2017年8月の美瑛

以下、今年8月の美瑛の風景です。

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立派な紋スズメバチの巣
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完全防御服でのスズメバチの駆除
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外部寄生虫、糖尿病、血圧をまとめました。その下に病院内の症例を記載しています。
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外部寄生虫(1)ノミに関して

ノミに関して

ノミは黒茶色の小さな虫です。一度、犬猫に寄生するとノミは、だいたい17日から26日間生存します。また、ノミは寄生すると吸血を開始し24時間以内に交尾します。そして、交尾をして24時間から36時間後に卵を毎日産みます。卵は犬猫の体から落ちて卵→蛹→ノミになり再び犬猫に寄生する生活環をとっています。
現在、日本では犬猫ともに猫ノミの感染がほとんどでしょう。また、ノミは人を刺すこともあるので注意が必要です。

ノミの拡大写真2.JPG

上:通常の写真
下:拡大加工した写真

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犬猫がノミの寄生を受けると以下の病気を起こすことがあるので注意をして下さい。
◎ノミアレルギー性皮膚炎とは
主に犬猫の背中を中心にした皮膚炎で非常に痒みがあります。ノミの唾液に対する犬猫のアレルギーと思われます。よって症状の発現に固体差があります。注意としては体質的にノミアレルギーのある犬猫は1匹のノミの感染でも皮膚炎を起こすことです。特に背中を中心にした部位に発疹が起こります。

◎条虫症(サナダムシ)とは
犬猫が毛を舐める時にノミを飲み込んでしまい感染します。ノミは瓜実条虫の中間宿主(媒介するもの)です。感染した犬猫のお尻から小さな虫が出ます。検便をしても瓜実条虫は虫卵を排出しないので感染を確認できません。小さな虫は1匹の瓜実条虫ではなく、その虫の体の一部(片節)がちぎれて出てきたものです。
大体は、便の表面や動物の肛門周辺にに小さな白い虫が動いていたと気づくケースが多いです。1〜2回の駆虫薬で簡単に駆虫できます。

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上写真は、メスのノミの透過標本の顕微鏡写真です。(上2枚の写真と同じノミ)
腹部に卵が何個があるのが分かります。
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外部寄生虫(2)ダニに関して (SFTS 重症熱性血小板減少症も記載)

ダニに関して
犬には以下の4タイプのダニが寄生します。

(1)マダニ
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マダニは下記の3種類のダニと大きく違う点としては、肉眼で見ることができるダニという点が大きく異なります。犬は、マダニが生息するエリアを散歩して感染します。
以前は、牛馬などのいる地方に犬を連れていき感染するケースが多かったように思えますが、最近では普通の住宅地域でも感染が見受けられます。原因としては森林の伐採などで野生のタヌキなどが住宅地域に入り込み、感染を拡大しているのではないかと思われます。ここら周辺では、明らかに以前に比べて感染エリアは拡大傾向にあるように思えます。

上写真のようにダニは動物に感染すると吸血して幼ダニ➡若ダニ➡成ダニとだんだんと大きくなり、一番大きくなると動物から落下して幼ダニを多数、自然界に放ちます。幼ダニは、散歩している犬の二酸化炭素に反応してジャンプして感染します。よって感染は頭部周囲が一番多い感染部位です。

最近では、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)という病原体が、ダニから人へに感染が問題になっています。
人での症状;ダニに刺されてから6日〜2週間程度で、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)など様々な症状を引き起こします。

2013年1月、国内初の人への確認されたマダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスは、人への感染が報告されていない京都府や東北、関東のマダニからもウイルスが確認されていることが、国立感染症研究所の調査で新たに分かりました。SFTSは、2013年1月に国内初の人への感染が確認されてから、これまでに西日本で52人の感染例が報告され、このうち21人が死亡したことがわかっています。国立感染症研究所のこれまでの調査では、人への感染が報告された県のほかに、報告されていない4県(和歌山・福井・山梨・静岡)のマダニからもウイルスが確認されているが、新たに京都府や東北、関東のマダニからも確認されたことがわかったそうです。
個人的には、ここ20年の国内でのダニの拡散傾向を考えると、人でのこの病気は散発的な発症例は今後も増えるのではないかと危惧されます。

犬へのダニ感染の予防は、フロントラインなど各種、ノミダニの外用薬で予防ができます。
犬についたダニを手で取ろうとして人へ感染した例もあります。
犬についたダニはフロントラインを外用すると48時間で駆除できるので素手でのダニへの接触はしない方が良いでしょう。
感染するリスクのある場合は、感染して使用よりも感染をさせない予防が重要です。


(2)耳の疥癬
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耳道にヒゼンダニ科のダニが寄生する事によって耳に痒みを起こす疾病です。
原因となるのはミミヒゼンダニで耳以外には生育できないとされ、一世代約3週間で増殖を繰り返します。
定期的な駆虫薬の投与が必要になります。
診断は、耳の汚れを顕微鏡で観察してダニの有無を見つける方法ですが、この方法では重度感染では発見できますが、軽度感染ではかなりのパーセントで感染を見落とします。できれば直接、耳の中を拡大したCCDの検耳鏡カメラで直接覗いて、ダニの有無を飼い主の方と一緒に見る法が唯一確実な検査診断法と言えます。

感染は、感染した動物との接触ですが、トリミングなどで感染するケースもあり使用した耳用の器具は毎回、熱湯消毒する必要があります。


(3)皮膚の疥癬
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体表の皮膚に寄生するヒゼンダニ科のダニによって極めて強い痒みを起こす疾病です。
原因となるのはセンコウヒゼンダニで感染した犬との接触で感染します。
このダニは耳疥癬、アカラスと違い人にも一時的に感染し発疹が生じて痒みを起こしますが、このダニはかなり高い宿主特異性をもつため人ではしばらくするとダニは免疫により死滅する。
(人:皮膚科ではダニが死滅する短期間、痒み止め、消炎剤などの痒み止めを使用するようです)

動物では、一度感染すると急速に増殖し強い痒みを起こすケースがほとんどですが、稀に経度の痒み、皮膚病変で抗生物質、痒み止めで一時的に改善し悪化と改善を繰り返し診断が遅れるケースも稀にあります。
外での飼育犬で、おとなしい野良猫との接触で感染、治癒、感染、治癒を繰り返した例もありました。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。


(4)アカラス(別名:毛包虫 別名:デモデックス)
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アカラスは、健康な幼犬でも偶然に発見される場合があります。これは1歳以内の幼犬では免疫システムが確立されてなく見つかるケースがありますが、特に痒みや皮膚病変がない場合は無治療の場合もあります。しかし感染犬が何かの原因で免疫不全状態になると脱毛、フケが多くなり二次的に細菌感染を受けて化膿炎症を伴う皮膚病となり重症化するとされています。
以前は別の皮膚病の合併症でアカラスが見つかるケースがありましたが、最近では稀にアカラス単独で四肢の慢性皮膚病、体幹部での慢性皮膚炎などもあります。治療には、ある種の内服薬をしばらく投与する必要があります。治療に数か月かかるケースがほとんどですが改善します。

甲状腺機能低下症など免疫低下で二次的にアカラス症になるケースもありホルモン検査も必要でしょう。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。
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犬猫の血圧計を新しいタイプ(犬猫専用血圧計)に買い換えました

2015年8月 犬猫専用の血圧計に買い換えました。

今までの血圧計と違い、この血圧計は測定の時に自動的に複数回の測定を行い、その複数回の数値を見て血圧を算定します。複数回の数値に違いがある場合は、検査結果をエラーと判定するのでより正確に検査ができます。
動物の場合、どうしても多少は動いてしまい測定値にバラツクが出てしまうので、今までの機械よりも正確に検査ができます。

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機械によって、また測定部位によって若干、測定値に違いがあるのでこれからいろいろと検査データーを積み重ねて臨床で応用したいと思います。
posted by サム at 04:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬猫の血圧測定

人では一般的に簡単に血圧の測定が行われておりいろいろな血圧測定器がありますが、それらの測定器は犬猫では使用できません。犬猫では特殊な測定器が必要ですが、諸外国に比べて一般的にあまり血圧測定は行われていないのが現状です。

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(参考)
実際は、犬猫でも手間暇をかければ人間同様に犬猫でも血圧の測定ができます。実際、動物用の血圧測定は機械メーカーにより値にバラツキがあり使える機械と使えない機械があります。普段から信頼のおける使い慣れた機種を毎回使用する必要があります。

犬では心臓疾患、慢性腎不全、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)、糖尿病などで、猫では甲状腺機能亢進症、心臓疾患、慢性腎不全などで高血圧になるケースがあります。ほとんどは何か別の病気により二次的に血圧上昇のケースがほとんどです。犬猫ともに肥満と高血圧は相関関係はないようです。

血圧測定の際は当院では、色々な点に注意をして行っています。

また、検査結果の解釈では正常値よりも若干高い場合は様子観察、正常値よりもかなり血圧が高いケースが何回かの測定で続く場合のみ異常値と判断します。

 *甲状腺亢進症で内服中(特に猫)に高血圧が発見されるケースが一番多くあります。
 *心臓病、腎不全での高血圧もあります。
 *心臓病で内服中にフラツキがあり血圧測定してみたら低血圧が見つかり血管拡張剤を除いた他の治療薬に変更したりするケースもあり定期的な血圧測定は人同様に動物でも必要です。

 高血圧の場合の治療に関しては、いきなり血圧降下剤は使用せずに安全な薬から効果のほどを見極めて徐々に薬のレベルを上げていくようにしています。

posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人の糖尿病と犬猫の糖尿病

最近、犬猫ともに心臓病、腎臓病とともに糖尿病が多くなってきていますので、 
人の糖尿病と犬猫の糖尿病に関しての簡単な話をさせて頂きます。参考にしてください。

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一般に糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されずに、血液中のブトウ糖(血糖)が多くなっている状態です。

 人の日本糖尿病学会では、人間の糖尿病を4つの種類に分類しています。その4つは、「T型糖尿病」「U型糖尿病」「特定の原因によるその他の糖尿病」「妊娠糖尿病」の4タイプです。
 人の糖尿病の多くは、U型糖尿病を指し全体の95%はこのタイプだと言われています。T型糖尿病は少なく、5%前後だと言われています。他の2タイプはそれよりも少ないようです。
T型糖尿病では、若年層での発症が多く、急激に発症し痩せている人が多いようです。
U型糖尿病では、中年層での発症が多く、徐々に発症し肥満体形の人が多いようです。
T型糖尿病は、遺伝的な原因が主なようですが、U型糖尿病は、いわゆる生活習慣病で発症するようです。
 生活習慣病は、遺伝的な要因もありますが、食生活や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどが深く関わっているようです。注意しましょう。

 さて人の糖尿病と比較して犬猫の糖尿病は、どう違うのか?

 
犬では・・・ 
犬では、人の糖尿病とは違って95%がT型糖尿病だと言われています。要するに遺伝的に糖尿病になりやすい素因がすでにあり発症してしまうようです。
 1型糖尿病とはインスリンを分泌される膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞が破壊されて起こる糖尿病です。T型糖尿病の多くは、自己免疫(自分の免疫細胞が自らの組織を攻撃する)によって膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞が破壊されて糖尿病になってしまうようです。

猫では・・・ 
猫では、犬の糖尿病とは違い人に近い糖尿病です。猫では、約80%がU型糖尿病だと言われています。肥満体型の猫では糖尿病で発症するリスクが高くなるようです。
以前に肥満があり、少しずつ痩せてきて体重がかなり減少してから来院するケースがあります。
犬では、異常に多飲(多く水を飲む)のがおかしいとの主訴で早期に来院するケースが多いようですが、猫では水を飲むのが不規則なのか多飲が主訴で来院するケースは少なく、こちらから問診して「そういえば最近は、水を飲むのが多いかも?」と聴取されます。それらの理由で猫では来院が遅れがちです。肥満体のうちからインスリンを始められれば良いのですが、すでに糖尿病が長期に続いて体重もかなり減少してしまってからインスリンでコントロールする場合、管理が難しいケースがあります。
 *人では、T型は急に発症、U型は徐々に発症します。猫に多いU型糖尿病は、T型糖尿病に比べて人同様に徐々に発症するので来院が遅れてしまうのかもしれません。
 

 犬と猫の糖尿病の違い・・・
 ・犬では糖尿病性の白内障で目が見えなくなることが非常に多いです。要するに犬ではなるべく正確なインスリン量を注射する必要があります。高血糖状態が続くと、犬ではたった1日で急に目が見えなくなると言われています。よって過去2〜3週間の血糖を検査できるフルクトサミンや過去1〜2か月の血糖を検査できる糖化ヘモグロビンを数か月おきに定期的に検査をしてインスリンの量を調節する必要があります。
 
 
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△△△△△△△サム動物病院 内科、外科の治療例に関して△△△△△△△

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以下、内科と外科の治療例をまとめてみました。

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3001年08月01日

犬の膵炎と脾臓腫瘤の併発症

14歳1か月 雄 ジャック・ラッセルテリア

1週間前からの食欲廃絶と元気消失、嘔吐で連れて来られました。

血液検査、レントゲン検査、エコー検査で膵炎と脾臓に腫瘤があるのが確認されました。
血液検査では、膵臓酵素の上昇(測定不能)(犬膵特異的リパーゼも著増)と炎症の数値の上昇(測定不能)が確認でき入院治療を行いました。
膵炎に関しては、4日間入院でその後、退院としました。その後、膵臓に関しては臨床症状など改善傾向がありましたが、炎症の数値は完全には正常値にはなりませんでした。炎症の数値の上昇は、膵臓だけではなく脾臓にある腫瘤も関連があると考えました。
また、今回の調子が悪いのは膵炎がメインだと考え、膵炎の治療だけを行い、脾臓の腫瘤に関しては調子の良いところで開腹手術をお勧めしました。

下:レントゲンで脾臓の形が変形しているのが分かります。
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退院して約2週間後に元気、食欲もあるようなので試験開腹手術を実施しました。

下:手術当日の超音波検査の画像 全体の黒く抜けている楕円形が脾臓にできた腫瘤
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大きさが、4cm大のしこりが脾臓の尾側側にありシコリには何か液体貯留を疑わせる像です。
カラードップラーでは血流はそれほど多くはなく脾臓に強い炎症があるように思われます。
手術当日の血液検査でも炎症の数値は内科治療をしているにもかかわらず継続して高い数値 CRP18 (正常値1以下) を示していました。

下:手術中の写真 脾臓の裏側
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脾臓の裏に大きなシコリがあり破裂寸前でした。

脾臓は血管豊富な臓器です。脾臓にこのような大きなシコリがある場合、発見が遅れると腹腔内で破裂して大量出血して突然死する可能性が高かったと思われます。

下:手術中の写真 脾臓の表面
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脾臓の表のシコリは過去に小さく穿孔したのか、シコリに腹膜が大きく癒着していました。(画面右側)

下:摘出した脾臓腫瘤の拡大写真
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手術後、翌日に退院としました。
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猫の大きな卵巣に水腫が生じた例

7歳の雌猫が発情を繰り返すと連れて来られました。
血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認して後日、卵巣子宮摘出術をすることになりました。

下:手術中の写真
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ある程度の卵巣の水腫を予想していましたが、猫にしてはかなり巨大になり水腫は破裂寸前でした。

下:手術で摘出した右側の卵巣と水腫の写真
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その後の病理組織検査では、卵巣嚢胞との結果でした。卵巣の嚢胞は非腫瘍性病変で予後は良好です。
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1個の結石で再発を繰り返した雄ネコの尿路閉塞症

7歳の去勢雄猫が尿が出ないと連れて来られました。
排尿できなく急性腎不全に陥っており3日間入院して点滴とペニスより導尿留置処置を行いました。
カテーテル導尿する前のエコー検査では3mm前後の結石が1個と1mm以下の小さな結石が多数ありました。
3日間、静脈点滴と導尿カテーテル留置により腎機能は正常に戻りました。

その後、退院しましたが数日後、再びは排尿困難で来院。今回は、カテーテル留置前にエコー検査は行わずに導尿処置を行い4日間同様処置を行いました。また、膀胱内の3mmの結石は今回は手術は行わず小さくなるのを待つことにしました。

そのあと、3週間ぐらいは経過良好でしたが再び尿がでないと連れて来られました。
前回同様にペニスよりカテーテルを導尿留置、静脈点滴をしました。導尿後の超音波検査では、前回あった膀胱内の3mm程度の結石はなくなっていました。入院中に毎日超音波検査を行っていましたが尿道カテーテル装着後も膀胱内の3mm程度の結石はありませんでした。

入院4日目に超音波検査を実施するとなんと、再び膀胱内に結石が1個ありました。大きさは同じ3mm程度!

下:レントゲン検査で膀胱内の結石1個が発見された画像
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今回の排尿困難は1個の結石が原因だと考え、翌日に手術で膀胱内の結石を除去することにしました。

次の日に手術前に超音波検査を実施すると膀胱内の結石は再び姿を消して膀胱内にはありませんでした。ペニスから膀胱までカテーテルが入っているにもかかわらず尿道に移動していました。

下:カテーテルが入っているにもかかわらず尿道内に移動した膀胱結石
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下:拡大写真(上と同じ写真)
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*矢印(結石1個)の下の白いものは他院で行われた去勢の後の(金属製)縫合糸

手術前にカテーテルを引き抜きペニス側から水圧で尿道内の結石を膀胱に押し戻して膀胱切開で1個の結石を摘出しました。

下:膀胱に尿道用内視鏡を入れて(膀胱内にあるカテーテルを抜きながら)逆行性に進められるだけ尿道の異常を確認している動画


下:膀胱に小切開をした画像
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膀胱に小切開をしてピンセットで膀胱内の結石を除去した。

下:カテーテルがあるにもかかわらず尿道に移動した膀胱結石
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カット綿に対してこの大きさ、かなり小さい結石です。

下:上の写真を拡大したもの
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考察)
1個の数ミリの結石でも大きさが尿道の太さと合致すると膀胱からペニスの間の尿道に完全に詰まり尿閉(力んでも排尿できない状態)に陥ったようです。
ペニスから膀胱まで尿道カテーテルを入れていると通常は膀胱内の結石は尿道に入り込まないものと理解していましたが、この症例ではカテーテルがあっても尿道に結石は移動するようでした。
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犬の子宮水腫の症例

ダックスフント 雌

他の疾患で各種検査を実施したら偶然に子宮水腫が発見されました。子宮蓄膿症では、元気消失、食欲減退などの症状が起きますが、水腫では子宮内で炎症はなくエコー検査でも液体はサラサラしており、血液検査でも炎症の数値はまったく上昇していませんでした。
今後、子宮が徐々に大きくなり破裂の可能性、また過去にそのままにしていたら子宮蓄膿症になった例もあり2週間以内の手術をお勧めしました。

下:手術中の写真 約2週間後に手術を実施しました。
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子宮はある程度大きくなっていましたが、手術後の状態は問題ありませんでした。

下:子宮を穿刺したシリンジの写真
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穿刺すると液体は無色透明でした。やはり子宮水腫でした。
手術翌日に退院しました。
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メス犬の巨大膀胱腫瘍の摘出

11歳3か月 6.2kg 避妊メス 偶然に他の疾患で各種検査を実施したら膀胱の前方(頭側)に巨大な腫瘤がありました。血液検査では、貧血、炎症、腎機能に異常はありませんでした。症状としては、数ヶ月前から頻尿がありましたが血尿はなくその症状での診察はありませんでした。

下:レントゲンCR画像 ラテラル像(横向き)
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腹部に大きな腫瘤があるのが分かります。膀胱の前方にあります。
超音波では、膀胱内部の粘膜層には異常はありませんでした。膀胱に隣接するように腫瘤はありました。

その後、検査センターでCT検査をして頂きました。

下:造影CT検査 緑色の大きいのが腹部にある腫瘤
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検査センターのCT検査では膀胱の頭側側に巨大腫瘤があり腫瘤は結腸、膀胱、小腸、脾臓、腹膜と接しているが境界は比較的明瞭であるとの所見でした。また腫瘤は左右の尿管に隣接しており手術の際には注意が必要との所見でした。

下:腫瘤に癒着した脾臓、腸間膜を剥離して腫瘤と膀胱を腹腔から外に出した写真
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下の左右の矢印は膀胱部分です。その他大きい部分は腫瘤です。当初、腫瘤に膀胱が取り巻くように癒着していると思っていましたが、膀胱の一部が腫瘍化したものでした。よって腫瘤摘出により膀胱には大きな欠損(開口)部分ができてしまいました。

下:膀胱にできた腫瘤を摘出した後の膀胱の写真
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左側の上下の矢印は膀胱に繋がる左右の尿管です。 CT検査では腫瘤は左右尿管を巻き込んでいないのを事前に分かっていましたが、CTでは膀胱腫瘍だとは分かりませんでした。(検査センター所見)
膀胱の写真の右側は手術で膀胱の一部が無くなり開口しています。

下:腫瘤摘出で開口した膀胱を再建しているところの写真
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その後の経過は良好でした。
翌日、元気食欲はあり、血液検査では異常ありませんでした。

膀胱にできる腫瘍は一般的に悪性度の高い移行上皮癌が多いのですが、今回の症例には血尿などの症状はなく頻尿のみが数か月続いていました。手術後に残存した膀胱の粘膜には肉眼的に異常はなく、粘膜に広がるように異常が生じる移行上皮癌ではなく筋膜固有層に生じる平滑筋肉腫ではないかと予想されました。

下:摘出した膀胱腫瘍 ホルマリン漬けにして翌日に撮影したもの
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病理組織検査に郵送するためホルマリンに1日漬けて半分に切って郵送しました。

病理組織検査では、やはり平滑筋肉腫でした。高分化型平滑筋肉腫との所見でした。
再発予防のため抗がん剤療法をお勧めしました。
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予防的に片側乳腺全摘出術を行った雌犬の例

13歳半 雌のダックスフント

約9か月前に乳腺腫瘍で左側の乳腺+腫瘍を摘出している 病理組織検査では第5乳腺付近のシコリが一部、低悪性度だった。その他は良性乳腺腫だった。
約7か月前に子宮蓄膿症で卵巣子宮を摘出。

今回、第5乳腺のあった場所(既に左側の乳腺は全て摘出されており無い)よりも下方向の部位に乳腺腫瘍再発した。事前の細胞診では乳腺癌の可能性ありとの結果。
今回、その部位を拡大手術するついでに右側の異常のない乳腺(1〜5乳腺)が今後、乳腺腫瘍や乳癌の発生の可能性を考えて予防的に右側片側乳腺全摘出を実施した。

手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを使用することで時間短縮して約60分程度で終了した。
高齢のではあったが麻酔時間短縮で麻酔の覚醒は非常に良かった。またシーリングシステムを使用した
事で患部の痛みはほとんどないようだった。

下:手術後の患部の写真
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手術翌日に退院しました。
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高齢犬の大きな鼠径ヘルニア

13歳半 チワワ 雌 以前から鼠径ヘルニアがあり最近大きくなってきたと連れて来られました。

下:レントゲンCR検査 腹部に大きなヘルニアがあるのが分かります。
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今後、膀胱が飛び出すと緊急疾患になる可能性もあり手術を勧めました。
ヘルニアはかなり大きいですが、癒着はないようで圧迫するとヘルニア内容は腹部に戻すことができる状態でした。

下:手術中の写真
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ヘルニア嚢を腹腔に戻しヘルニア門を確認し、ヘルニアの中央に糸を通し持ち上げているところの画像。


上:ヘルニアすべてを縫合で閉じたところの写真
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ヘルニア内容物は大きかったですが、すべて腹腔内に戻すことができ癒着もなく手術は難しくはありませんでした。

下:皮膚縫合後の写真
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傷口も小さくすることができました。

手術後に低酸素でしばらく酸素吸入 その後2時間ぐらいICUに入れましたが、その後の経過は良く翌日に退院としました。
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3001年07月01日

15歳 高齢犬の膝内側にできた腫瘤摘出

雑種犬 15歳 以前からある後足内側のしこりが最近大きくなり表面から分泌物が出ると連れてこられました。

分泌物の細胞診では、好中球(炎症細胞)と多数の球菌が存在していました。
内科治療で一時的に改善しても腫瘤はそのまま存在するので再び炎症性の分泌物が排出される可能性があり手術をお勧めしました。

下:麻酔後手術前の写真
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腫瘤の一部に穴があきそこから分泌物がでている画像

下:摘出した腫瘤
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犬は慢性のアレルギー性皮膚疾患があり皮膚は全体にわたり厚く、脂漏ぎみなので皮膚の癒合はかなり悪いのは今後、予想されました。
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犬の後眼窩膿瘍の例

15歳半 ヨーキ 右目の下に穴が開いていると連れて来られました。

当初は内科的な治療を繰り返しある程度、改善しましたが完治には至らず麻酔にて抜歯を行いました。

下:麻酔下での患部の写真 
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抜歯をすると歯根部には膿が溜まっていました。歯根部は洗浄を行いました。

下:目の下の膿が出ていた部分
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ちょうど歯の延長線の目の下に部分には大きなカサブタがありました。そのカサブタを取ると上のような状態で皮膚には穴が空いていました。

下:抜歯した歯の写真
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抜歯した歯は臼歯といい歯の根元は3本あります。1本の根元がかなり太い犬だったので膿が溜まりやすい解剖上の理由があったのかもしれません。
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犬で犬歯の乳歯が2本あった(過剰乳歯の)例

プードル オス 6か月

上顎の犬歯(永久歯)の後ろに乳歯の犬歯が2本あり去勢手術のついでに抜歯も行いました。
人では、永久歯が通常よりも多い場合は過剰歯と言うようです。今回のは乳歯なので過剰乳歯とでも言うのでしょうか?

下:麻酔下での乳歯の写真 矢印が乳歯2本の部位です
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麻酔下で抜歯をすると2本の乳歯はくっ付いていました。
歯の根元も2本に分かれていて乳歯は確かに2本ありました。

下:抜歯した乳歯2本
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上顎の反対側と下顎の2本の犬歯はすでに乳歯は無く、その部位だけ2本の乳歯がある状態でした。
犬猫では乳歯が2本あるのは稀な例だと思われます。
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犬で腹壁ヘルニアと思われたが・・・の例

1歳半のポメラニアン(避妊済み)が臍の左側に膨らみがあると連れて来られました。
様子見でも少しずつ大きくなってきているようだったので手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の写真
P10100702.jpg

手術では、シコリのほとんどは脂肪でした。ヘルニアと思われる穴は触診では確認できませんでした。

下:手術中の写真
P1010005.JPG

単なる脂肪の塊りなのか? 脂肪腫なのか? ヘルニアから腹腔中の脂肪がでてその後癒合したのか?
摘出した脂肪は一応、病理組織検査に出しました。

病理組織検査では、良性の脂肪腫でした。若い犬ではたまにこのような例があるそうです。
再発する場合もありますが、極まれで予後は良好だそうです。
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12歳 高齢猫の口の痛み

12歳以上 過去にノラだった猫が口の痛みで連れて来られました。

口の周辺を触ると非常に痛がり口の中は良く観察できませんでしたが、体を触るとそんなに怒らないのに口周辺を触るとかなり痛がりました。ピンセットでおおざっぱに口内をチェックすると右上顎の臼歯に異常がありました。

各種血液検査(血球、生化学、血液凝固、ウィルス)で異常なしを確認して麻酔にて歯の処置を行いました。
レントゲン検査は性格上できないので麻酔したところで撮影する事にしました。

下:麻酔後に撮影したレントゲンCR写真
IM-0001-1001.jpg

レントゲン画像では、上顎臼歯は変位を起こしていました。また、上顎骨、下顎骨には異常はありませんでした。

下:麻酔中、抜歯した後の画像
P1010001.jpg

麻酔して口内を確認する右上顎の臼歯と左下顎の臼歯の2本が歯の根本で虫歯になっており抜歯を行いました。
尚。猫の臼歯の抜歯は根本が3本で歯自体が弱いので用手で行うと全て抜歯できない場合があうので高速回転の歯科用ドリルを用いて抜歯を行いました、抜歯した後の歯肉はレーザー照射で焼烙処置を行いました。
その日のうちに退院としました。
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15歳 ヨーキ 子宮蓄膿症

15歳 ヨーキが4日前から食欲が全くないと連れて来られました。

BW1.9kg 血液検査で、強い炎症(CRP 20以上測定不能)と腎機能の軽度上昇がありました。

子宮蓄膿症では、手術後に急性腎不全になるケースがあります。これは子宮の中に膿が溜まる病気で、その膿の中の細菌が全身に回り引き起こされると思われます。よって十分な点滴が必要になります。
手術は麻酔量を少なくし、30分の麻酔時間で手術を終了しました。

下:手術中の写真 開腹して卵巣子宮を外に出したところの写真
P1010032.JPG

1日2回 腎機能をチェックし、2日間、入院治療をしてその後は通院退院としました。
その後、少しずつ元気、食欲は改善してきました。
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15歳の猫の胸部皮膚脇に生じた線維肉腫

15歳 メス 脇腹にシコリがあると連れて来られました。

見ると右脇腹に25mm 大のドーム型をしたシコリがありました。腫瘤の中央は自壊していました。
なかなか猫を連れて来れないとの事だったのと自壊していたので、その日に血液検査、レントゲン検査を実施して麻酔できる事を確認し入院させました。

下:レントゲンCR画像 画像左は頭側 右は尾側です 矢印が脇腹にあるシコリ
IM-0001-2002.jpg

レントゲンCRでもはっきりとシコリは写り、硬いシコリなのが分かります。

下:麻酔中の患部の写真 シコリ中央は陥没し表面は赤みを帯びていました。
P1010002.JPG

次の日に手術を実施しました。通常は細胞診の結果を待って手術をしますが、検査結果に1週間程度かかりその間に自分で後ろ足で掻いて出血する可能性もあり、細胞診なしで手術を行いました。
手術では腫瘤の周囲、下方とも血管はほとんどなく出血させずに摘出できました。

下:摘出した腫瘤
P1010011.JPG

下:手術中の患部の写真
P1010009.JPG

手術翌日、入院して2日目に退院としました。

その後の病理組織検査では、線維肉腫でした。線維肉腫はワクチンした後にできることが多い腫瘍ですが、今回の症例はワクチン誘発性ではないようです。この腫瘍は犬猫ともに、高い局所再発能があり2か月から9か月で再発すると言われています。ワクチン誘発性の場合は転移するケースもあるようです。
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乳腺腫瘍(炎症性乳癌疑い)の症例

13歳半 ダックス 雌の第3乳腺全体がここ1か月で急に大きくなってきたと連れて来られました。

9か月前に第一乳腺数mmのしこりと第5乳腺に数cmの小さなシコリがあり、第1乳腺と第4乳腺+第5乳腺を摘出手術を行いました。高齢なので片側全摘出は行いませんでした。 
第1乳腺は良性、第5乳腺は低悪性で予後良好との結果でした。その時には第3乳腺には異常なしこりはありませんでした。

今回は第3乳腺全体がここ数週間で急速に大きくなってきたようでした。第2乳腺はしこりなし。
細胞診検査を行うと乳腺癌の可能性ありとの検査結果だったので、すぐに残りの2,3乳腺を摘出手術を行いました。

下:麻酔後、患部の写真
P1010033.JPG

第3乳腺は赤く、炎症性乳癌の可能性も考えてすぐに手術を行いました。多少の痛みもありました。
手術は、ラジオ波メス、シーリングシステムを用いて癌細胞が拡散しないよう出血をさせない事に注意してなるべく大きく患部を摘出しました。

下:摘出した乳腺
P1010040.JPG

大きく深く、出血させないで手術を実施しました。手術部位のしこりの回りや下方では思っていたよりも血管は多くはなかった(脈管浸潤は少ない)ように感じました。

下:手術後、患部の写真
P1010045.JPG

手術はシーリングシステムを用いて血管結紮はないので患部の痛みはほとんどありません。
手術前は若干、痛みのためか食欲が低下していましたが、手術後は痛みが無くなったためか食欲は改善しました。手術の翌々日に退院しました。
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3001年06月01日

前肢の前腕の内側(肘の内側)にできた腫瘤

6歳 マルチーズ 前腕肘(ひじ)内側(医学用語:肘窩)に2か所しこりがあると連れて来られました。

触診では非常に柔らかく脂肪のような感じでした。細胞診の検査を実施すると後日、脂肪腫との診断でした。
良性の腫瘍なので高齢犬では手術をしないケースがほとんどです。しかしまだ6歳なので今後、腫瘤が大きくなり腕の曲げに支障が起きる可能性もあり、手術をするかどうかは飼い主の方の判断になりました。

1か月後、腫瘤が若干大きくなっているとの主訴で来院、手術を希望するとの事で後日、手術を実施しました。
麻酔前の血液検査、レントゲン検査では異常ありませんでした。

下:麻酔下、手術前の写真
P1010033.jpg

手術は血管を避けてデリケートな手術になりました。

下:麻酔下、手術後の写真
P1010044.jpg

内側のしこりは1個だと思われましたが、手術ではシコリが2個あり摘出手術を実施しました。
外側のしこりの1個も摘出手術を実施しました。

手術後に患部の若干の腫脹はありましたが、歩行は正常でした。

その後の病理組織検査では、細胞診同様に3つのシコリは全て良性の脂肪腫でした。
稀に同じ部位に脂肪腫が多数できるケースがあいます。今回は犬が若いのと皮膚の可動性がある部位なので手術で摘出手術をしました。
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膝蓋骨の外側脱臼の手術

ダックスフント 1歳

以前から後肢の膝蓋骨膝蓋骨が両側にありました。膝蓋骨脱臼は外側に脱臼するタイプでした。特に右足の膝蓋骨が約45度も外側に変位しており正常部分にまったく戻らない状態でした。それでも犬は1回だけ痛みがあったのみで生活に問題はありませんでしたが、膝蓋骨の脱臼のせいなのか足根関節も少し湾曲し特に右側のがに股が大きいようなので右足だけ手術を行いました。

下:麻酔下で手術中の写真 滑車溝形成術
P1010041.JPG

小型犬では、通常はほとんどが膝蓋骨の内方脱臼です。今回の症例は膝蓋骨の外方脱臼ですが、通常の内方脱臼と同じ3種類の手術法を用いて手術を実施しました。

下:手術後の患部の写真
P1010045.JPG

手術後に退院時にはほとんど痛みはありませんでした。
抜糸の時も痛みは全くなく、診察室を歩かせると飛び跳ねていました。

小型犬では、膝蓋骨脱臼は多少なりとも多くの小型犬ではあるものです。
膝蓋骨脱臼があるからすぐに手術を行うような傾向が今の獣医療にありますが、多少の脱臼ならば一生涯、まったく問題のないケースも多く見受けられます。継続した痛みがあったり、今回のように脱臼の変位が大きい場合は手術をした方がいいと思いますが、全ての膝蓋骨脱臼 = 手術ではありません。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大型犬の前肢皮膚の重度裂傷

8歳 ラブラドールレトリバーが前肢の重度、裂傷で連れて来られました。皮膚は Uの字に裂けており真ん中の皮膚は壊死を起こしていました。
血液検査では、中程度貧血、炎症の数値が中程度上昇以外はその他に異常はありませんでした。レントゲン検査でも異常はなく、その日のうちに手術を実施しました。

下:患部の写真 真ん中の裂傷皮膚をピンセットで持ち上げたところの画像
Cimg16555.jpg

写真で見たとおり皮膚の裂傷はひどく、分泌液が大量に出ており筋肉の血色は非常に悪い状態でした。その日の午前に患部を徹底的に何回も消毒を繰り返しました。

下:手術後の患部の写真 その日の午後に手術を実施しました。
P1010051.jpg

真ん中の壊死した中央の皮膚は切除、周りの皮膚は360度ラジオ波メスで切除して皮膚を新鮮創にしてから縫合をしました。筋肉、皮下織での炎症が激しいのでチューブ(ペンロースドレナージ)を装着しました。

下:手術後1日目の患部の写真
術後1日目.JPG

犬は歩行に問題はなく ドレナージからの漿液の排出はありましたが、予想よりも少なく傷口の状態は良好でした。ドレインチューブは48時間で除去しました。翌日退院としました。

下:抜糸時の患部の写真
CIMG1660.JPG

傷口は綺麗になっていました
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

800g子猫の背中の裂傷

800gの子猫が背中に傷があると連れて来られました。外で他の猫に噛まれたようで時間も経過して背中には大きくカサブタがあり膿が溜まっていました。カサブタを取るのに痛みがあるので全身麻酔下で処置をしました。皮膚の状態によっては手術も必要かと思いました。

下:麻酔下で真ん中のカサブタを取ったあとの画像
P1010032.JPG

麻酔下で真ん中のカサブタを取ると多量の分泌物がありました。細胞診を行うと多量のブドウ球菌と好中球が観察されました。

下:麻酔下で全てのカサブタを取ったあとの画像
P1010035.JPG

1)皮膚の化膿がひどいので、手術しても癒合が悪い可能性
2)若い猫なので皮膚の再生力があると考えた
3)中程度の貧血があった

以上の理由で取りあえずカサブタを取るだけの処置で手術はしませんでした。

下:1週間 内科治療を施した後、麻酔(2回目)下の画像
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1週間、消毒と内科的に皮膚の再生を促す治療をしました。最初数日は傷は小さくなりましたが、4日目〜7日目の皮膚の再生がほとんどありませんでした。完全に皮膚再生するにはかなり時間がかかりそうだっのと、周りの皮膚の状態が良く皮膚癒合は問題なしと判断し再び麻酔して(今回は)手術を行いました。

下:手術後の画像
P10100321.JPG

手術後は患部の状態は良く、手術後2日目に退院としました。

下:2週間後 抜糸した後の写真
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抜糸は2週間後と長くしました。2週間で毛が生えてきていており、皮膚は元どおりになっていました。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の脇の下(腋下部)にできた腫瘤の摘出手術

10半 ダックスの脇の下(腋下部)にしこりがあると連れて来られました。
大きさを測定すると約30mm大の大きさで非常に柔らかく脂肪腫のような感じでした。

後日の細胞診検査結果では、良性の脂肪腫とのことでした。
今後、出来ている部位が非常に皮膚の可動性がある部位なので小さいうちに手術するのも一案であると言及させて頂きました。

1か月後に若干腫瘤が大きくなったようなので手術を希望され各種、血液検査、レントゲン検査を実施し手術を行うことになりました。

下:麻酔中、患部をバリカン、剃毛した後の写真  体位は仰向け、右側が頭側、左側が尾側です。
P1010001.JPG

腫瘤ができた部位はちょうど脇の下で前肢の動きにより皮膚がかなり動く場所でした。

下:手術にて腫瘤を摘出後の写真
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腫瘤摘出後に患部にはかなりの死腔(皮下にできた空洞)が形成されてしまいました。

下:手術にて皮下を縫合した後の写真
P1010009.JPG

腫瘤摘出後は、前肢の動きにより皮下がかなり動くのと死腔がかなりあるので皮下は吸収性縫合糸により密に皮膚を寄せるように縫合しました。

下:摘出した腫瘤
P1010012.JPG

細胞診で脂肪腫との検査結果があったので摘出の際にはぎりぎりのマージンで摘出手術を実施しました。

下:皮膚縫合した後の写真
P1010016.JPG

皮膚の縫合では、前肢の動きで皮膚はかなり伸び縮みする部位なのでその辺を考え縫合に工夫を施しました。
手術の際に、ついでに歯石除去も同時に行いました。
手術翌日に退院としました。
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ジャック・ラッセルテリアの口腔内にできた多発性腫瘤

ジャックラッセル・テリア 雄
ワクチンの時に口腔内に多数のシコリ(腫瘤)を確認しました。
オーナーには、麻酔下で摘出手術を勧めました。
その後、後歯が腫瘤にあたり出血する可能性を考え摘出する目的で再び来院しました。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認の上、後日手術を実施しました。
手術前の細胞診は、口の中の腫瘤で麻酔しないと困難、見た目ではエプリス様だったのでそのまま細胞診なして摘出を行うことにしました。(検査目的の摘出手術)

下:麻酔下 摘出する前の写真
P1010003.JPG

歯を覆うように多数の腫瘤が歯肉でできていた。

下:麻酔下 摘出後の写真
P1010008.JPG

手術では、ラジオ波メスにて切除、切除部位はラジオ波メスの先端チップをヘラ形に代えて焼烙処置をしました。出血が激しいケースも考えてシーリングシステムも用意しておきましたが使用せずにラジオ波メスのみで処置できました。

下:手術で摘出した口腔内の多数の腫瘤  エプリスを疑う外観でした
P1010010.JPG

摘出後の患部の痛みはほとんどなく当日、退院としました。

後日の病理組織検査では、検査した全ての歯肉腫瘤病変では線維性エプリスでした。
線維性エプリスとは歯周靭帯由来と考えられている3歳以上の犬の歯肉部にできる良性の腫瘤性病変です。大部分では、外科的切除後の予後は良好と考えられています。
posted by サム at 03:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする