ケトンーで改善していました。
   血液検査で電解質バランスは正常値だったのでカリウムの補充は中止し通常の点滴に変更しました。
7日目に退院できる状態まで改善しました。
8日目、糖尿病、肝不全はコントロールはできているものの慢性膵炎からと思われる嘔吐が再びありインスリン投与とともに膵炎の治療を最優先しました。
9日目、経過良好。
10日目 退院となりました。

1週間後来院、食欲もかなりあり、嘔吐もなく体重も増え貧血も改善傾向(HCT 19⇒27 猫の平均値37)でした。今後は週1回来院して膵炎と貧血の治療とともにインスリンの量を決めていく治療になります。

慢性膵炎があるので、糖尿病のコントロールには注意が必要でしょう。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

19歳2カ月の猫の下顎皮膚にできた腫瘍摘出

19歳2カ月 初診 避妊雌 以前からある下顎の腫瘍が破裂して大量に出血したと連れて来られました。
血液検査、レントゲン検査で呼吸器に炎症があり興奮すると呼吸が悪かったので、1週間治療して手術を実施しました。


下:麻酔後、手術前の写真
DSCN0324.jpg

すでに腫瘍は破裂を起こしており、その部分は触らずに助手に鉗子で持ち上げながら切り取りました。



下:手術中も写真
DSCN0327.jpg

顔面の皮膚は非常に血管豊富で切開はラジオ波メスを、シーリングシステムにて凝固をしましたが、それでも出血が非常に多く止血作業に時間を要しました。


下:腫瘍を摘出後の写真
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黒い部分はシーリングシステムにて凝固止血した部分です。
手術後は、傷口から出血は僅かで術後経過良好でした。
術後、2日間、十分に点滴をし腎不全を予防しました。

無事に退院しました。
後日の病理組織検査では、アポクリン導管腺癌でした。
アポクリン導管腺癌はアポクリン汗腺の管由来の悪性腫瘍で発生は稀なようです。
転移、再発も含め、十分なデーターが無く経過観察には十分な注意が必要だそうです。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

約3年再発のない猫の乳癌の例

2017年11月 当時、12歳7か月 雌(1歳の時に避妊手術済)が右乳腺にしこりがあると連れて来られました。


仰向けでの全体写真(下)
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患部の拡大写真(下)
P1010003.jpg

細胞診の検査結果では、乳腺癌が強く疑われるとの検査結果でした。

後日、手術を実施しました。
猫の乳癌の手術では、ほとんど6か月から12カ月以内に再発するケースがほとんどです。
今回、ラジオ波メスとシーリングシステムを使い、ほとんど出血のない手術を実施しました。
大きく切除して出血させなければ再発する可能性も少なくなると思います。

手術中の写真
P1010005.JPG

最後乳腺は鼠径リンパもあり一番再発しやすいので大きく切除


手術で摘出後の患部
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手術で摘出した腫瘍+右側の全乳腺
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手術終了 縫合後の写真(下)
P1010019.JPG


手術後の病理組織検査では乳腺癌
コメントでは、悪性の乳腺腫瘍が検出されました。今回の腫瘍は、比較的小さいうちに切除されましたが猫の乳腺腫瘍は完全に切除された後でも再発転移を起こしやすい腫瘍です。経過観察が必要です。



その後に左側にもしこりができて手術を実施しました。

左側乳腺切除中の写真
P1010006.JPG


左側乳腺切除後の写真
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左側乳腺腫瘍摘出して縫合後の写真
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左側も右側同様に乳癌でした。


手術後、約2年半後の胸部レントゲン写真
IM-0002-0002.jpg

この時点では肺に転移した像はありませんでした。


2020年11月時点で約3年間経過しても乳癌の再発はありません。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする