3003年01月01日

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外部寄生虫、糖尿病、血圧をまとめました。その下に病院内の症例を記載しています。
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外部寄生虫(1)ノミに関して

ノミに関して

ノミは黒茶色の小さな虫です。一度、犬猫に寄生するとノミは、だいたい17日から26日間生存します。また、ノミは寄生すると吸血を開始し24時間以内に交尾します。そして、交尾をして24時間から36時間後に卵を毎日産みます。卵は犬猫の体から落ちて卵→蛹→ノミになり再び犬猫に寄生する生活環をとっています。
現在、日本では犬猫ともに猫ノミの感染がほとんどでしょう。また、ノミは人を刺すこともあるので注意が必要です。

ノミの拡大写真2.JPG

上:通常の写真
下:拡大加工した写真

ノミの拡大写真2a.JPG

犬猫がノミの寄生を受けると以下の病気を起こすことがあるので注意をして下さい。
◎ノミアレルギー性皮膚炎とは
主に犬猫の背中を中心にした皮膚炎で非常に痒みがあります。ノミの唾液に対する犬猫のアレルギーと思われます。よって症状の発現に固体差があります。注意としては体質的にノミアレルギーのある犬猫は1匹のノミの感染でも皮膚炎を起こすことです。特に背中を中心にした部位に発疹が起こります。

◎条虫症(サナダムシ)とは
犬猫が毛を舐める時にノミを飲み込んでしまい感染します。ノミは瓜実条虫の中間宿主(媒介するもの)です。感染した犬猫のお尻から小さな虫が出ます。検便をしても瓜実条虫は虫卵を排出しないので感染を確認できません。小さな虫は1匹の瓜実条虫ではなく、その虫の体の一部(片節)がちぎれて出てきたものです。
大体は、便の表面や動物の肛門周辺にに小さな白い虫が動いていたと気づくケースが多いです。1〜2回の駆虫薬で簡単に駆虫できます。

ノミの顕微鏡写真2.JPG

上写真は、メスのノミの透過標本の顕微鏡写真です。(上2枚の写真と同じノミ)
腹部に卵が何個があるのが分かります。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

外部寄生虫(2)ダニに関して (SFTS 重症熱性血小板減少症も記載)

ダニに関して
犬には以下の4タイプのダニが寄生します。

(1)マダニ
madani03_img03.jpg
マダニは下記の3種類のダニと大きく違う点としては、肉眼で見ることができるダニという点が大きく異なります。犬は、マダニが生息するエリアを散歩して感染します。
以前は、牛馬などのいる地方に犬を連れていき感染するケースが多かったように思えますが、最近では普通の住宅地域でも感染が見受けられます。原因としては森林の伐採などで野生のタヌキなどが住宅地域に入り込み、感染を拡大しているのではないかと思われます。ここら周辺では、明らかに以前に比べて感染エリアは拡大傾向にあるように思えます。

上写真のようにダニは動物に感染すると吸血して幼ダニ➡若ダニ➡成ダニとだんだんと大きくなり、一番大きくなると動物から落下して幼ダニを多数、自然界に放ちます。幼ダニは、散歩している犬の二酸化炭素に反応してジャンプして感染します。よって感染は頭部周囲が一番多い感染部位です。

最近では、重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)という病原体が、ダニから人へに感染が問題になっています。
人での症状;ダニに刺されてから6日〜2週間程度で、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が中心です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)など様々な症状を引き起こします。

2013年1月、国内初の人への確認されたマダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスは、人への感染が報告されていない京都府や東北、関東のマダニからもウイルスが確認されていることが、国立感染症研究所の調査で新たに分かりました。SFTSは、2013年1月に国内初の人への感染が確認されてから、これまでに西日本で52人の感染例が報告され、このうち21人が死亡したことがわかっています。国立感染症研究所のこれまでの調査では、人への感染が報告された県のほかに、報告されていない4県(和歌山・福井・山梨・静岡)のマダニからもウイルスが確認されているが、新たに京都府や東北、関東のマダニからも確認されたことがわかったそうです。
個人的には、ここ20年の国内でのダニの拡散傾向を考えると、人でのこの病気は散発的な発症例は今後も増えるのではないかと危惧されます。

犬へのダニ感染の予防は、フロントラインなど各種、ノミダニの外用薬で予防ができます。
犬についたダニを手で取ろうとして人へ感染した例もあります。
犬についたダニはフロントラインを外用すると48時間で駆除できるので素手でのダニへの接触はしない方が良いでしょう。
感染するリスクのある場合は、感染して使用よりも感染をさせない予防が重要です。


(2)耳の疥癬
mimidani2.jpg
耳道にヒゼンダニ科のダニが寄生する事によって耳に痒みを起こす疾病です。
原因となるのはミミヒゼンダニで耳以外には生育できないとされ、一世代約3週間で増殖を繰り返します。
定期的な駆虫薬の投与が必要になります。
診断は、耳の汚れを顕微鏡で観察してダニの有無を見つける方法ですが、この方法では重度感染では発見できますが、軽度感染ではかなりのパーセントで感染を見落とします。できれば直接、耳の中を拡大したCCDの検耳鏡カメラで直接覗いて、ダニの有無を飼い主の方と一緒に見る法が唯一確実な検査診断法と言えます。

感染は、感染した動物との接触ですが、トリミングなどで感染するケースもあり使用した耳用の器具は毎回、熱湯消毒する必要があります。


(3)皮膚の疥癬
kaisenn2.jpg
体表の皮膚に寄生するヒゼンダニ科のダニによって極めて強い痒みを起こす疾病です。
原因となるのはセンコウヒゼンダニで感染した犬との接触で感染します。
このダニは耳疥癬、アカラスと違い人にも一時的に感染し発疹が生じて痒みを起こしますが、このダニはかなり高い宿主特異性をもつため人ではしばらくするとダニは免疫により死滅する。
(人:皮膚科ではダニが死滅する短期間、痒み止め、消炎剤などの痒み止めを使用するようです)

動物では、一度感染すると急速に増殖し強い痒みを起こすケースがほとんどですが、稀に経度の痒み、皮膚病変で抗生物質、痒み止めで一時的に改善し悪化と改善を繰り返し診断が遅れるケースも稀にあります。
外での飼育犬で、おとなしい野良猫との接触で感染、治癒、感染、治癒を繰り返した例もありました。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。


(4)アカラス(別名:毛包虫 別名:デモデックス)
demodexL1.JPG
アカラスは、健康な幼犬でも偶然に発見される場合があります。これは1歳以内の幼犬では免疫システムが確立されてなく見つかるケースがありますが、特に痒みや皮膚病変がない場合は無治療の場合もあります。しかし感染犬が何かの原因で免疫不全状態になると脱毛、フケが多くなり二次的に細菌感染を受けて化膿炎症を伴う皮膚病となり重症化するとされています。
以前は別の皮膚病の合併症でアカラスが見つかるケースがありましたが、最近では稀にアカラス単独で四肢の慢性皮膚病、体幹部での慢性皮膚炎などもあります。治療には、ある種の内服薬をしばらく投与する必要があります。治療に数か月かかるケースがほとんどですが改善します。

甲状腺機能低下症など免疫低下で二次的にアカラス症になるケースもありホルモン検査も必要でしょう。
このダニは皮膚の内部に生息するので皮膚掻把検査でダニの有無を検査します。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬猫の血圧計を新しいタイプ(犬猫専用血圧計)に買い換えました

2015年8月 犬猫専用の血圧計に買い換えました。

今までの血圧計と違い、この血圧計は測定の時に自動的に複数回の測定を行い、その複数回の数値を見て血圧を算定します。複数回の数値に違いがある場合は、検査結果をエラーと判定するのでより正確に検査ができます。
動物の場合、どうしても多少は動いてしまい測定値にバラツクが出てしまうので、今までの機械よりも正確に検査ができます。

DSC_0249.jpg

機械によって、また測定部位によって若干、測定値に違いがあるのでこれからいろいろと検査データーを積み重ねて臨床で応用したいと思います。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬猫の血圧測定

人では一般的に簡単に血圧の測定が行われておりいろいろな血圧測定器がありますが、それらの測定器は犬猫では使用できません。犬猫では特殊な測定器が必要ですが、諸外国に比べて一般的にあまり血圧測定は行われていないのが現状です。

ketsuatsu[1].png

(参考)
実際は、犬猫でも手間暇をかければ人間同様に犬猫でも血圧の測定ができます。実際、動物用の血圧測定は機械メーカーにより値にバラツキがあり使える機械と使えない機械があります。普段から信頼のおける使い慣れた機種を毎回使用する必要があります。

犬では心臓疾患、慢性腎不全、副腎皮質機能亢進症(クッシング病)、糖尿病などで、猫では甲状腺機能亢進症、心臓疾患、慢性腎不全などで高血圧になるケースがあります。ほとんどは何か別の病気により二次的に血圧上昇のケースがほとんどです。犬猫ともに肥満と高血圧は相関関係はないようです。

血圧測定の際は当院では、色々な点に注意をして行っています。

また、検査結果の解釈では正常値よりも若干高い場合は様子観察、正常値よりもかなり血圧が高いケースが何回かの測定で続く場合のみ異常値と判断します。

 *甲状腺亢進症で内服中(特に猫)に高血圧が発見されるケースが一番多くあります。
 *心臓病、腎不全での高血圧もあります。
 *心臓病で内服中にフラツキがあり血圧測定してみたら低血圧が見つかり血管拡張剤を除いた他の治療薬に変更したりするケースもあり定期的な血圧測定は人同様に動物でも必要です。

 高血圧の場合の治療に関しては、いきなり血圧降下剤は使用せずに安全な薬から効果のほどを見極めて徐々に薬のレベルを上げていくようにしています。

posted by サム at 05:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人の糖尿病と犬猫の糖尿病

最近、犬猫ともに心臓病、腎臓病とともに糖尿病が多くなってきていますので、 
人の糖尿病と犬猫の糖尿病に関しての簡単な話をさせて頂きます。参考にしてください。

tounyou01[1].jpg

一般に糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用が低下したため、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されずに、血液中のブトウ糖(血糖)が多くなっている状態です。

 人の日本糖尿病学会では、人間の糖尿病を4つの種類に分類しています。その4つは、「T型糖尿病」「U型糖尿病」「特定の原因によるその他の糖尿病」「妊娠糖尿病」の4タイプです。
 人の糖尿病の多くは、U型糖尿病を指し全体の95%はこのタイプだと言われています。T型糖尿病は少なく、5%前後だと言われています。他の2タイプはそれよりも少ないようです。
T型糖尿病では、若年層での発症が多く、急激に発症し痩せている人が多いようです。
U型糖尿病では、中年層での発症が多く、徐々に発症し肥満体形の人が多いようです。
T型糖尿病は、遺伝的な原因が主なようですが、U型糖尿病は、いわゆる生活習慣病で発症するようです。
 生活習慣病は、遺伝的な要因もありますが、食生活や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどが深く関わっているようです。注意しましょう。

 さて人の糖尿病と比較して犬猫の糖尿病は、どう違うのか?

 
犬では・・・ 
犬では、人の糖尿病とは違って95%がT型糖尿病だと言われています。要するに遺伝的に糖尿病になりやすい素因がすでにあり発症してしまうようです。
 1型糖尿病とはインスリンを分泌される膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞が破壊されて起こる糖尿病です。T型糖尿病の多くは、自己免疫(自分の免疫細胞が自らの組織を攻撃する)によって膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞が破壊されて糖尿病になってしまうようです。

猫では・・・ 
猫では、犬の糖尿病とは違い人に近い糖尿病です。猫では、約80%がU型糖尿病だと言われています。肥満体型の猫では糖尿病で発症するリスクが高くなるようです。
以前に肥満があり、少しずつ痩せてきて体重がかなり減少してから来院するケースがあります。
犬では、異常に多飲(多く水を飲む)のがおかしいとの主訴で早期に来院するケースが多いようですが、猫では水を飲むのが不規則なのか多飲が主訴で来院するケースは少なく、こちらから問診して「そういえば最近は、水を飲むのが多いかも?」と聴取されます。それらの理由で猫では来院が遅れがちです。肥満体のうちからインスリンを始められれば良いのですが、すでに糖尿病が長期に続いて体重もかなり減少してしまってからインスリンでコントロールする場合、管理が難しいケースがあります。
 *人では、T型は急に発症、U型は徐々に発症します。猫に多いU型糖尿病は、T型糖尿病に比べて人同様に徐々に発症するので来院が遅れてしまうのかもしれません。
 

 犬と猫の糖尿病の違い・・・
 ・犬では糖尿病性の白内障で目が見えなくなることが非常に多いです。要するに犬ではなるべく正確なインスリン量を注射する必要があります。高血糖状態が続くと、犬ではたった1日で急に目が見えなくなると言われています。よって過去2〜3週間の血糖を検査できるフルクトサミンや過去1〜2か月の血糖を検査できる糖化ヘモグロビンを数か月おきに定期的に検査をしてインスリンの量を調節する必要があります。
 
 
posted by サム at 03:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月 美瑛の野鳥

2017年11月下旬、突然の雪・・・
何かの野鳥が、餌箱から餌を取り同じ木の皮の下に餌を隠しています。



下りステップがいいですね!

模様、大きさからオオアカゲラかアカゲラではないでしょうか?
嘴の細さ、お腹が白いのでアカゲラではないでしょうか?
検索したら、アカゲラ(赤啄木鳥)はキツツキ目キツツキ科アカゲラ属に分類される鳥類。

隠した場所を覚えてられるのかなぁ〜!
posted by サム at 02:30| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

注意:日時の表記に関して・・・(再度)



注意:日時の表記に関して ブログ上、どうしても日時解除できないので3000年1月1日から順次掲載しているだけです。順番だと理解してください。(2014年1月〜)



posted by サム at 02:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

△△△△△△△サム動物病院 内科、外科の治療例に関して△△△△△△△

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以下、内科と外科の治療例を簡単にまとめてみました。

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3002年04月01日

25歳2カ月 高齢猫ちゃん

最近は、20歳超えの高齢猫が非常に増えています。
犬では、なかなか20年飼育は稀ですが、最近では猫で非常に増えており何十匹もいます。

本日の診察で、25歳2か月になった猫が定期健康診断で来院しました。

体重は、3.8kg 雌(避妊済み)

5年前から糖尿病でインスリンの注射をしていますが、うまく血糖値をコントロールできています。
半年前から慢性腎不全で薬の投薬をしています。1年前に比べてだいぶ体重も減少してしまいました。
腎機能もなんとか悪化せずに状態維持しています。


下:1年前の写真 今回、撮影しなかったので昨年のもを使用
Cimg1773.jpg

足腰も問題なく、動きも悪くありません。
頭の回転もないようです。


下:1年前の写真 
Cimg1774.jpg

次の目標、26歳!
ちなみに猫の平均寿命は、15歳前後と言われています。
世界記録では、38歳2日だそうです。
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3002年03月01日

犬の肺腫瘍

シーズ 雌 13歳半

2年8か月前に右の第3乳腺に13mm×14mm大のしこりがあり右側1〜5乳腺摘出手術
病理組織検査では、乳腺複合癌(低悪性度)、腫瘍の脈管内浸潤無しでした。

2年5カ月前に左乳腺に異常ないものの、左側1〜5乳腺を予防的に乳腺摘出手術


その後、特に異常はないもののワクチンで来院時に心臓に雑音がありレントゲン検査を実施すると以下のように肺にMass病変が偶然に発見されました。特に、呼吸などに異常はないとのことでした。

2年8ヶ月手術で摘出した乳腺部分に乳腺癌の再発はなし。


下:ワクチン時に偶然に発見された肺のMass病変 横の像

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下:ワクチン時に偶然に発見された肺のMass病変 縦の像

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高度医療動物病院で行った肺の細胞診では、上皮性悪性腫瘍が疑われ、乳腺癌の転移の可能性が高いとのことでした。
現在、ある種類の内服薬で治療中。


下:2か月後のレントゲン写真 横の像
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下:2か月後のレントゲン写真 縦の像
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2カ月前のレントゲンと比較して、肺の腫瘍の大きさはあまり変化がなく、小康状態を維持しているようです。
posted by サム at 09:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

猫の多発性嚢胞腎

4歳半 ペルシャ猫

最近、お腹が大きいと来院

レントゲン検査、血液検査、超音波検査の結果 多発性嚢胞腎という病気でした。

下:レントゲンCR写真 VD像(仰向け)
IM-0001-100112.jpg

腹部、レントゲン写真で左右の腎臓がかなり大きくなっていました。

下:レントゲンCR写真 ラテラル像(横向き)
IM-0001-200212.jpg

超音波検査の画像はありませんが、超音波検査では腎臓に多数の嚢胞が描出され個々の嚢胞は独立的に存在し多発性嚢胞腎の特徴がありました。

多発性嚢胞腎は、ペルシャ猫での発生頻度は40%、発生年齢は15週齢という報告もありますが、3歳以上(平均7歳)が多いという報告があります。
原因は不明だそうです。
嚢胞の根本的で適切な治療法はまだありません。
腎臓の機能を緩和する薬の内服で延命治療が今後継続する必要があります。
posted by サム at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脾臓摘出術

11歳半 雌(避妊済み)のコーギーが、後肢痛みと食欲はあるが、元気がないと連れて来られました。

身体検査では、後肢の麻痺と血液検査では、貧血と炎症がありました。その他は異常なし。
異常あったものは以下
貧血:RBC437万(正常値 550-850万)、ヘモグロビン10.8(正常値 12.0-18.0)、HCT31.7(正常値 37-55)
炎症:CRP10(正常値0-1)

下:レントゲン検査 VD像(仰向け)
IM-0001-1001.jpg

脾臓だと左側に異常が起きる場合が多いですが、お腹の中央やや右側にMass病変がありました。

下:レントゲン写真 ラテラル像(横向き)
IM-0001-2002.jpg

超音波検査では、Mass病変に液体貯留があり脾臓と隣接していました。
膀胱が確認できなかったので、脾臓腫瘍か? 膀胱腫瘍か? 確定できなかったので、後日、尿を溜めて来院。
再度、超音波検査で膀胱とは若干、距離があり脾臓の腫瘤を疑い試験開腹手術をお勧めしました。

血液検査、胸部レントゲン検査をして麻酔できる状態を確認し後日、手術を実施しました。

下:麻酔後、開腹したらすぐに大きな腫瘤が臍の下の腹腔にありました。
p1010003.JPG

見た目では、破裂する一歩手前の状態でした。

下:癒着した腸間膜を離断して少しずつ腫瘤を腹腔外に出している写真
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脾臓の一部が大きくなり腸間膜が広く癒着していました。

下:脾臓の一部にある腫瘤の縦方向の大きさが分かる写真
image1h.jpeg

摘出した脾臓の横からの写真 すぐにでも破裂しそうな状態でした。左側は正常な脾臓。

脾臓にMass病変があった場合、良性なのか? 悪性なのか? 画像診断で判断ができない場合が多いです。予後の判断は、脾臓ごと摘出して病理検査の結果に委ねるしかありません。

麻酔の覚醒も良く翌日から食欲も出てきたので、手術の翌日に退院としました。


その後の病理組織検査では、残念ながら悪性の血管肉腫でした。
何もしないとすぐに再発してしまう悪性腫瘍なので、相談の上、今後は化学療法をする予定です。

posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

セキセイインコの卵詰まり

4−5歳のセキセイインコが1週間前から元気がなく うずくまっていると連れて来られました。

お腹に少し、張りがあるようで超音波検査を実施しました。

下:総排泄腔付近の超音波画像
EMERGENCY015.jpg

総排泄腔のやや上部に超音波プローブを当てると丸い液体のマス画像が観察できました。
よってお腹の張りは卵の詰まりだと判断し、鉗子で卵を割り、優しく圧迫して詰まった卵を圧迫しながら摘出しました。


下:摘出した詰まっていた卵の殻
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外来での処置だったので、そのまま帰宅しました。
再び、卵が詰まる可能性もあり温度管理を指示しました。

卵詰まりで経過が長いと卵の殻とインコの粘膜の癒着がひどく剥がす際に出血を伴うケースもあり慎重な操作が必要な場合もあります。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

悪性黒色腫疑いの犬の腫瘤摘出

9歳8か月のラブラドールレトリバー 雌 が前肢に小さなシコリがあると連れて来られました。

最初は小さなシコリで細胞診もできないくらいの大きさだったものが、3か月で約11mm大になったので細胞診を実施しました。

細胞診の検査結果では、悪性黒色腫が第一に考えられるとの検査結果でした。
詳細には細胞質内に黒緑色に染色されたメラニン色素が認められ、核の大小不同やN/C比のばらつきなどの異型性が認められるとの所見でした。

血液検査、胸部レントゲン検査では特に異常はありませんでした。

悪性黒色腫の可能性があるとのことだったので、確定診断のため前肢の腫瘤を検査目的に摘出をお勧めしました。

また悪性黒色腫の可能性を考えてなるべく大きく摘出することとしました。


下:麻酔後、患部の写真 当日は患部は不明瞭でした。
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手術の当日は、腫瘤の境界は不鮮明で場所の確認がしずらかった。大きさは11mmで以前と変わりはありませんでした。


下:手術中の患部の写真
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腫瘤を摘出後の患部の写真 手術では、悪性の可能性を考慮してできるだけ大きく、深く摘出をしました。
尚、摘出後の患部は洗浄液で徹底的に洗浄を行いました。


下:手術中の患部の写真
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摘出後に傷口はそのまま皮膚を寄せて縫合ができなかったので、縫合部の左右をそれぞれ3か所傷口と並行に縦方向に1.5cmの切り込みを入れ、2か所は傷口と垂直に(横方向)に縫合して摘出部分の皮膚の張力の緊張を緩和し残りの1か所は切りっぱなしとしました。


その後の病理組織検査では悪性黒色腫ではなかったようで、予後は、良好とのことでした。


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ブレンダZ! 犬の急性膵炎の新しい薬 

犬の膵炎の新しい治療薬 ブレンダZが2018年10月頃に発売されました。

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炎症性免疫応答による白血球の血管壁への接着並びに細胞遊走に伴う組織浸潤を抑制することで、抗炎症活性を示します。
この本剤有効成分の作用により、犬の膵炎急性期における臨床症状を改善します。

投与方法:1日1回静脈内投与(点滴注入はダメ)

下:ブレンダZ薬
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1箱に5本入り

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1箱分 1箱分を液で希釈して1kg当たり0.4mを静脈内投与 1箱4mg含まれ1箱分で10kgまでの犬に使用可


早速、適応症例があり飼い主の了解のもと本剤を使用しました。(以下)


プードル 雄(去勢済)10歳2カ月
今朝、3時頃から4-5回 吐いた。 食欲、元気なしとの主訴で連れて来られました。

既往症:1年1か月前の健康診断の血液検査では、リパーゼは217(正常値10-160)で今後、膵炎に注意必要でした。

血液検査、レントゲン検査を実施しました。
血液検査では、総コレステロール450以上測定不能(正常値70-303)、中性脂肪500以上測定不能(正常値20-155)、リパーゼ1000以上測定不能(正常値10-160)でした。その他の生化学検査は異常なし。また、血球系検査異常なし。炎症の検査は当初は異常ありませんでした。(CRP0)
リパーゼと中性脂肪のみ10倍希釈して再検査を実施したところ中性脂肪は5000以上で再度測定不能、リパーゼは3174でした。
レントゲンでは特に異常はありませんでした。
よって急性膵炎と仮診断しました。どうも1週間前に今まで処方食から市販食に食事を変更したようでした。

入院治療を勧めましたが、犬の性格上、入院を希望せず 通院を希望だったのでブレンダZを使用しました。
その日は、ブレンダZを静脈内投与のみでその他の治療は何もしませんでした。
翌日は、休診日だったので膵臓の内服とステロイドを朝夕内服を指示しました。その間2日間は食事制限を実施しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロールは419(正常値70-303)、中性脂肪は97(正常値20-155)、リパーゼは400(正常値10-160)で数値はかなり低下していました。
犬は、元気が出てきて吐き気はなかったとの事でした。
その他、血球系は異常ありませんでしたが、膵臓に二次的に炎症があり(CRP20以上測定不能)でしたので、抗生剤投与を開始しました。犬は、特に異常はなく食欲、元気もあり嘔吐もありませんでした。

前回の診察から3日後、食事は少しずつ増量も犬は食欲もあり、嘔吐なし 見た目の状態は普段と変わりないとのこと。
血液検査では、コレステロール、中性脂肪は正常でしたが、リパーゼが再度上昇 リパーゼ再検査で1734(正常値10-160)。 炎症の検査CRPはかなり低下していました。
再度、ブレンダZを投与しました。食事は、膵炎用の処方食に変更しました。

前回の診察から2日後、血液検査は、コレステロール321、中性脂肪293、リパーゼ240で数値はかなり低下しました。炎症の検査CRPは0まで低下していました。
吐き気もなく状態はほぼ健康状態でした。

その後は、経過良好でした。


急性膵炎での重症例では、入院点滴してFOYなどの薬を静脈点滴する必要がありました。それらの薬は、半減期(薬剤が体の中で効果が半減する時間)が1-2分なので長時間の点滴が必要でした。このブレンダZは、1日1回の静脈内投与で効果を発揮するので非常に画期的な動物用の急性膵炎治療薬です。





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猫の肥満細胞腫

11歳 猫 数年から顔に小さなシコリがあり、時々掻きこわして出血するのと主訴で連れて来られました。

下:患部の写真
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下:麻酔後、手術前の写真
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悪性腫瘍なのでマージン(切り取り)は極力、大きく摘出しました。


下:手術後の写真
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翌日、退院としました。

下:摘出した腫瘤
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その後の病理組織検査では悪性の肥満細胞腫でした。
肥満細胞腫は、ヒスタミンを分泌して痒みを起こすケースがあります。また、肥満細胞腫はヘパリンと言う物質を分泌して出血時の血液凝固を阻害するケースがあります。

手術後に顔面神経麻痺が起きて、手術した側の目が閉じなくなりましたが、抜糸後にすぐに麻痺は改善しました。
悪性なので極力、大きく摘出したので縫合糸の一部が顔面神経を圧迫していたのかも?
目は左右どちらが異常あるのか分からないほど改善しました。
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犬の前立腺ガン

15歳 コーギー 雄(去勢済)

他院で前立腺癌と診断され、セカントオピニオンで来院。

直腸診で前立腺が背側側に大きく固くなっていました。
レントゲンを撮影しました。


下:腹部レントゲン写真 ラテラル像
IMG_1233 - コピー.jpg

矢印は前立腺の石灰沈着、前立腺に切開沈着が生じると前立腺癌の可能性が高いです。
また、腰椎(腰の骨)は数か所で骨の融解が起きており、前立腺癌の転移からくるものだと思われました。

排尿困難はないものの僅かに血尿あり。前立腺に石灰沈着像、腰下リンパ節肥大、腰椎(腰の骨)が融解した像(腰椎に転移)から、やはり前立腺癌だと診断しました。

セカンドオピニオンなので血液検査、超音波検査は実施しませんでした。
残念ながら、完治の治療は困難なので、今後は痛みをいかにコントロールするかにあると思います。




去勢手術をしておくと前立腺肥大は予防できますが、前立腺癌には予防効果はないようです。

犬の前立腺疾患では、良性の過形成、腫瘍、異形成、前立腺内部嚢胞、前立腺周囲嚢胞、前立腺の感染があります。

最近では、尿検査で前立腺癌の早期診断ができるようになりました。

前立腺腫瘍はほとんどが悪性で腺癌と移行上皮癌が一般的ですが、前立腺が他の悪性腫瘍の転移先となる場合もあるそうです。

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3002年02月01日

高齢ダックス 腹部と首の腫瘤摘出

12歳半 ダックス お腹と首にシコリがあると連れて来られました。
非常に肥満体質で体重が、9.5kgでした。レントゲン検査と血液検査で心臓肥大と高脂血症がありました。
今後、クッシング症候群になる可能性あり(数値が上昇ぎみ)。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
p1010004.JPG

以前に脂肪腫で手術した傷跡があります。
腫瘍がある乳腺とその前後の乳腺の3乳腺を摘出しました。

下:手術で摘出後の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
p1010005.JPG

細胞診ではやや悪性の可能性もあり、なるべく大きく切除しました。

下:摘出した3乳腺と腫瘤
P1010007.jpg

麻酔中に酸素飽和後がやや低く、麻酔覚醒後に呼吸促拍があり2時間程度、ICUに入れ酸素管理をしました。
手術後の心電図検査で心臓の機能低下がみられたため、心臓の内服を開始しました。

下:手術後の患部の写真 写真左が頭側、右が尾側
P1010011.jpg

下:次に、首下にあった良性の腫瘤だと思われた腫瘤の塊を摘出 写真左が頭側、右が尾側
P1010018.jpg

翌日には呼吸も落ち着き、血液検査でも特に異常はなく、その日の午前に退院としました。
心臓の薬は抜糸まで継続して頂きました。
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左右同時に摘出した乳腺腫瘍

10歳半のプードルがお腹に1個しこりがあると連れて来られました。
細胞診では良性腫瘍との事でした。
それから半年すると反対側にも1mm程度のしこりができてしまい左右同時に手術するのをお勧めしました。

手術前にレントゲン検査、血液検査で異常なしを確認しております。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 左が頭部、右が尾側です。
P1010001.jpg

左の第4乳腺やや中央寄りに15mm大のしこりが半年前からありました。細胞診の検査では良性乳腺腫瘍の可能性大。
当初は、左の第1〜第5乳腺まで片側乳腺全摘出を考えていましたが、しばらくすると右側の第4乳腺に1mm大のしこりがあるのが分かりました。よって予定を変更して、左側第3〜第5乳腺と、右側第4、第5乳腺を同時摘出をすることにしました。


下:手術で摘出後の患部のsteam写真
P1010002.jpg

左側第3〜第5乳腺と、右側第4、第5乳腺を同時摘出しました。
細胞診では良性だったので、左側は一番大きい腫瘍部の乳腺とその前後の乳腺の手術に留めました。


下:摘出下左右の5つの乳腺と腫瘤2個
p10100048.JPG

手術の翌日に退院としました。
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100個以上あった膀胱結石の犬の症例


ダックスフント 雌(避妊済) 11歳2カ月が1週間前から頻尿、血尿があると連れて来られました。レントゲン検査で膀胱結石が多数あるのが分かり手術を勧めました。

下:レントゲン写真  矢印が膀胱内の多数の結石
unnamed.jpg

膀胱内に多数の結石があるのが分かります。20-30個はあるのではと説明しました。

飼い主の方の都合もあり抗生物質で内科治療を継続し2週間後に開腹手術、膀胱切開術で膀胱結石を摘出しました。

下:手術中の写真
p10100051.JPG
切開した膀胱の開口部分から大きな結石を取りだしている写真

大きい結石は簡単にピンセットで除去できましたが、細かい結石は時間をかけてピンセットで除去しましたが、なかなか完全に除去できないので膀胱内にサクション(吸引器)を入れ何回も洗浄、吸引を繰り返しました。
当初、レントゲン写真では20-30個ぐらいかと思われましたが、膀胱切開すると細かいのも合わせると100個以上は結石がありました。

下:手術後すぐのレントゲン写真
unnamed6.jpg

手術後のレントゲン写真では矢印の膀胱がある部位には多少の残存した空気(黒いもの)があるだけで、結石は1個もなく全て除去できました。


下:手術で摘出した多数の膀胱結石
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ピンセットで時間をかけ取れた結石

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膀胱洗浄しながら開口部分に出てきた結石を取ったもの

細かいのも全て合わせると100個以上はありました。
手術後は、血尿もなく翌日退院となりました。


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眼球摘出術を行った症例

プードル 12歳7か月

7歳3か月の頃から僧帽弁併催不全症にて心臓の薬を内服しています。
現在は、血管拡張剤、強心剤、利尿剤を併用し心臓病はコントロールできています。
心臓雑音は、LEVINE分類で6段階中6段階目の強い雑音ではあるが、レントゲン、心電図、血圧は安定しており症状もほとんどない状態でした。

来院の約1か月前にブドウ膜炎を起こし、他院にて治療にて良化したものの虹彩部に異常があり、そちらの紹介で行った目の専門病院にてメラノーマの疑いが強く眼球摘出を勧められ、紹介にて当院に来院しました。

視診では、眼球の大きさは左右同じで、威嚇反射あり(視力あり)、眼球に痛みもなく 眼圧測定でも左右とも眼圧は正常でした。目の超音波検査では眼底部などに異常はなし。

下:手術前の右目の写真 結膜の充血があるのみ
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目の専門病院での検査所見などが全く不明なため、メラノーマではない可能性もある趣旨を十分に説明・・。摘出手術を希望され手術を実施しました。

眼球摘出手術では、悪性腫瘍の可能性も踏まえて眼球をそのまま摘出する経結膜法ではなく上下の眼瞼を最初に閉鎖してそのまま大きく眼球を摘出する経眼瞼法にて摘出手術を実施しました。

下:手術後当日の写真
k.JPG

手術中もほとんど出血もなく1時間程度で摘出手術は終了しました。
手術後も痛み止めの治療を併用しほとんど患部痛みはありませんでした。


その後の病理組織検査では、眼球内の異常は虹彩毛様体腺腫でした。
これは眼球の虹彩毛様体の色素/無色素上皮より発生する良性腫瘍との事。この腫瘍は転移することはありませんが、大きくなると緑内障を併発することがあります。眼球摘出後の予後は一般的に良好だそうです。

現在の獣医療では犬の眼球内の腫瘍は一般的に黒色腫が一番多いです。一般的に眼球の場合は手術前の細胞診をすると眼内で緑内障、眼内出血などの合併症から検査は行われず、腫瘍が疑われる場合は眼球摘出を行いその後の病理組織検査に委ねるのが一般的です。
posted by サム at 06:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

骨軟骨異形成症

4歳のスコテッシュ・フォールドが歩き方がおかしいと連れて来られました。
触診で痛みはあまりないようでしたが、後肢が開脚歩行で後肢の先端の骨が大きいようでした。

下:レントゲンCR写真 前肢の写真
IM-0001-3003 - コピー (2).jpg

レントゲンでは、腰椎、股関節、肘関節、膝関節には異常はありませんでしたが、前肢後肢の手根骨、足根骨の関節に明らかに異常がありました。


下:レントゲンCR写真 後肢(右)の写真
IM-0001-3003 - コピー.jpg

後肢は著しい外骨性の骨増生が認められる。

骨軟骨異形成症は、折れ耳のスコテッシュ・フォールドで多発している疾患で、遺伝の関与が指摘されています。
スコチッシュ・フォールドは、突然変異である折れ耳の猫を繁殖させて確立した品種であり、その特徴である折れ耳は軟骨から骨への形成に関わる遺伝子の異常で生じたものだそうです。本疾患は常染色体の郵政遺伝によって発生したことが明らかになっています。

スコテッシュ・フォールドの交配で本疾患が高率に発生するので母国イギリスでは品種として公認されていないと言う経緯があります。
その後は、ブリティッシュ・ショート・ヘアーやアメリカン・ショートヘアーとの異種交配で発生率が少なくなるようになり現在に至っているが本疾患の発生を制御できていないのが現状です。
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生理出血が長期間続いた生後10か月の雌犬

生後9か月のヨークシャーテリアが2カ月前から外陰部から生理出血が続くと連れて来られました。
血液検査では貧血や炎症の数値には特に異常はありませんでした。超音波などでは子宮に水腫や蓄膿はないようでした。

子宮の異常出血を抑える薬を継続内服しました。
2週間後、出血はかなり減っているがまだ少しあるようでした。
3週間後、出血はなくなったが動いたときに透明な液が出るとの事でした。
再び超音波検査を行いましたが子宮に異常はないようでした。

4週間後に卵巣子宮摘出手術を実施しました。

下:摘出した卵巣と子宮
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摘出した子宮は体の割りにやや大きかったようですが、子宮内に液体や膿の貯留はありませんでした。
卵巣は外見上は異常はありませんでした。

下:手術後の患部の写真
P1010002.jpg

翌日、退院としました。

その後の病理組織検査では、子宮内膜過形成でした。この疾患により活発な性ホルモン産生により子宮内膜が過形成したようでした。
何もしないとその後に内膜腺はしばしば嚢胞性に過形成し分泌亢進によって子宮水腫を起こしたり、細菌感染を起こしやすくなったりすることで子宮蓄膿症につながることもあるようですが今回の手術でそれらが起きる可能性はなくなりました。




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高齢雌犬の子宮蓄膿症

13歳半 チワワが3-4日前から食欲が無いと連れて来られました。
血液検査では、腎臓の数値がやや高く、炎症の数値が測定不能なくらい上昇していました。

この病気は子宮が大きい場合は早期に手術をする時間が早ければ早いほど完治する確率が高くなります。

下:レントゲンCR写真
IM-0001-1001.jpg

上写真:腹部横(ラテラル像) 大きな子宮が分かります。
下写真:腹部仰向け(VD像) 左右の大きな子宮が分かります。

点滴で脱水を補正した後、その日のうちに開腹手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 仰向け
P1010018.jpg

下:麻酔後、手術前の患部の写真 横方向
P1010020.jpg

麻酔して体の力が抜けるとお腹の大きさが顕著に分かります。

下:手術中の写真
P1010022.jpg

手術翌日の血液検査では前日の腎機能と高K血症は改善されていました。

2日目午後からやや食欲が出てきて、3日目に退院としました。
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高齢雌犬の乳腺腫瘤摘出

13歳半の雌の柴犬の腹部に固いシコリがあると連れて来られました。

細胞診の検査では異常なしとの結果でしたが、少しづつ大きくなっているようなので摘出手術を行いました。


血液検査、胸部レントゲン検査で異常なしを確認後に手術を実施しました。

下:麻酔後、手術前の患部の写真 左が頭側、右が尾側です
P1010006.jpg

左第5乳腺に固いシコリがあり、ついでに左第4〜第5乳腺間にあるシコリと右第3にあるシコリもついでに摘出しました。

下:手術後の患部の写真
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細胞診で悪性所見が無かったのと高齢なのを考慮して患部のみの手術にし、かつシーリングシステムを用いて手術時間を極力短縮しました。

麻酔の覚醒も良く、翌日の生化学検査も異常なしを確認後に退院としました。
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3002年01月01日

高齢犬の皮膚腫瘤 3箇所同時切除

13歳6か月 マルチーズ が、お腹のシコリが大きくなってきたと連れて来られました。
約2年前にも乳腺腫瘍の手術(左側片側全乳腺摘出)を行いました。病理組織検査では以前の乳腺腫瘍は全て良性腫瘍でした。

血液検査、レントゲン検査で異常なしを確認して摘出手術を行いました。


下:麻酔後、手術前の患部の写真(腹部) 画像の左が頭部
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右矢印は2年前の良性腫瘍の摘出部位の近くにできたもの。左矢印は当たらにできた乳腺腫瘍と思われるものです。
犬は高齢なのと心臓病があるので右側は片側全摘出術は実施せずにその部位のみを摘出しました。


下:麻酔中、手術前の患部の写真(背部) 画像の上が頭部
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この犬は、腫瘍ができやすいようで体のあちこちにパピローマと思われる良性腫瘍はあります。
背側に何年も前からあるパピローマ(乳頭腫)が大きくなり、時々出血して困るようなのでついでにここの腫瘤だけ摘出しました。


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心臓病のある高齢雄犬の尿路結石の摘出手術

13歳11か月 雄 2.7kg チワワが2週間前から食欲減退と元気消失と数日前から血尿があると連れて来られました。
既往症としては心臓病があり2年7カ月前から心臓の薬を内服しています。雑音程度は6段階で4番目の強さ。

血液検査では異常なし。レントゲン検査で膀胱と尿道に結石がありました。


下:レントゲン検査 矢印は尿道に詰まった結石2個
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膀胱に大きなキウイ様の結石と尿道に陰茎骨内に結石が2個ありました。
すぐにカテーテル処置で尿道内の結石を水圧で膀胱に押し戻しました。
高齢を考え、まず内科治療をして食欲、元気がでてきたら摘出手術をお勧めしました。

それから1週間で状態は改善し9日後に摘出手術を実施しました。


下:手術当日の膀胱のレントゲン検査 
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手術当日には尿道に結石はなく、膀胱にだけありました。


下:手術中の写真
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膀胱の内容積において結石の占める割合はかなり大きく膀胱を触診するとすぐに結石が分かる状態でした。
切開すると膀胱粘膜はかなり肥厚しており病態の経過の長さを感じました。
膀胱切開すると一番大きな結石は一部膀胱粘膜と癒着していましたが、なんなく摘出できましたが、そのほかの結石は明らかに膀胱粘膜内に侵入しており容易に摘出ができず結石を割って摘出しました。


下:摘出した結石
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手術後の血尿を予想して内科的な治療を施したため、手術後の血尿は僅かでした。



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高齢ウサギの鼻の横にできた皮膚腫瘤

10歳1か月 ロップイヤー種 雄 が鼻の横にシコリがあると連れて来られました。

身体検査では、左鼻の横のシコリは縦11mm×横6mmの大きさでした。
穿刺標本を作製して細胞診の検査を検査センターに郵送しました。

後日の細胞診検査結果では、非上皮性悪性腫瘍を疑うとの所見でした。

手術を希望し9日後に再度来院しました。左鼻の横のシコリは縦14.5mm×横10mmと大きくなっていました。
血液検査、レントゲン検査を実施し、麻酔できるかどうかを判定しました。
心臓肥大と心臓異常の数値が若干高いものの手術をすることになりました。

それから2日後に手術を実施しました。 左鼻の横のシコリは縦16mm×横10.5mmになっていました。


下:麻酔前の患部の写真
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麻酔前に患部の写真を撮影してみました。


下:麻酔後、手術前の患部の写真
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患部は左鼻のすぐ横にありました。


下:摘出した腫瘤
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何かシスト状のような形体で下方に白い膜らしきものがありました。


下:手術後ウサギの写真
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全身麻酔と局所麻酔を併用して患部を摘出しました。
手術では、ラジオ波メスとバイポーラクランプを使用して摘出手術を行いました。

ウサギはストレスに弱いので入院によるストレスを考えて当日に退院としました。
麻酔の覚醒は非常に良かったです。
posted by サム at 07:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする